近年、企業看護師として働きたい看護師さんの選択肢の一つとして「コールセンター」の仕事が注目されています。

転職先としてコールセンターを選ぶ看護師は年々増えていて、まだまだ聞きなれない職場ですが、これから先需要が伸びていく可能性に満ちています。

どんな仕事内容なのか、転職先としてどんなメリットがあるのか、何か必要な資格があるのかなど、疑問を持っている看護師さんもいるでしょう。

このページでは、コールセンター仕事に興味がある看護師さんに役立つ情報をまとめています。

ぜひ参考にしてみてください!

コールセンターで働く看護師の仕事内容は?

勤務先によって仕事内容が異なる

コールセンターで働く看護師の仕事内容は、どんな業界のコールセンターに勤務するかで違います。

勤務先の種類は大まかに分けて3つです。

1つは企業で勤務し、一般消費者を相手にするコールセンターです。看護師が働くために、医療機器メーカー、医薬品を創る製薬会社などが多くなります。

2つめは同じく企業で勤務しますが、医療関係者や同じ業界に属する業者を相手にするコールセンターになります。この2つは同じ仕事内容に思われますが、前者は素人である一般消費者を対象とするのに対し、後者は医療知識や医療機器の知識、薬に関する知識のある相手との相談、交渉になります。

医療機器メーカーからの外部委託会社のことが多く、コールセンター専門会社に勤めることが一般的ですが、逆にその衣料製品の企業に勤めたり、求人に応募するという手も取れます。

3つめは病院や介護施設など医療機関のコールセンターになります。病気や怪我、介護について質問を受け付けたり、メンタルヘルス、育児について相談したり、質問に応答するコールセンターです。

コールセンターで働く看護師の仕事で最も緊急性が高いのは、医療機関における夜間、休日の電話相談です。

怪我や病気は昼夜問わず起こるため、応急処置について指示することが重要な仕事になりますが、夜間は普通の病院は開いておらず、医師の対応が間に合わない可能性があるため、初期対応ができるように知識豊富な看護師が重要な役割を果たします。電話越しに的確な指示を下さなくてはなりません。

緊急事態であればあるほど、電話をかけてきた相談者が冷静さを失っていることがあるので、相手を落ち着かせて、的確な処置が出来るように誘導する話術が必要です。

コールセンター看護師の仕事は、上記のような役割の違うコールセンターに待機し、電話やメールというかたちで相談を受け、それに応えることです。当たり前ですが、マナー、社会人としての当たり前のマナー、礼儀が必要になります。

看護師としての知識、経験が役立ちますが、質問の内容はかなり多岐に渡り、電話やメールを受け取ってみないことには、どんな質問や相談が来るのか分からず、その点がコールセンターという職場での難しさになります。

医療関係のコールセンターでは、看護師以外の医療関係従事者も就くことになっていて、対応できる人に電話やメールを回すことになります。この間、相手を不愉快にさせずに、混乱させずに対応するコミュニケーション能力が必要となります。

経験に応じて仕事内容も変化

経験を積んで正社員になったり、正社員の先輩としての役割を担うようになった場合は、さらに別の仕事内容が加わってきます。それは、後輩のスタッフをまとめあげるリーダーとしての役割で、コールセンターで仕事をする上で必要な心構えを教えたり、レター作成などの事務仕事が増えてきます。

それ以外にも、コールセンターと他の部署との繋ぎ役、連絡役などの仕事が増えてくることもあり、勤続年数が増えるごとに仕事内容が多岐に渡るようになっていきます。

コールセンターで働く看護師の給料・年収は?

