健診センターの仕事(健診、検診、巡回健診、人間ドック)は、病院以外で働きたい看護師さんの転職先候補の一つになっています。

このページでは、健診センターで働く看護師について知っておきたいことをまとめています。

健診の仕事に興味がある看護師さんはぜひ参考にしてみてください。

※健診や検診、人間ドック専門に行う施設は、施設によって名称が異なります。「健診センター」や「検診センター」、「健康管理センター」といった名称がありますが、当ページでは「健診センター」に呼称を統一しています。

健診センターの看護師の仕事はきつい?それともラク?

健診センターの仕事は、日勤のみで夜勤がない、残業が少ない、日祝が休めるなど、看護師の仕事の中でも体力的に楽な職場ということができるでしょう。

また、受診者は比較的健康な人が多くなっていますので、病棟勤務などに比べて、精神的な面でキツさを感じることが少ないです。

しかし、仕事自体が楽であるかというとそういうわけではありません。

多数の受診者に対する的確で迅速な対応が必要になりますし、時には受診中に体調不良を起こしてしまう人もいて、ルート確保などの臨機応変な対応を求められることもあります。

なかには深刻な病状の人や自分が大変な病気を抱えているのではないかと心配や不安を抱えている患者さんもいて、接遇には気を遣う場面もあります。

また、配属されるポジションにもよりますが、採血を行う回数がとても多いので、採血に苦手意識を持っている看護師さんにとっては、とてもキツい仕事だと思います。

さらに、「数をこなす」という感覚で業務を進めていかなければならない面があるため、じっくりと患者さんと関わっていきたいと考えている看護師にとっては、キツいというよりはやりがいの面で物足りなく感じることがあるかもしれません。

健診センターの仕事の特徴まとめ

  • 健診センターではパートなど非常勤のスタッフも多く勤務していますが、常勤の看護師と仕事の内容に差が生じることはほとんどない。
  • 健診は基本的に日中にしか行われていないので、スタッフも勤務時間は日勤帯だけとなっていて、残業もなく土曜日や日曜日は休日になることが一般的。
  • 常勤で働く場合、勤務先は健康診断や人間ドックを専門にしている医院やクリニックが中心になる。
  • 非常勤で働く場合、病院などに併設されている健診センターがおもな勤務先になる。(常勤のスタッフについては院内でほかの部門からの異動希望者を優先する傾向がある)
  • 各種の社会保険制度や休暇制度については、基本的に充実した内容が整えられている。(例えば、病院の健診センターでは食事補助を受けられる場合が多い)

健診センターで働く看護師の給料は?

健診センターにおいて正職員(常勤)で働く看護師の平均年収は、約380万円ほどとなっています。

基本給(月収)

年収の内訳を見ると、基本給となる月収は25万円程度が相場となっています。

ボーナス(賞与)

ボーナスや各種手当がつくところも多くなっています。ボーナスは、多くが基本給の2,3か月程度です。

各種手当

特に保健指導などを行う場合ですが、資格手当として反映される場合が多くなっています。保健師の資格自体を資格手当としているところもありますし、保健指導の実績を手当としてつけているところもあります。

出張を伴う健診であれば(特に遠方や宿泊を伴う場合)、出張手当がつきます。また、住宅手当や食事手当、中には就学前の子どもがいると保育手当がつくなど、福利厚生関連の手当が充実しているところも多くなっています。

健診センターと病院の給料を比較

健診センターでの常勤看護師の平均年収を、病院などで働く一般的な看護師の平均年収と比べてみると、

  • 日勤のみで働く常勤看護師の平均年収:400万円前後
  • 夜勤もこなす常勤看護師の平均年収が470万円前後
  • 健診センターの常勤看護師の平均年収380万円前後

となり、健診センターのほうが低めの給与になっています。

年収が低くなっているのには、2つの要因が考えられます。

まず、健診センターでの仕事は、日勤のみで残業も少ないところが多くなっています。夜勤手当がなかったり、残業手当が少なかったりする分、年収が下がってしまうのです。

そしてもうひとつが、昇給の「違い」によるものです。昇給には、定期的に基本給が上がる定期昇給と、昇進・昇級によるものがあります。病棟などで勤務する場合などが特にそうですが、経験や勤続年数、能力などによって昇進・昇級すると、それが基本給に反映されたり、役職手当というような形で手当がついたりして、年収もアップしていきます。

