独身女性の老後に必要となる資金

一般的に60歳で定年退職して平均寿命である88歳までの余生を送るとして、およそ5,000万円から7,000万円程度が必要であるとされています。

これは1ヶ月につき16万円から20万円前後の生活費がかかると計算した場合であり、生活の水準によってはさらなる差も生じます。

実際、生活費の大半は、住居費が占めています。自宅が持ち家であるかどうかによっても、生活費の金額はかなりの違いになるのです。

また、食費や医療費などといった金額だけを算出するならば、平均的な生活費は1ヶ月に5万円から10万円前後となります。

現時点で使っている月々の生活費を把握すれば、今後の老後に必要となる金額についてもある程度は推算することができます。

老後は交際費よりも医療費が増加する可能性がある

老後というステージになってから大きく変わるということは考えにくいものであり、年齢とともに食事の量が少なくなるほか外出が減って交際費などが少なくなるとしても医療費などは増加すると考えられます。

ですから現時点でかかっている生活費とほぼ同じ金額かむしろいくらか多い金額が、老後には必要であると見込まれます。

生活費の計算方法

給料の総支給額ではなく、あくまで実際に受け取る手取りの金額をもとにして計算することができます。

住居費については看護師寮などを利用している場合ですと退職するにともなって引っ越さなければなりませんから、とりあえず住居費を除いた生活費について把握しておくことがポイントです。

ライフラインにかかわる光熱費は当然一生にわたって必要なものですから、生活費の一部として含めておくようにします。

毎月の生活費に住居費を足して12ヶ月を乗じ、さらに定年から算出したい年齢までの年数を乗じた金額ということになります。

独身看護師の老後の不安材料

衣食住の問題

定年となって老後を生きていく上では最低限、衣食住が満たされていなければなりません。そのうちもっとも懸念されるものが、住居の問題です。

住居費の予測

ずっと看護師寮を利用していた、職場から住居手当の支給を受けていたといった場合ですと退職した後はそれまでよりも負担が増加することになります。

引き続き同じ場所で暮らすのであれば必要となるお金のこともある程度は予測することができるものの、あらたな住居を探さなければならないとなると費用も不安も未知数になります。

定年を迎える前に…
一般的に独身の高齢者が新しく物件を探すとなると、保証人を引き受ける家族や親戚などがいなければ難しいことも多々あります。ですからおひとりさまとなると安定した収入を得ている現役のうちに、老後の住まいを確保しておくことが安心です。

老後までに必要な貯蓄の額

もちろん、老後に必要な金額のすべてについて、それまでに貯蓄しておかなければならないというわけではありません。

しっかり年金を納め続けてきたということであれば毎月の年金収入がありますから、そこで足りない部分について自分で用意しておかなければならないということになります。

年金の受給額

人それぞれで異なり、看護師で厚生年金に加入していた場合ですと支給額は1ヶ月に14万円前後となることが平均的です。公立病院の共済年金ですと、月に16万円前後が一般的な金額です。

しかし、現行の制度において、年金の支給が開始される年齢は65歳となっています。そのため、退職してから年金が支給されるまでの間については生活費の全額を備えておかなければなりません。

上記を踏まえて必要な貯蓄額の目安を算出すると…

月に20万円の出費を見込んだ場合、60歳で退職するならば65歳までの5年間に必要な生活費、それ以降は年金受給額と生活費の差額を計算すると、88歳までにおよそ3,200万円が必要です。

仕事をしているうちに貯蓄しようとすれば、実働が35年間ならば毎月およそ76,000円の金額が必要です。

将来的に自分がどこまで長生きすることができるかは、正直わからないことです。介護を受けなければならなくなる可能性もありますから、なるべく多額の貯蓄をしておくことで安心は増します。