乳児院には虐待や育児放棄を受けてしまっている乳幼児のほか、さまざまな事情によって親は育てることのできない環境にある乳幼児が入所しています。全国各地において、その数は全部でおよそ120ヶ所となっています。

施設の絶対数は少ないため、看護師の募集が出されることもなかなかありません。看護師転職サイトに利用登録して、募集が出たらすぐに紹介してもらえるようにしておきましょう。

乳児院で働く看護師の仕事内容・役割

0歳児から2歳児、一部それより上の年齢になっている子どもたちも入所しています。おもな業務は、その健康管理です。

設置義務がありますから必ず看護師は配置されているのですが、ひとつの施設で勤務する人数はほとんどが2人です。24時間365日にわたって子どもたちのことを見ていなければなりませんが休日のこともありますから、交替しながら勤務することとなります。

2人体制ではあっても、実質的に勤務中は1人だけということになります。医療のことがわかる人間は、職場で自分しかいないという環境を自覚しなければなりません。

また、看護業務はもちろん、すべてを自分でこなさなければならないということになります。そのほか書類の作成から雑務までの仕事が多々あり、少なからず負担もかかることになります。

重大な病変を防ぐための日々の観察

0歳から1歳といった年齢ですとわずかな環境変化をきっかけに体調が悪くなってしまうような場合も多く、インフルエンザなどへの感染も多くなります。

普段からしっかり様子について観察する中でずっと泣いている、元気がないなどといった異変を感じ取らなければなりません。

いざというときには、とっさの判断で対応

体調不良があれば適切な処置をするほか、近隣の医療機関やかかりつけの医師とも連携して対処することが求められます。

流行性感染症ですと、ほかの子どもたちが感染しないように対策もしなければなりません。

看護以外の場面でも活躍

親に代わって育児の一端を担うことになり、子どもたちにとっては看護師というよりも母親に近い立場でいつも自分のそばにいる人といった感覚も持たれます。

保育士とともに日常の世話をするほか一緒に遊ぶなど、一般的な看護師の業務に含まれないことにも対応する必要があります。

あくまで、子どもたちのペースに合わせての勤務となります。時には1日の拘束時間が長くなることもあり、休日出勤が必要とされるケースもあります。

退所する子供に関すること

子どもたちが3歳となるころには特例を除いて両親や親族、里親のもとへ引き取られるか、童養護施設に移動することとなります。

その際にはこれまで過ごしてきた子どもたちの様子、また病歴や健康面で気をつけなければならない点などについてもしっかり伝えなければなりません。

そのために普段から子どもたちと接している中では随時、十分に記録を残しておきます。退所後についても、アフターケアを行うことができるようにしておくことは重要です。

乳児院で働く看護師で活かせる経験・スキル

臨床経験

1人で判断し対応しなければならない場面が多々あるため、相応の知識や経験が必要とされます。緊急の場合にも、スピーディで的確な判断をしなければなりません。

関連資格

子どもたちにかかわる上では保育とかかわる部分が大きくなりますし、メンタル面への配慮も必要です。保育士や心理カウンセラーなどの資格があれば、大いに活かすことができます。

子育ての経験

実体験はやはり強いものであり、臨機応変な対応につながりますし子どもたちとの関係も良いものになりやすくなります。現場における経験値がないことは、どうしてもデメリットとなってしまいます。