看護師の中には、自分で事業展開をする人も増えています。開業ナースとして活躍できるフィールドにはいろいろな種類があります。

その中の一つに、介護保険事業所を立ち上げる方法があります。これから高齢者がますます増えることが予想されています。ですから介護保険事業所へのニーズはますます高まってくるので、開業ナースの狙い目の分野と言って良いでしょう。

介護保険事業所ですが、いくつかの種類があります。それぞれの事業所を立ち上げるためには、どのようなことが必要になるでしょうか?

訪問介護事業所を開業する

訪問介護事業をスタートするためには、都道府県もしくは市町村から訪問介護の指定を受けることが大前提になります。訪問介護指定を受けるためには、会社や法人を設立し、人員と設備、運営に関する一定基準をクリアする必要があります。

人員に関する基準ですが、1名の管理者と1名以上のサービス提供責任者、常勤換算でサービス提供責任者を含め2.5人以上の訪問介護員が必要です。

訪問介護員ですが、介護福祉士や実務者研修修了者、初任者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者、訪問介護に関する1級・2級課程修了者であることが条件です。

設備に関する基準ですが、事務室と相談室、訪問介護に必要な備品、手指を洗浄するための備品が求められます。

デイサービスを開業する

デイサービスを開業するというアプローチもあります。デイサービスを開業するためには、管理者が1名、生活相談員と看護職員、機能訓練指導員がそれぞれ1名以上必要です。

介護職員も必要ですが、こちらは提供時間数に応じて配置基準も変わってきます。ただし利用定員が10名以下の小規模デイサービスであれば、看護職員と介護職員のいずれかが1名以上いれば、指定を受けることは可能です。

設備に関する基準ですが、食堂や機能訓練室、静養室、介助できる便所や浴室、厨房、事務室などが備わっていることが条件です。車いすの人が移動できるような廊下の幅が必要で、スロープなどで段差をなくし、バリアフリーに対応していることも条件となります。

居宅介護支援事業を開業する

開業ナースの中には、居宅介護支援の事業立ち上げを目指す人も少なくありません。法人を立ち上げて、一定基準を満たせば指定を受けられます。

まず人員に関する基準ですが、管理者1名と35人の利用者数当たり1名の介護支援専門員を配置することが条件です。ちなみに管理者と介護支援専門員は兼任が可能なので、1人で開業することも不可能ではないです。

事務所の条件ですが、事務や相談、会議目的で利用可能なスペースを確保する必要があります。ちなみに相談室に関しては、プライベートに配慮したスペースでないといけません。

福祉用具貸与事業を開業する

介護が必要な高齢者の中には日常生活を問題なく営むために、車いすや特殊寝台などが必要なケースもあるでしょう。このような福祉用具をレンタルする事業のことを、福祉用具貸与と言います。

福祉用具貸与の事業指定を受けるためには、これもまた基準を満たす必要があります。人員として、管理者1名と専門相談員2名以上配置する必要があります。

専門相談員は誰でもなれるものではなく、介護福祉士や義肢装具士、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、保健師、社会福祉士などの資格を取得している人でないといけません。

介護保険事業所を開業したい看護師さんへ

このような基準を満たして、法人を立ち上げていれば、このように介護保険事業所を立ち上げることも可能です。看護師の中で、どこかで勤務するのではなく自分で事業を立ち上げてみたいと思っている人は介護保険に関連する事業を始めてみませんか?

開業するにあたって、いろいろな事務手続きを行う必要があります。自分で全部行うとなると、なかなか大変かもしれません。

しかし、開業の事務手続きのサポートをしてくれる業者もあるので、このようなサービスをうまく活用して、開業ナースにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。