一方健診センター勤務の給料では、定期昇給はあるところが多くなっていますが、昇進・昇級が少なくなっています。そのため、勤続年数などによる年収の開きがそれほどありません。

ただ、日勤のみで残業が少ない、日祝休みなどの勤務時間や職場環境から考えて、こうした年収を妥当だと感じている健診センターナースも多くなっています。

健診アルバイト・パート・派遣の場合の時給相場

健診センターにおいて、アルバイトやパート、派遣で働く看護師の時給相場は、約1,500円です。

巡回健診を主としているか、施設での内勤を主としているかでは、時給の差はほとんどありません。ただし、巡回健診で早出の仕事が多いところでは、手当がつく場合があります。また、正職員(常勤)で働く場合と同様、保健師の資格を持ち、保健指導ができると、時給アップにつながります。

病棟勤務などに比べて、夜勤がないことや、体力的に楽なこともあり、健診センターでのアルバイトの時給相場は良いと思われがですが、他の看護師の仕事と時給相場を比べると、日勤のみで働く看護師のアルバイト・パートの時給相場が1,400円ほどなので、特に高給であるというわけではありません。

都市部と地方で違う、健診センターの給料

健診センターは、働く地域によってかなり給料の差があります。

都市部にある健診センターでは、常勤で年収400万円、非常勤で時給1,600円を超えるようなところも多くなっています。特に首都圏などで新しくできた健診専門クリニックなどでは、時給2,000円を超えるケースもあります。

繁忙時に見られる短期や単発の勤務ですと2,500円といったように高額の設定がなされている場合もあります。

しかし、地方に目を向けると、常勤で年収340万円程度だったり、非常勤で時給1,300円前後のところが多く、なかには1,000円前後の時給となっている場合もあります。

給料の高い健診センターの特徴

給料の高い健診センターを見てみると、最新機器を導入したり、施設内の設備を充実させたりして、富裕層をターゲットにしているところや、地域医療の拠点として1日に多くの人を健診しているところなど、何らかの特徴を見出すことができます。

こうした職場では、接遇面に気を遣わなくてはならないといったことや、多くの仕事をこなさなければならない、早出の仕事が多いなど、それなりの理由があって給料が高くなっていると考えたほうがよいでしょう。

看護師は健診センターでスキルアップできる?伸ばせるスキルや関連資格を紹介

的確にテキパキと仕事をこなすスキル

健診センターで看護師として働く場合、多くのナースに自然と身に付くのが「的確にテキパキと仕事をこなすスキル」です。

これは健診の仕事が、1日に何十人、何百人の人を相手に健診を行うことが日常化しているということが背景にあり、1人にかける時間を長くとることが難しいためです。

また、いくつもの健診項目があるので、どこか1か所で必要以上に時間がかかってしまうと、健診が全て終わるまでにかかる時間が長くなったり、待ち時間が長くなってしまったりすることにも繋がります。

そのため、ここではテキパキと仕事をこなすことは当たり前のことでもあり、そのスキルは自然と身に付きます。

採血のスキル

健診センターで勤務する場合には、「採血スキル」が身に付くことはよく知られています。採血は健診項目の1つであり、どの職場でも必ず実施されています。

職場によっては「採血が苦手な人は他の担当にする」ということもありますが、事前の教育や研修をしっかり行うことで、全ての看護師が採血の担当になれるようにする健診センターもあります。

また、教育や研修を受けることができるだけでなく、病院などでは経験できないくらい多くの人の採血を行うこともスキルアップできる理由の1つです。

採血は、人によって血管が見えにくい場合もあるので苦手とする看護師も多いですが、経験を積むことで成長できる技術でもあります。そのため、採血の技術を身に付けたり腕を磨いたりするには最適の職場とも言えます。

関連資格を取得してスキルアップ!

