CRC(治験コーディネーター)になるためには、特別な資格は何もいりません。
医療や医療現場のシステムに関する知識や専門性があり、かつ医療系の資格(看護師や臨床検査技師、薬剤師など)を保持し医療現場での臨床経験があれば誰でもなることは可能です。
CRCには大きく、
- 日本SMO協会に所属し、製薬会社や治験会社、医療機関等へ派遣される
- 製薬会社や治験会社、医療機関等に直接所属しCRC業務を行う
の2種類のタイプがあります。
日本SMO協会に所属し、各機関へ派遣される場合
日本SMO協会が実施している「JASMO公認CRC試験」に合格し、認定資格を取得します。必ずしも認定資格の取得が必要となるわけではありませんが、認定資格を取得すると臨床試験のスペシャリストとして公認されることとなります。
看護師や臨床検査技師などからのステップアップを目指す人にとっては取得しておきたい資格です。
JASMO公認CRC試験を受験するためには
- 日本SMO協会の定める導入教育研修を修了
- 修了した日から2年以上、臨床経験を積む
という条件が設けられています。
受験料は1人あたり10,000円、CRC公認証発行手数料は3,000円。
CRC認定証は、発行された日から5年後に更新することが必要です。その更新時には「JASMO公認CRC更新試験」に合格しなくてはなりませんが、いくつかの更新条件を満たしている場合には無試験で更新することも出来ます。
例えば…
■協会の指定するCRC研修会への参加
■日本SMO協会主催継続教育研修会への参加・聴講および発表
■CRCと臨床試験のあり方を考える会議への参加および発表
上記などによってポイントを取得し、合計10ポイント以上取得することにより更新試験が免除されます。
その他のCRC認定試験を受験するためには
CRCの認定および公認試験は、日本SOM協会の他にも日本臨床薬学会やSMONAでも実施がされています。
- 日本臨床薬学会の発行する認定CRC資格
- SMONAの認定CRC
どちらかというと、現在CRCとして活躍している人がよりスキルアップや収入アップを目指すために取得する資格です。そのため受験資格には、CRCとしての実務経験や活動実績の証明などが求められます。
SMONAが実施する基礎講習会の受講やSMO各社で実施されている自社内研修を修了し、年1回実施されている認定試験に合格することで取得できます。
CRCとして働くためにはこういった認定資格が必ずしも必要になるというわけではありませんが、取得しておくと就職にも有利です。
製薬会社や治験会社、医療機関等に直接所属する場合
直接CRCを採用する会社では、CRC未経験であっても看護師や臨床検査技師、薬剤師などの資格を持ち、かつ医療現場での臨床経験があれば積極的に採用を行っているところが多くあります。
CRCは、治験が円滑に行われるのをコーディネートすることが主な仕事になるため、医療に関する知識や経験の他に医師や治験従事者、被験者をサポートするための気配りやコミュニケーション力、フットワークの軽さなどが求められます。場合によっては治験を実施する医療機関が全国に散らばるということもあるため、移動や多忙な業務に耐えられる気力・体力が必要です。
そのため採用試験では、人間性、コミュニケーション力、協調性、体力など様々な視点が評価対象になります。