視能訓練士(ORT)とは

どんな資格?

視能訓練士は国家資格で、昭和46年に制定された視能訓練士法に基づく資格です。医療専門職の1つで、眼科での専門的な眼科検査から矯正訓練など様々な業務に携わることができます。

認定先

視能訓練士は国家資格であるため、資格の認定は厚生労働省が行っています。

資格保有者数

視能訓練士の資格保有者数は、昭和46年に法律が制定されて以来10,879人(2013年3月28日時点)となっています。資格保有者数は多く見えますが、眼科医の数に比べると少ない状況となっています。

難易度・合格率

国家資格であるため難易度はやや高めですが、合格率は73.5%(平成25年2月実施試験)と高い傾向にあります。平成23年度以前の試験では合格率が90%を超えたこともあり、比較的取得しやすいでしょう。

視能訓練士の資格を活かせる職場

視能訓練士の資格を活かせる職場は眼科で、個人の眼科クリニックや総合病院の眼科など様々な職場があります。

近年では大学病院や総合病院に限らず、個人のクリニックなどでも眼科検査が充実してきていることもあり、活躍できる場所は増えています。またこれらの医療機関のみならず、眼科専門研究施設や視能訓練士の養成所などでも需要があります。

視能訓練士の将来性

視能訓練士の資格保有者数は十分と言える状況ではなく、多くの眼科で眼科検査の充実・拡張が進められていることもあり、今後も需要は高まる資格です。

視能訓練士は眼科検査だけではなく、斜視・弱視患者への訓練指導や低視力者のリハビリなど様々な業務を担うことが可能です。そのため、1つの施設で複数人の資格保有者を採用する場合もあります。

近年では、パソコンや携帯電話などの普及によって目の不調や異常を訴える人も多く、眼科自体が身近なものになってきています。また眼科医療も進歩してきていることもあり、この資格を取得することで将来的に活躍できるフィールドも広がるでしょう。

視能訓練士のお給料事情

視能訓練士の給料は、年収で400万円前後が平均・相場です。月給にすると20万円から25万円程度で、一般的なサラリーマンと同等の給料と考えておくと良いでしょう。

視能訓練士は国家資格であり専門職でもあるので、給料は比較的高い傾向にあります。この傾向は正職員だけではなく、非常勤やパート・アルバイト、派遣などの雇用形態にも言えることで、正職員として働くことができない場合でも高収入を期待できる点は魅力の1つとなっています。

視能訓練士になるには《資格取得方法》

受験資格

視能訓練士の試験には受験資格があり、次のいずれかに該当する場合に試験を受けることができます。

  1. 高校卒業後に、文部科学大臣が指定した学校もしくは厚生労働大臣が指定した視能訓練士養成所で、3年以上必要な知識や技能を修得したもの。
  2. 大学・短大を卒業もしくは看護師・保育士の養成機関で指定科目を履修し、指定の視能訓練士養成所で1年以上、必要な知識や技能を修得したもの。
  3. 外国で視能訓練に関する学校や養成所を卒業したり、外国で視能訓練士に相当する免許を取得したりした者で、国内の指定する視能訓練士養成所などで修得するものと同等以上の知識や技能を持つと厚生労働大臣から認定されたもの。

審査方法・試験内容

視能訓練士の試験では合格人数が決められているわけではなく、合格点が決められているため合格点以上の点数を取った人全員が合格となります。

平成25年2月に実施された試験では一般問題が129問、臨床問題が20問出題されており、配点は一般問題が1問1点、臨床問題が1問2点の169点満点となっています。合格点は102点だったので、全体の60%が合格ラインとなります。

試験科目は基礎医学大要、基礎視能矯正学、視能検査学、視能障害学及び視能訓練学となっており、マークシート形式です。

受験日程

視能訓練士の試験は年1回で、丸1日使って行われます。

費用・会場

試験地は、東京都と大阪府の2か所です。受験にかかる費用は受験手数料15,800円で、収入印紙を受験願書に貼り付けて納付します。

問い合わせ先

■視能訓練士について
公益社団法人 日本視能訓練士協会
〒101-0044 東京都千代田区鍛治町1-8-5 新神田ビル2階
電話 03-5209-5251

■試験について
厚生労働省医政局医事課試験免許室
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1丁目2番2号
電話 03-5253-1111