歯科における看護師の求人は、通常の歯科医院や矯正歯科などにおいては行われていないことが多く、求人を探すことが困難な場合があります。よって、歯科医院で仕事を求めているのであれば、歯科助手としての登録、雇用と言う形になるでしょう。

しかし、口腔外科を有する大学病院や総合病院での看護師求人は多いとは言えませんがあります。

手術や入院設備がある病院においては、看護師としての医療技術と清潔操作などの医療知識、日勤・当直などによる患者さんの日常支援や治療支援と技量を発揮できる現場もあります。

では、歯科看護師として働く上で、良い点や欠点はどのような事があるのでしょうか?

看護師の未知な世界でもある歯科業界で勤務する看護師のメリット・デメリットを知り、歯科に対するイメージを感じてみましょう。

歯科看護師のメリット

一般歯科・口腔外科の共通のメリット

●精神的負担が少ない
仕事をしている上で、緊迫して予断を許さないといったように生命へかかわるような状況はそれほどありません。

職場環境としてゆとりがあり落ち着いてもいるということで、冷静な気持ちでおだやかに働きたいという場合にはストレスがかかりにくくなります。

また、歯科における治療は、ダイレクトに患者さんの痛みや苦痛を和げるものとなっています。そのため重い空気が流れている職場ということもなく、働きやすい雰囲気があります。

一般歯科のメリット

●勤務形態が多様
夜勤はなく残業も少なく時間の融通が利きやすいということで、病棟勤務をする上での悩みとなるプライベートの時間も確保しやすくなっています。

常勤職員としての雇用だけでなくパートやアルバイトといった短時間勤務のスタッフを雇用している職場も多く、勤務形態が多様であることから働きやすい職場を選びやすいところもあるのです。

口腔外科のメリット

●他の疾患領域に関する知識も身につく
歯にかかわる疾患はほかの診療科と異なったものになっていて、治療の内容や患者さんが治癒していく過程などについても多くのことを知ることが可能です。

虫歯だけでなく生活習慣病にも区分される歯周病など、健康管理につながるところもいろいろとあります。

●やりがい充実とスキルアップ
手術なども行われることで、たとえば急変や多くの出血があったといった場合に歯科衛生士や歯科助手ですと対応することも困難です。

そのような場面で専門職としての知識や技術を活かすことができ、より医師からの信頼も得られることになりスキルアップへ資する環境もあります。

また、入院施設においては、患者さんの治療をサポートすることに加え、日常生活の支援などにもあたります。

さまざまな診療科で共通する業務内容も多々ありますから、看護師として持っている基本的な看護技術は存分に発揮される場があります。

歯科看護師のデメリット

一般歯科のデメリット

●看護師としてのスキル・知識を発揮しにくい
一般的な診療科で身につけてきたような経験や知識はなかなか活かすことができず医師のほか歯科衛生士、歯科助手といったスタッフに一から歯科のノウハウを指導されるということになります。

領域としてまったく特徴が異なっているため必要とされる治療や支援も違っていて実績、看護職としてのプライドといったことを主張することに大きな意味はありません。

●看護以外の仕事の多さ
歯科用のセメントを練り歯型を取るなどといった作業も多く担当することとなり、このあたりは歯科衛生士や歯科助手の役割との境界がはっきりしていないところです。

看護師の仕事ではないというように矛盾を感じてしまう人もいるのですが、歯科治療においては重要なものですからしっかり役割を果たさなければなりません。

●給与の違い
特に一般歯科ですとクリニックとしての運営形態が多いため、日勤時間帯の勤務に限られることから金額の水準としてそれほど高額ではありません。

そのほかの職場でも夜勤があまりないほか看護師の資格を持っていても歯科助手として雇用される場合などもあり、そうなると資格手当などが得られないのです。

●歯科衛生士との関係
歯科という診療科においてスタッフの職種としては歯科衛生士が医師に次ぐ重要なポジションとなっていて、看護師に対してそこまでのニーズはないことが現実でもあります。

仕事の割り振りなどや専門職としての意識もありますから人間関係が必ずしも良好ではないケースもあるものの、あくまで歯科領域を専門的に学んでいる歯科衛生士が優先され看護師はメインということになりません。

まとめ

歯科で働く看護師のメリットは、知らない世界を知る、自分の日常の知識として活用が出来る、勤務形態の多様さから働きやすさを感じられる等があります。

しかし、歯科では看護師より歯科衛生士が求められる事が多く、自分の経験を十分に発揮することが出来ないというデメリットがあるようです。

しかし、知らない世界を知るスキルアップには良い事もあると言えるでしょう。