コールセンター看護師の給料は、正社員として企業に勤めている場合は、平均年収450万円くらいとなっています。景気に多少左右されるのものの、大体これくらいが平均とみて良いでしょう。

さらに言えば、所属するのがどの業界のコールセンターかによっても左右されていくのですが、これがおよそ平均年収となっています。

日勤と夜勤の給料の違い

コールセンターの場合も、夜勤専従で働くと平均年収が跳ね上がって、500万円から600万円までになります。大手企業だとさらに高くなるため、深夜専従が魅力的になってきます。

コールセンターを日勤だけ、つまり企業が営業している時間だけに限る場合もありますが、大手ほど24時間対応を売りに出す傾向が出てきます。つまり、2交代制もしくは3交代制を導入する必要が出てくるため、交代でシフト制にするか、日勤専従と夜勤専従とで雇うかになります。

シフト制で勤務している場合は、平均年収が上がることになって、450万円から500万円の間となります。月収に直すと30万円が相場の月収となっています。

大手企業になれば更に給料の条件が上がっていき、、ボーナスや昇給のチャンスもあり、超過勤務手当がつくところが多いのが大手企業の特徴です。

日勤と夜勤の時間帯については企業によって違いますが、日勤は朝8時から9時に始まり、午後の18時から19時に終わるのが普通です。やや長く感じられますが、コールセンターは多忙なことから休憩時間を長めに入れているため、その分長く感じられるのです。また、夜勤は日勤と入れ替わること、日勤中に何かあった時に情報交換する必要があるため、勤務時間が多少被ったり、連絡事項を残しておく時間が必要になるからという理由もあります。

夜勤開始は午後17時から18時代くらいで、終了は午前8時から9時代です。ちなみに、夜勤の場合は、仮眠時間を含めての勤務時間となります。

昇給について

正社員の場合、長く勤続することで給料が上がっていきますから、最初はもう少し安く400万円代から始まり、最終的に600万円代まで上がることも珍しくありません。

昇給が見込めると、大手では最終的に700万円代まで上がることもあります。平均年収は確かに450万円くらいですが、努力次第では更に上を目指せるのがコールセンターナースの世界なのです。

アルバイト・パート・派遣の場合の時給相場

コールセンターで働く看護師の時給相場は、現在のところ勤務の時間帯が日勤のみなら1,500円、深夜勤務なら2,000円前後となっています。

このあたりは正職員の平均年収でも、アルバイト・パート・派遣の場合の時給相場でも事情が変わらない事情です。基本的に日勤は安めで、夜勤は高めと設定されているものです。一般の病院のパートの場合と同じと考えて良いでしょう。

看護師が必要なコールセンターの中では、企業ではなく病院などの医療機関がコールセンターを持っている場合で、メディカルコールセンター、医療相談コールセンターなどです。こうした医療機関での勤務には、必ず臨床経験が3年から5年以上必要とされてきます。

診療時間外である夜間、もしくは休日、休診日の急患向けとして、コールセンターを持ち、必要とあらば当直の医師や看護師を呼んで対応するというものです。この場合は正職員よりもアルバイトや派遣が多く、より臨床経験がある看護師の判断力が必要とされてきます。

緊急性の高い患者さんかもしれないため、必要ならば救急車の出動を要請します。同時に救急車が到着するまでに応急処置の仕方を電話越しに伝える必要が出てくるからです。こうした冷静な判断を下せるために、臨床経験が不可欠というわけです。

企業の場合は、生命保険会社、医療関係の企業などの健康相談、カウンセリング、介護相談などを受け付けることになります。よって臨床経験ではなく、介護施設や精神科勤務の経験なども重要となってきます。これまでの職歴と職場で得てきたスキルを活かし、自分自身の得意分野を活かして自分の得意な分野のコールセンターで昇給を狙うと良いでしょう。

看護師がコールセンターに転職するメリットは?