健診センターで働く看護師におすすめの関連資格をいくつか紹介します。健診の仕事の中でさらなるスキルアップを狙いたい看護師さんは資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

消化器内視鏡技師

健診業務に携わる看護師のスキルアップに繋がる関連資格としては、人間ドックに関連するものが多くあります。よく知られているのが、消化器内視鏡技師です。

消化器内視鏡技師の資格を取得することが業務で役立つかどうかは、その職場で内視鏡検査を実施しているかにもよりますが、内視鏡検査を実施している職場では非常に役立つ資格の1つとなっています。

この資格を取得していれば、内視鏡検査を実施することができるだけでなく、介助を行う際にもスムーズに仕事を進めることが可能です。そのため、人間ドックを行う職場では、スキルアップのために取得するナースは比較的多くいます。

人間ドック健診食生活改善指導士

もう1つの資格に、「人間ドック健診食生活改善指導士」があります。

この資格は、人間ドック食生活アドバイザーとも呼ばれているもので、「健康を維持するためには食生活を見直すことが重要である」ということから注目が高まってきていて、人間ドックを実施している健診センターでの需要が高まってきています。

保健師免許

その他にも、保健師免許を取得することも業務で役立つケースがあります。

例えば、健診の際に生活習慣病やがんなどを防ぐための指導も行っているような職場では、健康管理に関するアドバイスを行う機会もあります。

求人の際に求められることはほとんどないですが、看護師と保健師の両方の観点から健診に携わることができるということは、業務範囲やアドバイスの内容も広がることに繋がります。

臨床検査技師

健診センターで長く働きたいという場合には、臨床検査技師の資格を取るのも良いでしょう。というのも、健診センターでの業務の多くは臨床検査と呼ばれるものであり、仕事の中で活きる場面は非常に多くあるためです。

保健師免許と同様に、募集の時点で求められることは少なく、取得するためには時間もお金も本人の努力も必要とするので簡単ではありません。

そのため、これらの免許・資格については、実際に勤務してある程度仕事を経験し「今後も健診に携わるナースとして頑張りたい」と思った時に取得を検討してみても良いでしょう。

看護師が健診センターで働くメリット・デメリットまとめ

【メリット】夜勤・残業がない

健診センターに勤務する看護師へ転職するメリットは沢山ありますが、まず第一に「夜勤・残業がない」という点が、多くの看護師が魅力を感じています。

一般的にナースの仕事は、夜勤があって残業も多く、生活リズムが不規則になりがちという傾向ですが、健診業務を行う医療機関では、夜勤が無いだけでなく残業も無いので、規則正しい生活を送ることができます。

【メリット】土日休みが多い

また、「土曜日・日曜日が休み」ということも魅力的なもので、シフト制ではなく週休制であるため予定も立てやすく、プライベートの時間を確保しやすくなっています。

特に、子育てをしながらナースとして働きたいという人には、子供や家族との時間を作りやすく、学校のイベントにも参加しやすい仕事と言えます。

【メリット】穏やかな環境で働きやすい

その他のメリットとしては、「病院に比べると穏やかな環境」という点があります。というのも、健診センターで勤務する場合、1人のナースがいくつもの仕事をこなすというより、1つの仕事を繰り返すということの方が多いためです。

例えば、採血の担当になったナースの場合、退職まで採血の担当、または、その日1日・その週1週間は採血の担当という具合になることがほとんどです。

職場によっては、ローテーションで定期的に担当業務が変わるという場合もありますが、病院に勤務する看護師のように次から次へと様々な業務が舞い込んでくるという仕事ではありません。そのため、同じ作業を繰り返す仕事が得意な人にとっては特に働きやすく、メリットの多い職場だと感じるでしょう。

【メリット】雇用形態を選べる

さらに、健診看護師のメリットとして、「様々な雇用形態で勤務することができる」ということもあります。

正職員として健診機関に転職することはもちろん、パートやアルバイト、派遣など様々な雇用形態での求人が出されているため、ライフスタイルやワークスタイルに合わせて働くことも可能です。

中には、1か月から3か月間の短期間限定のパートや、1日だけの単発バイトもあるので、転職前にどんな仕事かを知るために働いてみることもできます。病院での仕事と違って命の危機にある患者さんの対応をすることは無いので、看護師の精神的な負担も少ないです。

