子育てとナースの仕事を両立させることは、並大抵の努力ではありません。

しかし、そんな中でもさらに看護師としてキャリアアップを考えている場合は、より慎重に求人を選ぶ必要があります。

そこで今回は、子育てしつつキャリアアップしていきたいママナースへ、それぞれの希望に沿った求人選びのポイントをご紹介します!

役職に就きたい

キャリアアップとして、将来的に主任や師長、部長など役職に就きたいと考えているママナースへ、求人を選ぶ際のポイントをご紹介します。

長く勤められるかどうか

役職に就く場合、まず見られるのが「どれくらい長く、今の職場に勤務しているか」です。

一般的に、役職に就く職員は一定期間職場に勤務をし、上司から信頼を得る必要があります。

子育てしながら役職に就きたいと考えている場合には、まず「子育てをしながらでも長く働くことができる職場を探す」ことが大切です。

准看護師の場合は看護師資格、専門・短大卒の場合は大学卒業資格取得の補助があるか

役職により近づくためには、所持している資格、あるいは学歴も重要となります。

准看護師の場合はまず看護師国家資格が必要となりますし、規模の大きい病院であればあるほど、専門・短大卒よりも大学卒の看護師がより役職に就きやすい傾向にあります。

子育て中は何かと経済的負担が大きく、自身のキャリアアップへかけられる金額も限られてくるため、役職に就きたい場合には、こういった資格取得について補助が出る職場を選ぶ、ということもポイントとなります。

役職に就いた後の生活を具体的にイメージする

看護師が役職に就いた場合、意外と多く聞かれるのが「給料が下がった」という意見です。

役職に就くと残業代が付かないだけでなく、夜勤も当番制となり、回数が減ることも多い為、結果として給料が下がる傾向にあるのです。

よって役職に就くことを目指す場合には、ただ就くことだけを目標にするのではなく、就いた後のことも考え、具体的にイメージした上で検討することをお勧めします。

看護師としてスキルアップしたい

役職につきたいとは思わないけれど、看護師としてよりスキルアップしたいと考えているママナースへ、求人を選ぶポイントをご紹介します。

スキルアップしたい部署へ確実に配属してくれるか

求人を探す際、「自分のスキルアップしたい部署があるかどうか」だけで選んでしまうと、いざ採用となったときに希望とは違う部署に配属されてしまう、ということが起こりえます。

特に子育て中だと、「希望よりも子育てに協力しやすい部署はこっちだから」という職場側の配慮が入ってしまうこともあるため、求人を探すにあたっては、スキルアップしたい部署へ確実に配属されるかどうかをしっかり確認するようにしましょう。

子育てに対しての福利厚生が充実しているか

スキルアップをしたい多くのママナースが直面するのが、「もっと仕事に集中したいのに、子どものお迎え時間が決まっているので、思うように仕事に集中できない」という点です。

家族に協力を依頼できればまだよいのですが、それも難しい場合には、求人を選ぶ際に「子育てに対して福利厚生が充実している」ことも条件に入れることをお勧めします。

職場の中には24時間保育を行っているところや、学童保育など、ママナースが安心して仕事に集中できる環境が整っているところもあります。

スキルアップに集中するためにも、子育てに対して福利厚生が充実しているかどうかは、ぜひチェックしましょう。

自分の希望をどこまで優先するかを、明確にしておく

子育てをしながら働いていると、つい「もっと職場のサービスが良ければ、思いっきり仕事に集中できるし、勉強する時間もとれるのに」と思ってしまいます。

しかし、自分の希望すべてが叶う職場はありません。

よってスキルアップしたいと考えている場合、自分の希望をどこまで優先し、どこまでは考慮できるかを事前に明確にしておく必要があります。

お勧めなのは、求人を探す際、職場側に求めるものについて「絶対に譲れない要望」と「かなえられると嬉しい要望」と最低でも二種類に分けることです。

そうすることで、職場に求めるものがより明確となり、自分の希望にあった求人を絞りやすくなります。

新たな資格を取得したい

新たな資格を取得したいと考えている場合、子供がいないナースに比べて、子育て中のママナースは金銭面や学習時間の確保など、より多くのハードルが立ちはだかります。

そこで、子育てと資格取得を両立できる求人を探すポイントを、ご紹介します。

資格取得をサポートしてくれるかどうか

看護師にプラスして新たな資格取得を目指す場合、求人を探すにあたってまず検討したいのが「資格取得をサポートしてくれる制度があるかどうか」という点です。

例えば近年看護師のキャリアアップとして多くの看護師さんが挑戦している「認定看護師」は、資格取得のために半年間のスクーリングが必要となります。

この期間は学校生活に忙しいため、子育てと両立させるとなると仕事をする時間はありません。

そこで、認定学校に行っている期間も最低賃金は保証してくれるなど、サポート体制が整っている求人を選ぶことで、より安心して資格取得に専念する環境を整えることができます。

なお、資格取得をサポートする制度を利用するにあたっては事前に「〇年以上勤務し、資格取得後も〇年以上は勤務すること」など、一定の条件を提示していることがほとんどなので、この条件も併せてチェックしておきましょう。

自分の時間をある程度確保できるか

どんな資格であっても、取得のためには自己学習の時間が必須となります。

子育てをしながら自己学習をする時間を確保することは大変ですが、職場としても、残業が続くなど、自分の時間が確保できない病院では資格取得はさらに難しくなってしまいます。

よって資格取得を目指す場合には、残業がなく、ほぼ定時で帰れたり、ひと月あたり10日以上は休みが取れるなど、自分の時間をある程度確保できる職場を選ぶようにするとよいでしょう。

資格を取得した後、その資格を最大限に生かせるか

せっかく苦労して資格を取得しても、それを生かせなければ意味がありません。

そこで、資格を取得する際には、その資格を最大限生かせる職場かどうかまでも見越した上で、職場を検討する必要があります。

例えば、糖尿病療養指導士の資格を取得した場合、内分泌科に転科あるいは病棟内において糖尿病についての活動ができるかどうかなど、資格取得後どう働くかをイメージすることも、大切です。

最後に

子育てをしながら看護師の仕事を続ける、それだけでも十分大変なことです。

それに加えてキャリアアップを目指したい場合には、パートナーはもちろんのこと、子どもを含めた家族全員の協力が必要不可欠です。

誰か一人でも無理をし続けると、突然たまりたまったものが爆発してしまい、家庭も仕事もうまくいかなくなってしまいます。

子ども、パートナー、そして自分。

全員が無理をせずに過ごせるように配慮することが、子育てをしながらキャリアアップするためには一番の心構えだといえます。