病院以外の再就職先として選びやすい

コールセンターの仕事は看護師としてのブランクがあっても雇ってもらえるため、再就職先として選びやすいというメリットがあります。

コールセンターで働くにあたって新しい知識は必要となるものの、過去に培った経験は企業側にとって貴重なスキルとなるはずです。特に色々な職種を経験してきた人だと、コールセンターで対応に当たる際に、素晴らしいコミュニケーション能力を発揮できるでしょう。

服装が自由

コールセンターでは、ほとんどの場合、服装や髪形などの規定が設けられておらず、好きな格好で仕事ができるというメリットもあります。

病院などの医療機関では、ナース服や制服を着用することが義務付けられているのですが、コールセンターでは制服がないことが多いのです。

人間関係が気楽な職場が多い

相談相手と直接接しないという点で、もうひとつメリットがあります。職場での人間関係で悩んだり、患者さんとの接し方で悩んでいた人にとって、大変魅力的な職場になるということです。

患者さんとの距離を近づけなくてはならない、しかし近すぎてもよくないため、悩んで離職していく看護師も多いので、この点は大変なメリットとなるのではないでしょうか。

シフトの自由度が高い

シフトの組み合わせが自由であるのもメリットとなります。上記のとおり、休職してブランクのある人でも歓迎されますし、子育て真っただ中でもお子さんとの時間を確保できます。仕事よりプライベートを充実させたい看護師に向いているというメリットがあるのです。

雇用形態は正職員からパート、アルバイトと多岐に渡るため、働き方を選べるようになっています。まずパートから始めてコールセンターという仕事に慣れていき、あらためてキャリアプランを考える起点になり得ます。

看護師がコールセンターに転職するデメリットは?

デスクワークならではの大変さ

これは、メリットでもありデメリットでもあるのですが、コールセンターでは大抵デスクワークのみの仕事のため、勤務時間中ほぼ動きません。

体力に自信がない人にとってはメリットとなり、じっとしているのが苦手な人にとってはデメリットとなることでしょう。このあたりでコールセンターで働く人のの向き不向きが決まってきます。

人に頼れない場面が多い

基本的に相談相手と1対1で応対することになるという点です。つまり、基本的に自分ひとりの力だけで対応せねばならず、とっさの判断力とコミュニケーション能力は必須となります。

コールセンター内には同じく看護師や医療従事者が勤務していますが、それぞれ自分の仕事に釘づけになっているため、応援や交代を頼むのは最終手段となります。出来る限り人に頼らず自分だけで相談なり問い合わせなりに対応しなければならないというプレッシャーこそが最大のデメリットとなります。

仕事に慣れるまで

コミュニケーション能力に加えて、コールセンターに馴染むまでに時間がかかるというデメリットもあります。コールセンターに勤務するには、臨床経験が3年から5年以上必要で、コールセンターに転職してくる時には大抵未経験者です。メリットがある一方で、それまで勤めたことのない新しいコールセンターという職場に慣れなくてはならないのがデメリットとなります。

コールセンターの看護師になるには?(必要な経験や求められるスキルについて)

どのくらいの看護経験が求められるのか?

まず、必要な臨床経験についてお話する前に、勤務先のコールセンターの種類についておさらいしておきましょう。

コールセンターで働く看護師の勤務先は、大きく2つにわけることができます。

医薬品や医療器具など「企業の製品やサービスに関する相談」を受け付ける場合と、子どもの病気や高齢者の健康、健康に関する悩みの相談、救急医療機関の紹介など「健康に関する相談」を受け付ける場合です。前者は、製薬会社、医療機器メーカー、食品会社などです。

後者は、地方自治体やその外郭団体、健康保険組合などが代表的です。保険会社が顧客向けのサービスとして行っている場合や、近年では、電話健康相談を事業として展開している民間企業もあります。

両者とも、業務を外部に委託している場合もあり、コールセンター業務を請け負う企業も勤務先となります。いずれも、看護師としての専門知識や経験を必要とし、そうしたことに基づいて、利用者の問い合わせや相談に応じるコールセンターです。

したがってコールセンター看護師の求人では、ある程度の臨床経験を求められる場合が多くなっています。一般に2,3年が多くなっていますが、長いところでは、5年以上の経験が必要な場合もあります。

コールセンターでの仕事は、電話やメールなどでの受け答えだけで、利用者の状態を把握し、適切なアドバイスをしたり、臨機応変な対応を求められたりします。業務上、臨床経験に基づいた、幅広い知識が要求されるためです。

健康相談と一口にいっても、相談の対象者は乳幼児から高齢者と幅広くなっています。また、一般の人だけでなく、ナースをはじめとする医療従事者が、制度などを問い合わせる際に利用する場合もあります。もちろん臨床経験を求めない求人もありますが、学校で得た知識だけで対応するには、自身によるよほどの勉強が必要となるでしょう。

看護未経験者でもコールセンターで働くことができるのか?