【デメリット】給料アップが見込めない

反対にデメリットとなるのは、「給料アップは狙えない」という点です。特に、病院で勤務している看護師が健診センターへ転職する場合には、給料アップを狙っていなくても、健診機関の給料の低さに驚くかもしれません。

健診ナースは、残業や夜勤が無いためその分手当が支給されず、一般的なナースの給料や年収よりもかなり低い金額となっています。そのため給料アップよりも、土曜日・日曜日が休みであったり、夜勤が無かったりすることに魅力を感じる人にとっては、好条件と言えるでしょう。

【デメリット】伸ばせるスキルが限定的

「看護師としての総合的なスキルアップは期待できない」ということもデメリットの1つです。健診センターで1人が受け持つ業務内容は限られており、場合によっては1つの業務をずっと担当することもあります。そのため、総合的なスキルアップが難しく、病院などに比べると身に付けることができるスキルも限定的です。

ただし、採血を苦手とするナースの場合は、病院などで勤務する場合と比べて、実践経験を多く積むことができたり、研修が充実している職場が多いため、「苦手を克服したい」という熱意があれば、採血のスキルを身に付けることができる環境でもあります。

【デメリット】雑務も多い

その他のデメリットとしては、「雑務も多い」ということがあります。病院などの医療機関で勤務する場合も、看護師でなくてもできる仕事を任されたりすることはありますが、健診センターの場合はそれ以上に多くあります。

特に巡回で健診を行う場合には、限られたスタッフでセッティングから片付けまでを行うため、より多くの雑務があります。

巡回しない場合でも、健診を受けた人のデータをまとめたり健診の際に必要となるものの確認・補充などを行ったりするので、どのような形態の職場でも雑務が多いことは覚悟する必要があります。

健康診断の種類と看護師の仕事内容

健康診断は大まかに以下の種類に分けられますが、どれも病気の早期発見を行い健康づくりが主な目的となります。

  • 人間ドック
  • 生活習慣病の予防健診
  • 行政指導による健診
  • 特定健診・特定保健指導

施設健診の場合は、各種健康診断や人間ドック、PET健診、内視鏡などの健康診断の実施や結果処理になります。

一般的な健康診断

一般的な健康診断では、問診や身長・体重測定、腹囲・BMI・視力・聴力検査、胸部X線検査、血圧測定、尿検査、血液検査、心電図といった項目の検査や補助を行います。

健診は集団で行うことも多く、限られた時間内で正確な検査業務を行うことが重要です。健診で行う業務は看護師として基本的な看護技術ですが、自分が担当する業務をスムーズに行うことが求められます。

規模の大きな健診センターでは、多くの受診者への対応が求められます。特に採血業務などでは日に何十人もの採血を行うことになります。採血の技術が高く正確であることや素早さ、効率の良さが求められます。

ひとつの検査が滞ると他の検査や受診者に迷惑をかけることになります。業務の流れを掴むことや、担当業務が変わってもすぐに対応できる能力も必要になります。

人間ドッグ

人間ドックは、ゆったりしたスペースで時間をかけ、精密な検査を行います。1泊2日や半日コースなどで、じっくり全身を検査します。他にも、脳梗塞やくも膜下出血などの予防の脳ドッグや乳がん、子宮がんといった婦人科の検査を行うレディースドックなどもあります。

人間ドッグは、基本的に医療保険を適用しない自由診療になります。そのため、一般的な健診と違い特別なサービスの提供や快適な空間で受診を行うことになります。

看護師の働き方も看護技術の正確さだけでなく、サービス業のような接遇マナーが求められ、患者さんというよりお客様としての対応が必要です。基本的な業務は通常の健診業務と同じですが、データの入力や郵送手続きなど事務的な業務も多くなります。

PET健診

PET健診は、がん検査法で早期がんの発見が可能です。1回の検査で全身をチェックできる検査になります。

看護師の業務は、問診などの補助業務や放射性薬剤の投与、PET/CT検査の流れの説明や検査における介助などを行うことです。これによって、健診を受ける人の検査に対する不安や疑問を解消する対応が必要です。

