形成外科での看護師の業務内容
外来看護師の業務
外来での看護師の業務内容は、主に医師の診察介助、検査介助、注射、採血、点滴、処置の準備や介助です。
例えば、自宅で包丁で指を切ってしまった場合、
- 問診聴取、患部の確認
- 医師へ情報伝達
- 洗浄・縫合介助
- 患者の体位保持
形成外科に来る患者さんは、病巣や患部に疼痛のあることがほとんどで、処置も痛みを伴います。安全のために患者さんをガッシリと抑え、動きを抑えることも少なくありません。
また、形成外科は子どもから大人まで対象年齢が幅広く、白衣を着た医師が怖く泣きじゃくる子どもをあやしたりすることもあります。
外来で行える処置内容は、施設により様々ですが、縫合、レーザー照射、ケミカルピーリング、マイクロサージャリー(顕微鏡下手術)などがありますので、それぞれの処置の準備・介助が必要になります。
外来ではありますが、手術室看護師と同等のスキルが求められているのも確かです。
医師や医療施設によって、専門とする分野や用いられる治療法が異なることはありますが、形成外科看護師には、形成外科全般に対する専門知識に加え、それぞれの分野や治療方法に特化した知識も求められます。
病棟看護師の業務
形成外科の病棟では、術前・術後の管理、食事・排泄・保清など、患者さんの日常生活の支援が、看護師の仕事となります。術後の看護では、患部を固定したり、褥瘡ケアやスキンケア、フットケアなどを行ったり個別性にあったケアが必要になります。
その他には、
- 患者が必要とする情報の提供
- 外見の変化に対する精神面のケア
- 関連診療科との調整・協力
患部とは別に、その症状をもたらす原因疾患を抱えている患者さんの場合は、他の診療科と連携を取りながら治療が行われることも多くなっています。チームを組んで治療にあたることも多く、関連診療科をはじめとするスタッフ間の調整も看護師の仕事となります。
形成外科は、ただ単に、
「異常や変形がある患者さんの機能や形態を回復させる」だけではありません。
治療することで、患者さんの日常生活の質を向上させることが目的です。
形成外科を訪れる患者さんは、他の人からも見えやすい部分に、異常や変形、機能を失った部分を持つことから、日常生活を送る上で、大きなストレスを抱えています。なかには外見上のことを気にして、外出や人と会うことを控えてしまう人もいます。
患者さんが安心して治療を受けることができるよう、病棟での日々の関わりの中で、患者さんの心情を理解した上で、精神的な支えになるということも必要です。
形成外科で働く看護師の重要な役割
- 患者への十分な説明
- 疼痛の緩和
- 精神面へのケア
- 家族へのフォロー
- 関連診療科・コメディカルとの連携
形成外科の手術では、術後しばらくの間、痛みを伴うことが多くあります。看護師は、患者さんの苦痛を緩和させる役割も担っています。
なかには、痛み止めを使わない方がよいとの思い込みから我慢をしてしまう患者さんもいます。術後の痛みや、鎮痛剤を使うことは悪いことではないことの説明、「痛み止めもあるので、遠慮せずに申し出てください」とひと声かけるなどの配慮が必要です。
また、全て薬剤に頼るのではなく、室温調節、温罨法、さする、体位の工夫などで疼痛緩和を図ることも看護師の重要な役割です。
形成外科には、口蓋裂など先天異常を抱えるお子さんの入院もあります。口蓋裂では、構音障害への対応も必要なため、言語聴覚士と連携を取りながら日常生活を送るのに支障がなくなるまでフォローアップを続けます。
このように、関連診療科・コメディカルとの連携や、長期に渡って定期的な治療が必要な場合もあります。看護師は、関連スタッフとの調整や、家族に対するケアを行う役割も担います。
形成外科の患者さんは、機能や形態を回復することで、長年抱えていたストレスや悩みから解放される人も少なくありません。
そして、患者さんが回復することによって、患者さんを取り巻く家族も、喜びを感じる場合が多くあります。このような患者さんや家族の姿に、やりがいを感じているナースも多くなっています。
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