性暴力被害者支援看護職とは

どんな資格?

性暴力被害者支援看護職とは、性暴力費被害者が治療などで医療関係者による心ない言動によって再び傷つく二次被害を防ぎ、心身に受けるダメージをできるだけ軽減していくための適切な対応をすることができる専門職です。

アメリカやカナダなどの北米から始まった資格で、現在は研修のためのプラグラムが6カ国の約650カ所で実施され、少しずつ人材の養成が行われていますが、日本ではまだ馴染みがなく、認知度は非常に低いです。

認定先

現在日本では、まだ性暴力被害者支援看護職の人的資格はありません。

しかし、性暴力の被害にあった女性や子どもたちのケアのために普及させるのが急務とされている資格であり、「女性の安全と健康のための支援教育センター」で、カナダのブリティッシュコロンビア州で実施されている教育プログラムを下とした、プログラムが開発されました。

資格保有者数

2000年6月に第一期として開講されてから、性暴力被害者支援看護職の養成講座を受講した人は2013年の春の時点で、全国で約300名です。

難易度・合格率

性暴力被害者支援看護職は試験を受けて取得する認定資格ではありません。女性の安全と健康のための支援教育センターが実施する養成講座では、1年間に40時間の講座に参加することになっています。所定の講座を受講すると修了生として、活躍することができます。仕事をしながら受講する時間を確保しなければならないという点では、厳しい面もあります。

性暴力被害者支援看護職の資格を活かせる職場

性暴力被害者支援看護職が活躍する職場は、病院、児童相談所、自治体が運営する性暴力救援センターや相談センター、期間限定で設置される相談センターなどです。資格修了生の数が少ないために、定まった活動の場所がないのが現状です。

性暴力被害者支援看護職の将来性

現在ではまだ人数も少なく、認定資格でもないために身分が確立されているとは言えません。しかし、公費を使っての相談センターの設置や、医療機関と警察が連携しての支援システムの構築や改善などが各地で進められつつあります。

需要はこれからも増えていくことが予想され、すべての医療機関に設置されることが理想とされています。認知度が高くなれば活躍する場も増えてくるでしょう。

性暴力被害者支援看護職のお給料事情

2013年末の時点では、性暴力被害者支援看護職を専業としている人はほとんどいない、あるいはいてもごく僅かなので給料についての資料はありません。

ほとんどの場合には、看護師資格を持っている人が、通常の業務を行いながら、相談や支援の任務についているものと思われます。

性暴力被害者支援看護職になるには《資格取得方法》

受験資格

性暴力被害者支援看護職の養成講座を受講することができるのは、看護師、助産師、保健師の資格を有している人で、女性に限定されています。この仕事に携わりたい場合には、まずこれらの資格を取得することが必要です。

審査方法・試験内容

試験はないので審査もありません。1年間に40時間の講座に参加することで修了生となることができます。

養成講座の目標は、「性暴力の実態を理解できる」、「性暴力が個人に及ぼす影響を理解できる」、「被害にあった人への支援の原則と基本が理解できる」、「さまざまな立場、職能の支援者と協力しながら支援することができる」、「支援者自身の安全と健康を維持することができる」、「支援にかかわることで、医療とケアの質の向上に貢献できる」という6項目です。

受験日程

2014年度の研修講座の日程はまだ発表されていませんが、2014年4月に募集を予定しています。参考までの2013年の研修は、1期2013年7月14日・15日、2期2013年11月3日・4日に実施され、3期は2014年2月22日・23日に予定されています。

現在支援活動をしている人のためのAコース、Aコースを終了した人を対象とするBコース、Aを終了している看護師、助産師、保健師を対象としたSANEコース、AコースとBコース、またはAコースとSANEコースを修了した人を対象とするCコースがあります。

費用・会場

「性暴力被害者支援看護職養成講座」の紹介リーフレットには費用や会場については記されておりません。

問い合わせ先

特定非営利活動(NPO)法人 女性の安全と健康のための支援教育センター 郵便番号113-0033 東京都文京区本郷1丁目25-4 ベルスクエア本郷 7階 FAX 03-5684-1412