一方で、看護師の資格や臨床経験を持っていれば、未経験であっても、応募可能な場合が多くなっています。実務を必要としませんので、ブランクも問われないことが、ほとんどです。出産や子育てなどによるブランクからの復帰や、病院などを退職後に、コールセンター看護師になる人もいます。

コールセンター業務を請け負う企業や、健康相談を事業として行っている企業などでは、電話での受け答えの仕方などのビジネスマナーを学ぶことができる研修制度や教育制度が整っているところも多くあります。初めてで不安があるという人は、こうしたところを勤務先として選んでみてもよいかもしれません。

コールセンターの看護師求人を効率的に見つけるには?

医療関係の企業や製薬会社が顧客サービスの一環として、電話対応を行う専門の部署を設けるケースは多くなってきました。自社で直接開設しているか、あるいはコールセンターを専門としている企業へ業務委託している場合もあります。

ほとんどの場合、コールセンターの看護師採用は一般企業によって行われるものですから、異動が多い毎年の4月や10月にもっとも多くなります。

求人数としては、まだそれほど多くはありませんが、看護師転職サイトに募集を掲載する企業が多いので、転職サイト経由で求人を入手するのが一般的です。

さらに、看護師転職サイトの中でも病院以外の求人(主に企業系)に強い転職サイトを選ぶことで、良い求人に出会える可能性が格段にアップするので、そういった転職サイトを上手に選んでいきましょう。

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コールセンターで働く看護師が答える!気になる疑問Q&A

コールセンターの仕事は楽?きつい?

デスクワーク中心の仕事なので、病院などでの勤務に比べると体力的には楽な仕事です。勤務時間の希望も通りやすい職場が多いので、体力面で自信の無い人でも働きやすいです。

仕事内容や仕事量で比べてみても楽に感じることが多いですが、一般的な看護師の仕事ではなく、電話を使った会話のみで仕事を行うので集中力を必要とします。長時間座ったり集中したり会話をしたりするのが苦手な人にとっては、辛いかもしれません。

コールセンターの仕事に向いてる看護師は?向いてない看護師は?

コールセンターでの仕事は会話無しには成り立たないので、人と話すことや人の話を聞くのが上手な人に向いています。

相談内容次第では、同じ職場に勤務する医師や薬剤師などに相談内容を持ちかけたり一緒にアドバイスを考えたりする必要があるので、職場内でも円滑にコミュニケーションが取れることも重要です。

また、病院やクリニックなどで培った実務経験が必要となる機会も多いので、実務経験の少ない人にはあまり向いていません。病院などと違って立ち仕事はほとんど無いので、じっと座って仕事をすることが苦手な人にとっても辛く感じるでしょう。

どんな求人を選ぶべき?

求人を選ぶ際には、「研修制度がしっかりしているか」「シフトの希望が出せるか」の2点を確認しておくと良いでしょう。

医療現場で勤務してきた看護師にとってデスクワーク中心の職場は初めてという人も多く、仕事を始める前の研修が充実していれば仕事に慣れやすくなります。

また、シフトの希望を出せる職場も多くあります。家事・育児と両立したい人は、特にこの点に注目して求人を選ぶようにすることをおすすめします。

夜勤は多い?日勤のみでも働けるの?