内視鏡検査

胃内視鏡、大腸内視鏡といった内視鏡検査では、レントゲンなどでは発見しにくい病気をモニターを通じて発見できます。

ここでの看護師の業務は検査をスムーズに進めるための医師の介助になります。機械類の受け渡しや検査の流れの把握などの他にも、内視鏡に不安感をもつ受診者に対してのフォローなども必要です。

検診車

検診車では、地域や企業などに移動し、車内で健康診断を行うことになります。

健診機関や医療機関など検診車を持つ機関での勤務になりますが、春・秋といった健診シーズンなどでの限定的な勤務の場合もあることから、パートや単発、短期・派遣といった雇用形態で看護師を募集するケースも多くあります。

検診車で移動し、目的地に向かうため拘束時間が長くなるケースもあり、移動先によっては定時での勤務が終わらないこともあります。

検診車によってはレントゲンの撮影ができるものもありますが、看護師の基本業務として、採血・血圧測定・心電図などの基本検査になり病棟勤務と違い難しい医療行為がないので経験が浅い看護師の場合でも勤務が可能といえます。

健診センターの看護師求人の探し方&選び方

給与、勤務条件だけでなく、求人情報の細かいところまでをチェックして、自分に合った求人を見つけるようにしましょう。

例えば勤務時間ですが、なかには早出が必要なところや、宿泊を伴う勤務が必要なところもあります。

また、業務内容についてもよく検討する必要があります。健診センターと一口にいっても、巡回健診を主としているところ、生活習慣病の予防に力を入れているところ、最先端の機器を導入し、がんや心臓病、脳疾患などの精密検査を行っているところなど様々にあるからです。

センターの評判などの情報も入手し、働きやすいかどうかの判断材料にするのも有効です。

また、健診センターは都市部のオフィス街などですと人間ドックを専門にしている医療機関もあります。そのため、病院に加えて人間ドックの専門施設などの求人も視野に入れることがポイントとなります。

常勤の職員については、おもに欠員が生じたタイミングに合わせて募集も行われることが一般的です。

また特に現地訪問型で健康診断を請け負っている健診センターではシーズンになると短期アルバイトのスタッフを求めるケースが多く見られていて、中には採血担当などといったように具体的なスキルが求められる場合もあります。

また、健診センターが多く募集を出している時期としては、企業が健康診断を実施している春や秋が挙げられます。職場を探すにあたっては看護師転職サイトを利用することが効率的であり、自分の希望する条件に合った募集も見つけやすくなっています。

健診センターの看護師として採用されるためのポイント

人気は比較的高く、場合によっては2人から3人の募集に対して数十人が応募するといったこともあります。

仕事自体は難しくないものの応募が殺到することから、応募資格として2年以上の実務経験などが条件にされるケースもあります。

健診センターの看護師に求められるスキル

健康診断の中で実施される項目については、一通りおさえておきたいところです。担当することになる業務は採血のほか心電図計測や視力測定、データ入力などですから得意とするところであれば理想的です。

●採血
複数の検査において、必要とされます。そのため健診センターで働くにあたっては、基本中の基本というスキルです。

●判断力・行動力
団体健診が行われる場合などは、しっかり時間も管理して決められたスケジュールで予定をこなさなければなりません。そこで多くの人をスムーズに誘導するための判断も必要とされ、素早く行動することも求められます。

自己PRのポイント

単純に医療機関と比較して業務内容が楽に思われるといった姿勢ではなく、人々の健康や病気の早期発見などに貢献しようとするモチベーションの高さを示すことが大切です。

多くの人に対応することも求められるため豊かな人間性や明るさ、笑顔などもアピールすべき点です。

健診業務の未経験者は採用されにくいの?

