消化器科看護師の仕事内容

消化器科に勤務する看護師の主な仕事内容は、

  • 医師の診察補助
  • バイタルチェック
  • 採血、点滴・注射
  • 入院患者の体調管理といった基本的なものが中心となります。

しかし、診察・治療の対象は食道や胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓などと幅広く、基本的な仕事であっても患者さん1人1人に合った対応が求められます。また、入院している患者さんの生活介助を行ったり、精神面でのケアを行ったりすることもナースの仕事です。

消化器疾患の治療を行う患者さんの場合は、治療の一環で食事制限を設けることがあり、医師や管理栄養士、薬剤師などと連携して治療に取り組む必要があります。ここでのナースは、患者さんと医療スタッフがスムーズに治療に取り組めるよう架け橋としての役割も担っていて、患者さんや医療スタッフとコミュニケーションをとって信頼関係を築くことも大切な仕事です。

類似する診療科に胃腸科や肛門科がありますが、胃腸科は胃と腸を、肛門科は大腸から肛門までを診察・治療の対象としており、消化器の一部を診察・治療の対象としています。どの科も消化器を対象としているためナースの仕事内容は類似する部分も多いですが、消化器科の方がより業務の幅が広くなっています。

消化器内科・消化器外科で仕事内容が異なる

消化器科は内科と外科に分けることができ、それぞれ役割が異なるためナースの仕事内容や役割も内科と外科では違う部分があります。

内科は手術を伴わない診察と治療を担当する科で、ここで働くナースの主な業務は医師の診察補助が中心となります。医師の診察補助を行う際は、消化器疾患やそれにより現れる症状などに関する知識が求められるため、経験を積んで積極的に学ぶ姿勢が必要です。

一方、外科は手術を含めた治療を担当する科で、ここで働くナースの主な業務は医師の診察補助に加えて手術補助や手術前後の処置などもあります。外科での仕事を行う際には、内科と同様に消化器疾患や症状に関する知識だけでなく、手術に関する知識も必要です。

どちらにせよ、内科も外科も診察対象が幅広いため注意を払う部分が多く、必要となる知識も幅広く、患者さんの数も比較的多いのでナースの仕事量はとても多いのです。

専門的な検査結果を読み取る

消化器科の特徴の1つに「専門的な検査が多い」ということがあり、内視鏡やX線検査、レントゲン検査など様々な検査が行われています。そのため、ナースが検査に関する業務の担当になることも多く、ここではまた違った仕事内容や役割を担います。

検査に携わるナースの重要な役割は、検査がスムーズに進むように技師をサポートすることはもちろんですが、正確な情報が得られるよう患者への説明を徹底したりきちんと検査ができる環境を整えたりすることです。また、その結果から病状を読み取り、症状を予測することも求められます。

精神的なケア

消化器科に通院する患者さんの多くは「がん」であることが多く、手術を控えていたりがんを宣告されたり、食事制限があったりと患者さんの中には精神的に不安定になってしまう人も多くいます。このような患者さんやその家族に対して精神的なケアを行うことや、治療や病状に不安を感じている患者さんを励ましたり話を聞いたり、治療について納得できる説明をしたりすることも看護師の重要な業務の1つです。

このような場面ではカウンセリングに関する知識や資格が活きることも多く、カウンセラーなどの資格を取得して業務に役立てている人もいます。

後輩・同僚への教育・指導

消化器科で勤務するナースは、仕事を行ううえで様々な専門知識やスキルを必要としますが、そのほとんどは仕事をしながら身に付けることができるものです。

しかし、やる気次第では、資格を取得してスキルアップ・キャリアアップを目指すことも可能です。

良く知られているものとして認定看護師・専門看護師の資格があり、これらの資格を持つナースは患者さんに対する看護だけでなく、同じ科で働くナースへの教育や指導も仕事の1つになります。

また、内視鏡技師の資格を取得しているナースは、ナースの業務と検査技師の業務を兼任することもあります。