正職員として採用されると、24時間体制の職場では夜勤があります。

病院の夜勤に比べると夜勤の際のシフトは時間に余裕を持たせてくれるので、仮眠をとる時間もあり体への負担は少ないです。シフトの希望を出せる職場の場合は、日勤のみで勤務することも可能ですし自ら夜勤を希望することもできます。

アルバイトやパートの場合は日勤のみであることがほとんどですが、職場によっては夜勤のシフトを割り当てられることもあります。

コールセンターで働く看護師の声

20代 女性

私は病棟で勤務していましたが、その職場はシフトも仕事もハードで体調を崩してしまい、治療には時間がかかると診断されたため退職することにしました。

その時は「20代でまだ働けるし、また病院で再就職したい」と考えていましたが、仕事から離れてみると「健康第一で健康で元気に働きたい」と思うようになりました。

転職先を探す際に私が重要としたのは、看護師として仕事ができることはもちろん、身体的・精神的な負担が少ないこと、無理なシフトで生活リズムを崩さないことです。

病院ではこの希望を叶えるのは難しいですが、コールセンターでは可能です。現在の職場では、日勤・夜勤の希望を出すことができ夜勤に入るペースを自分で調整することができるので、とても働きやすいです。職場の人からも同じような声を聞くことが多く、私のように自分のペースで働きたい人に向いている職場だと感じています。

30代 女性

私は、出産を機に前の仕事を退職しました。家事・育児だけでも大変でしたが、看護師として働きたいという気持ちが強かったので、子育てをしながらでも働けるような職場を探していたところ、コールセンターでの仕事を見つけました。

最初はそれほど興味がありませんでしたが、仕事内容だけでなく勤務条件も非常に魅力的だったので応募を決めました。

私の勤務する職場には私と同じように子育てをしながら働くママさんナースや医師・薬剤師が多く、「子供が保育園にいる時間のみ」という勤務も可能です。自分の都合に合わせてシフトを組んでもらえるのはこの仕事の魅力で、他のナースからも「助かる」という声を聞きます。

また、看護師としての知識やスキルを活かすこともできやりがいを感じられる仕事なので、充実した生活を送ることができています。

40代 女性

私が転職を考えるきっかけとなったのは、子供が小学校に入学したことです。これまでは病棟に勤務していて、子供の生活リズムと自分の生活リズムが合わないことにとてもストレスを感じていました。しかし、ナースの仕事は辞めたくなかったので、毎日のように葛藤し悶々としていました。

私が勤務しているコールセンターでは、一般の方からの健康相談を主に受け付けています。電話の内容は幅広く、「治療に納得できない」「この治療で本当に病気が治るか不安」といったものから「自宅で注射を打つ方法を知りたい」「飲んでいる薬の副作用を知りたい」といったものまで、様々な声を聞く機会があります。

研修では細かい部分まで指導を受けるのですぐに仕事に慣れることができ、医師や薬剤師もいて連携を取りながら仕事を進めるので楽しいと感じることもあります。

勤務時間については、子供が学校から帰る時間に帰れるようなシフトを組んでもらっているので、子供の生活リズムに合わせることができています。病院などで勤務していたらこのような条件で勤務することはできていなかったと思うので、子育てと仕事を両立したい人にとっては魅力的な仕事だと感じています。

50代 女性

以前からコールセンターでの仕事があることを知っていましたが、そこで働くことに何となく抵抗を感じていました。と言うのも、病院やクリニックなど人と接して看護を提供することが、看護師の仕事だと思っていたからです。

ですが、前に勤務していた病棟での勤務には体力的な限界を感じていたので、体力的に負担の少ない仕事を探していました。

コールセンターの仕事は病棟とは全く違い、デスクワークが中心です。また、これまで医療現場で培ってきた知識やスキルを活かすことも可能です。この2つのポイントは私にとって大きな魅力で、転職先に選ぶポイントにもなりました。

研修制度が充実しており職場の雰囲気も良く、仕事はすぐに覚えることができました。夜勤のシフトもありますが、時間に余裕のあるシフトを組んでもらえるので、体力的な負担はかなり少ないです。