施設により違いがありますので一概にはいえませんが、一般に常勤での採用となりますと未経験では難しくなっています。

なかでも、採血のスキルは特に必要です。出来ない場合は採用試験を受ける前に門前払いとなる場合もあります。

多い人では、午前中3時間ほどの勤務で、150人ぐらいの採血が行える人もいます。外来や病棟勤務などである程度採血の経験がある看護師でも、最初は大変だと感じるほどですので、未経験や採血が苦手では、働いてから辛く感じるかもしれません。

ただし、保健指導を行う保健師であれば、かなりの倍率になりますが、特定保健指導の必要性から、未経験でも採用を行っている施設もあります。資格を持っていれば、活かすことができるでしょう。

採血に関しては、各都道府県にある看護協会やお住まいの近くの病院などが行っているセミナーなどに参加して、スキルを身につけるのもひとつの方法です。また、単発のアルバイトでは、血圧測定や視力検査などの係もありますので、まずはこういった働き方から始めてみる方法もあります。

健診センターで働く看護師の声

20代 女性

私は元々総合病院で勤務していたのですが、仕事が忙しく残業も多かったので体調を崩してしまいました。

その時、仕事を辞めたのですが働きたい気持ちもあり、「次の職場を決める時は、様々な職場を体験してからにしよう」と思い、様々な職場でパートやアルバイトで働きその時に健診センターでの仕事を知りました。

転職先としてここを選んだのは、働きやすいと感じただけでなく体力的に余裕を持って勤務することができると感じたからです。仕事を始めた頃は「単純作業が多い」と感じましたが、それでも1日に何十人もの人が健診を受けに来るので、疲れてぐったりすることは多かったです。

私は、健診車に乗って様々な企業を巡回する看護師として採用されたので、多い日は1日に2社から3社を回ったり遠方の企業に行ったりすることもあります。そういう日は移動の疲れも重なりますが、規則的な生活リズムを保つことができ、夜勤も無いのでリフレッシュしやすいです。

一緒に働くナースからは、「前の職場よりも年収はかなり低い」という声を聞くこともありますが、プライベートの時間を大事にしたい人や無理せず働きたい人にはぴったりの職場です。

30代 女性

私は、総合病院に勤務する看護師として10年ほど頑張っていました。就職した当時は夜勤も残業もあることを理解したうえで、それでも総合病院で働きたいという気持ちがありました。

しかし、実際に勤務すると想像以上にハードな夜勤で疲れも溜まり、年齢を重ねるごとに辛いと感じることが多くなっていました。

その時に、「看護師の仕事が嫌いになる前に、気分転換も兼ねて転職しよう」と決断し、健診センターへ転職しました。

総合病院以外の職場を見たことが無かったこともあって、最初は戸惑うこともありました。特に健診を受ける人数の多さに驚き、多い時は100人を超えることもあります。しかし、夜勤が無く土曜日や日曜日も休みで、仕事は忙しくても病院のような辛さは無かったので続けることができています。

私は採血が得意だったこともあって、採血の仕事を任されることが多くあります。健診センターへの就職希望者からは「採血が苦手だから採用されないかもしれない」という声を聞きますが、実際にはそうでない職場も多く、研修やサポート体制が充実している職場もたくさんあります。

ですから、健診の仕事に興味があるけど採血が苦手というナースでも、より働きやすい環境を探して転職活動をしているのであれば挑戦してみるのも良いと思います。

私の場合は、自分のライフスタイルにも合っていて無理なく働くことができ、なおかつ自分の時間もしっかり確保できるのでとても働きやすいと感じています。

40代 女性

私は、出産と育児のために一度看護師を辞めたのですが、子供が小学生になった機会に健診センターへ再就職しました。離職して再就職を果たすまでの約10年間、全く医療に携わっていなかったこともあって、再就職に対する不安はかなり大きかったです。

そのため、研修制度がしっかりしている現在の職場はとても魅力的でした。久しぶりに仕事復帰した時はさすがに緊張しましたが、十分な研修も受けていたし1人1業務で同じ作業を繰り返す仕事だったので、業務を覚えやすく仕事復帰はスムーズだったと思います。

私の職場では、勤務するスタッフの人数がそれほど多くないので、ローテーションで各業務を担当するシステムをとっています。どの業務の担当になる時も最初は緊張したり不安を感じたりしますが、健診を行う人数が多いのでそのような気持ちもすぐに無くなり、気が付けばどの業務も手馴れたものになっています。

また、私はナースとして働くことはもちろん、子供達や家族との時間も大事にしたいと思っていたので、土曜日や日曜日が休みで残業も少なく、夜勤も無いのはとても助かっています。私のように子育てをしながら働くママさんナースが職場には多くいて、「健診センターの仕事は子育てしやすい」という声をよく耳にします。