総合病院で働く看護師の復職支援環境の特徴

全国の総合病院の中には、看護師不足が深刻化している病院も多く、人材を確保するために離職中のナースが仕事に復帰しやすいように取り組みを実施しているケースが増えています。

病院内での講習会や実践研修を開催

離職しているナースの中には、再就職を希望する人も多くいますが、実際にはブランクの長さや体力面、医療現場の進歩、仕事と家事・育児の両立などに不安を感じ、踏みとどまってしまうことが多くあります。

特に、カルテの電子化や注射・点滴などナースとしての基礎技術の衰えなどに対する不安が大きいという人が多いため、このようなナースが再就職の際に感覚を取り戻しやすくなるような内容で、講習会や実践研修を実施する病院が多い傾向にあります。

病院が実施する復職支援制度の内容には、その病院によって様々な特徴や工夫が見られます。そのためこのような制度を利用して病院への復帰を検討する際には、様々な病院の制度内容を確認してみることをおすすめします。

埼玉県にある医療法人聖仁会西部総合病院の例

ブランクのある看護師を対象として、復職支援を行っています。

こちらでは、埼玉県が主体となって実施する技術講習会と、病院が主体となって実施する研修の両方を行っており、再就職に向けたサポート体制は万全です。

実際に、西部総合病院で技術講習を受けた人が何人もこの病院で再就職を果たしており、入職後には研修によるバックアップを行っているので、ブランクの長いナースでも自分のペースで1つ1つ仕事の感覚を取り戻すことができます。

また、再就職をするにあたり育児がネックとなっていたナースが多いことから、再就職後に育児と仕事を両立できるように24時間預けることができる託児所を設けています。仕事への復帰だけでなく、復帰後に仕事を続けていけるようなサポート体制が整っているので、この制度を利用して仕事に復帰したナースからは高い評価を得ています。

千葉県にある医療法人財団明理会新松戸中央総合病院の復職支援制度の例

教育体制が充実しているのが特徴で、看護師1人1人の習熟度に適した教育システムがあり、ブランクの長さに関わらず自分に合った内容の研修を受けることができます。

プリセプター制度を導入しているので、自分の習熟度に合わせた指導や教育を受けることができ、ブランクの長い人も医療現場の環境に馴染みやすく安心して仕事に取り組むことが可能です。

こちらの病院でも、24時間保育ができる託児所を利用することが可能となっています。そのため、出産や育児で離職していたママさんナースが多く働いています。

栃木県にある医療法人社団みどりの会酒井病院の例

復職支援制度の内容が手厚いのが特徴です。個人のスキルやブランクの長さを考慮し、スムーズに仕事復帰ができるように配慮されています。

入職時には、オリエンテーションを行い、まずは院内の部署や部署同士の連携などを把握するところから始まります。

その後は面談を行い、スキルなどを確認して勤務条件などの希望を調整したり必要なサポートを決めたりします。

こちらの病院でもプリセプター制度を採用しており、仕事に関する技術的なサポートだけでなく仕事に対する不安の解消などの手助けも行われています。

「離職前のようにバリバリ働ける自信が無い」という場合には、デイケアや訪問看護などから始めたり曜日や時間を決めて働いたりすることも可能で、このサポートは人気の高いものの1つとなっています。

酒井病院でも、仕事復帰後に仕事を続けられるよう託児所や短時間正職員制度などを整備しているので、子育てを理由に離職していた看護師にとっては仕事復帰しやすい環境が整っています。