体力が落ちてきても働くことができ、これまで身に付けたスキルも活かせるのでベテランナースにもおすすめの職場です。

看護師がコールセンターに転職すると身に付くスキル

コミュニケーション能力

コールセンターで看護師として働く場合、様々な知識やスキルを身に付けることができます。

その中でも最も身に付くスキルは、「コミュニケーション能力」です。というのも、コールセンターでは医療機関で勤務するのと違って会話をすることが仕事であるためです。また、会話といっても面と向かって話ができるわけではなく、相手とのやり取りは全て電話で行います。

そのため、相手の言葉や声から気持ちを察したりお互いに伝えたいことを伝えたり聞いたりすることが重要で、病院などで身に付けるコミュニケーション能力よりもより高度な会話技術を身に付けることができます。

面と向かって話すよりも電話で話す方が難しいことも多く、相手の話を聞き逃したり自分が言いたいことを言えなかったりしないよう注意が必要ですが、会話のコツは仕事をしていく上で自然と身に付くため電話でのやり取りもスムーズにできるようになります。

このようなコミュニケーション能力を身に付けることができるのはこの仕事の特徴であり、ここでしか磨くことのできないものでもあります。

パソコンスキル

その他の身に付くスキルとしては、「パソコン操作」に関するものがあります。

コールセンターのほとんどは、ヘッドセットをつけて電話対応を行いながら相談の内容や会話の要点メモなどをパソコンに入力し保存しています。

病院などで看護師として働く際にもデスクワークを行う機会はありますが、パソコンの前に長く座ってデスクワークをこなす職場はそれほどありませんが、ここではデスクワークが中心となっており、パソコン操作に関するスキルは仕事を行う上で必須となります。

看護師は元々パソコンを使って仕事をする職業ではないため、「パソコンは苦手」という人も多いですが、研修できちんと操作方法を学ぶことができるだけでなく、仕事を通して自然とパソコンの操作に慣れたりタイピングのスピードが速くなったりしていきます。

コールセンター勤務をしている方の中には、自主的にパソコン操作に関連する資格を取得したり教室に通ったりして仕事に役立てている人もいます。

ビジネスマナー

ビジネスマナーが不可欠な職場であるため、ビジネスマナーを身に付けることもできます。

医療機関のように、患者さんとナースという関係ではなくお客様とナースという関係に近いため、丁寧な言葉づかいや話し方などはとても重要となります。

また、医療機関や医療スタッフを対象とするコールセンターの場合は、長い付き合いになることもあるので信頼関係を築きそれを大事にしていく必要もあります。

医療機関で働く場合には、ビジネスマナーを重要視することは少ないため、最初の内は慣れないことも多いかもしれませんが、どのような職場でも活きるものであるためここで身に付けておくと後々役立つでしょう。

コールセンターで働く看護師のスキルアップ関連資格

看護師からコールセンターへ転職した方の中には、カウンセラー関連の資格を取得する方もいます。

というのも、コールセンターには主に医療機関・医療スタッフを対象とするものと一般消費者を対象とするものの2種類があり、一般消費者を対象とする職場で働く場合には、健康相談や自宅療養に関する相談、糖尿病の自己注射に関する相談などを受けることが多いためです。

また、「現在の治療に納得いかない」といったものや、介護、育児、メンタルヘルスに関連する悩みを相談されることも多く、誰にも相談できないようなことを相談するために電話をしてくるという人もいます。

このような相談が寄せられた際に、カウンセラーの知識やスキルは非常に役立つため、看護師の場合はメディカルカウンセラーや産業カウンセラーの資格を取得する人が多い傾向にあります。

これらの資格はコールセンターでの仕事だけでなく、企業や大学の医務室・健康管理室などでも活きるものであるため、ここで働きながら取得を目指すナースは多くいます。

取得するためには勉強する時間やお金も必要ですが、仕事をとおして経験も積むことができるので、病院などに勤めながら取得を目指すよりも取得しやすい傾向にあります。