独身の看護師といえば新卒からあまり時間が経過していないか、ひたすら仕事に打ち込んでプライベートを後回しにして年齢を重ねてきているというケースが大部分です。キャリアアップを考えていく上で、やはり働きやすい職場環境というものがあります。
類似する境遇のスタッフが多い職場
規模の大きな職場
数十人単位で新入職員を一括募集している総合病院などですと、同年代で同期のスタッフも同時にたくさん入職することになります。
悩みなどは共有することができ、またスキルアップといった面で切磋琢磨することもできそういったところでは環境として最適です。
美容系の医療機関
総じて若い世代のスタッフを多く採用している傾向があり、それほど高度なスキルが求められないというところでも働きやすい職場です。
残業や夜勤などもあまりない場合が多く、条件面でもプライベートを優先させやすくなっています。
スタッフの年齢構成が均一
ママさんナースの割合が高い職場ですと子どもの体調不良などで急な欠勤があった場合などの穴埋めについて、独身のスタッフへ負担をかけることになるケースも少なくありません。
後々結婚してから同じようなことがあればお互い様ということにもなりますが、必ずしもそのとき同じ職場にいるかどうかはわかりませんし将来設計がどうなるかも未知数です。
独身看護師はクリニックの方が働きやすいとは限らない
一般的にクリニックは、働きやすい職場であるというイメージを持たれています。しかしながら経験の浅い場合や未婚というライフステージですと、必ずしもその限りではありません。
●労働量の問題
若い世代が多くまだまだ体力面でも元気な独身看護師は、職場でもフル回転で勤務する場合が多くなっています。
そういった面で働きやすいと考えられるクリニックですが、少数のスタッフで運営されていることから長期休暇を取得しにくいといった面もあるのです。
●せまい人間関係
大きな職場ですと複雑な人間関係のもと勤務しなければならないという一方、クリニックにはアットホームといったイメージがあります。
ですがスタッフの少なさから人間関係はより濃いものになりますし、人間的に合わない人がいるような場合にもとにかく毎日一緒に仕事をしていかなければなりません。
●給与面の条件
国公立病院などとは異なり条件が安定しているわけではなく、あくまで経営状況にもとづいて支給されるため場合によってはボーナスが支給されないといったことも考えられます。金額の水準としては、やはり大きな職場に比べて少なくなる傾向があります。
●スキル面のデメリット
看護師として積極的にスキルアップしたい、最新の技術にふれていたいといった希望を持っている場合には残念ながらそういったチャンスがありません。
ことによると手技を忘れてしまうといったようにむしろスキルが低下しかねない可能性もあり、そうなると自主的に外部で学ばなければならないなどの必要もあります。
●診療体制に見るスタッフ層
休日には休診となっていて平日の日中のみ診療にあたっているといった体制が多いため、どうしても既婚者や子育てをしているスタッフの数が多くなりがちです。
そうなると、どうしても独身者であると肩身のせまさを感じる場合があり居心地も良く感じられないことは往々にしてあります。
そんな中、家庭の事情にともなう突発的な欠勤などがあればやはり独身者は優先的にカバーすることとなりますが、もしもナースが2人体制ということであるとどうしても不満につながりかねません。
そういったフラストレーションを発散する場もなかなかなく、孤立するといったことにもなり得ます。
独身者がなじみにくい可能性のある職場
例えば、小児科などにおいても、子どもがいない人にはわからないといった対応をされる事例があります。
小児看護を行う上で出産や育児の経験は必須とされないものの、心ない発言から傷ついてしまうなどの場合が少なからずあるのです。
前述したクリニックもそうですが、独身看護師にとって働きやすいかどうかは、施設形態や診療科の種類ではなく、その職場の方針や構成によるところが大きいです。
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