保育士とは
どんな資格?
児童福祉法において定められた国家資格で、保育所をはじめ、乳児院や児童養護施設、学童保育などの児童福祉施設において、子どもの保育を行います。厚生労働大臣が指定する養成機関で所定の課程や科目を履修し卒業する、もしくは保育士試験に合格することで、資格を取得することができます。
現代においては、核家族化、共働き世帯の増加などにより、保育施設や保育士へのニーズは年々高まっており、こうした社会的な必要性からも、近年最も注目されている資格のひとつということができます。
認定先
厚生労働省が認定先となります。
資格保有者数
2011年4月1日現在、保育士登録者数は1,068,838人となっています。
難易度・合格率
合格率については、平均して10%から12%ぐらいでしたが、2011年度は15%、2012年度は18%と合格率アップの傾向にあります。受験者数も2008年度の約36,000人から年々増加し、2012年度には約50,000人となっています。試験の難易度が低下しているというわけではなく、保育士が近年注目されている資格であり、受験者の裾野や、受験・合格できる環境が社会的に広がってきていることを示しているともいえます。
保育士資格は、国家資格としては、中程度の難易度とされています。資格保有者は、指定保育士養成施設卒業者であったり、受験者の多くは専門学校などの養成コース受講者などであったりで、専門知識を多く必要とする資格であるということができるでしょう。
保育士の資格を活かせる職場
認可・認可外保育施設が代表的なものですが、乳児院、児童養護施設、児童館、学童保育などの児童福祉施設、知的障がい者施設など、必要とされる職場は広範囲に及んでいます。近年においては利用者のニーズの多様化に伴い、これらの施設において看護師資格などの医療関連の国家資格所有者の活躍も広がっており、こうした人が自身のステップアップのために資格取得を目指す場合も増えてきています。
保育士の将来性
共働き世帯の増加による待機児童の問題がクローズアップされており、保育施設及び、保育士の確保は、現代の社会において、重要な課題のひとつとなっています。こうしたことからも、将来的に益々必要とされる資格ということができるでしょう。
保育士のお給料事情
保育士としての月収相場は200,000円ぐらい、平均年収は3,150,000円となっていますが、都市部の私立保育園などで、正看護師資格所有者募集の初任給の場合では、月収相場が230,000円から250,000円、年収については4,000,000円前後となるものもあります。
保育士になるには《資格取得方法》
受験資格
学歴や職歴によって次のように規定されています(細かい規定があり、受験の際には確認が必要です)
- 大学に2年以上在学して、62単位以修得もしくは1年以上在籍し、62単位以上修得見込みの人
- 高等専門学校及び、短期大学を卒業または卒業見込みの人
- 高等学校や特別支援学校の専攻科を卒業もしくは最終学年に在学して年度中に卒業見込みの人
- 専修学校(専門学校)の専門課程もしくは各種学校、当該専攻科の最終学年に在学して年度中に卒業見込みの人
- 外国において、14年以上の学校教育課程を修了した人
- 高等学校を卒業し、児童施設、保育所、障がい者支援施設、放課後児童支援施設において、2年以上の勤務で総労働時間数2,880時間以上、児童の保護に従事した人
- 高前述施設において、5年以上の勤務で総労働時間7,200時間以上、児童の保護に従事した人。
審査方法・試験内容
筆記試験と実技試験があります。筆記試験の合格者のみが、実技試験を受けることができ、実技試験に合格すると保育士資格が与えられます。筆記試験はマークシート択一式で、科目は保育原理、教育原理、社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論となっています。科目ごとに合否が判定され、合格は各科目6割以上の得点となっています。
筆記試験合格には、全科目における合格が必要です。実技試験は、音楽表現、造形表現(絵画制作)、言語表現の3分野のなかから受験申込時に2分野を選択します。合格科目は3年間有効で、受験の際に申請をすると免除となります。また厚生労働大臣が指定する学校や施設で指定科目を履修した人や、幼稚園教諭免許を所有している人は、申請をすると一部科目が免除となります。
受験日程
筆記試験は、例年8月中旬、実技試験は10月中旬ごろとなります。受験年の4月1日より、受験手引きの請求、配布が開始され、申請受付締め切りは5月中旬ごろとなります。
費用・会場
受験料は受験手数料12,700円と受験の手引き郵送料200円の12,900円となります。試験は各都道府県において行われます。会場の詳細については、受験年の4月1日に発表されます。
問い合わせ先
社団法人全国保育士養成協議会・保育士試験事務センター
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