救急救命士とは
どんな資格?
救急救命士は「厚生労働大臣の免許を受けて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者」と救急救命法第2条で定義されている国家資格です。実際の仕事は疾病者を病院に搬送する救急車等において、静脈路確保、器具を用いた気道確保、薬剤投与などの特定行為や自動体外式除細動器による除細動などを行い、病院に到着するまでにできるだけのことを行い、命を救うことを目的としています。
認定先
救急救命士を認定する機関は厚生労働省です。
資格保有者数
救急救命士は毎年2,000人以上の新たな合格者が生まれており、現在では37,000人以上の人が資格を保有しているという状況です。
難易度・合格率
救急救命士の国家試験の合格率は、もっとも低かった平成19年が80.1%、もっとも高かった平成18年が86.8%で、大体は80%から85%です。年によるばらつきはあまりありなく、合格率が高い国家資格といえます。
救急救命士の資格を活かせる職場
救急救命士の資格を取得した人がもっとも多く活躍している職業は、消防官です。37,000人以上いる有資格者のうち、約23,000人が消防官採用試験に合格して消防署で働いています。その他には、自衛隊にも救急救命士の採用枠が設けられています。また救急救命士を養成する大学や専門学校の講師として活躍している人もいます。
救急救命士の将来性
救急搬送でいかに多くの命を救うかということが大きな課題となっている現在、救急救命士の需要は年々増加しています。まだ不足しているのが現状なので、今後も高い需要が続くことが見込まれています。ただし、活躍する職場のほとんどが消防署であり、消防官採用試験は国家試験よりも難関です。
救急救命士のお給料事情
救急救命士のほとんどは消防官になっています。消防官は地方公務員なので、給料はそれぞれの自治体の給与規程によって決められています。自治体によって給料の額は異なりますが、初任給の相場は高卒で15万円、大卒で17万円、規程に基づいた昇給も自治体の規程によってそれぞれですが、月額平均8,000円前後で、すべての救急救命士の平均月給は343,441円です。
救急救命士になるには《資格取得方法》
受験資格
救急救命士国家試験の受験資格を得るためにはいくつかのルートがあります。ひとつは高等学校を卒業した後に文部科学大臣が指定した学校または厚生労働大臣が指定した救急救命士養成所で2年以上にわたり救急救命士としての知識や技能を習得することです。
また、大学や救急救命法施行規則で規程された学校や養成所で1年以上修業、または大学で所定の科目を履修し必要な知識や技術を習得などが主なものです。
そのほかに消防隊員として勤務しながら6ヶ月以上養成所で講習を受け、5年以上または2,000時間以上の救急業務を経験するという道もあります。また、平成3年8月時点で看護師資格を有しているまたは看護学校に在学してその後看護師資格を取得した場合にも受験資格があります。
審査方法・試験内容
試験科目は基礎医学(社会保障・社会福祉、患者搬送等)、臨床救急医学総論、臨床救急医学各論(一)(臓器器官別臨床医学)、臨床救急医学各論(二)(病態別臨床医学)、臨床救急医学各論(三)(特殊病態別臨床医学)の5科目です。
合計200問のマークシート方式の筆記試験で、午前中にA問題(一般問題)127問が、午後にはB問題(必修一般問題)23問、C問題(必修状況設定問題)7問、D問題(状況設定問題)43問が実施されます。
合格基準はBとCの必修問題の80%以上、AとDの通常問題の標準偏差値から算出された合格基準点以上の得点(およそ60%以上)です。
受験日程
平成26年の救急救命士国家試験は3月9日に実施されます。出願書類は平成26年1月6日から1月31日の間に日本救急医療財団に提出します。(郵送の場合には当日消印有効)合格者の発表は3月31日午後2時に厚生労働省に受験地と受験番号で掲示されます。
費用・会場
受験手数料は30,300円で所定の用紙を使用して郵便局または銀行から日本救急医療財団に振込により納付します。試験地は北海道、東京都、愛知県、大阪府、福岡県の5カ所です。
問い合わせ先
受験資格認定については、厚生労働省医政局指導課 郵便番号100-8916 東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎5号館内 電話番号 03-5253-1111(代表)(内線2555)
受験願書の入手、その他試験に関しては、一般財団法人日本救急医療財団 郵便番号113-0034 東京都文京区湯島3-37-4湯島ビルディング7階 電話番号03-3835-0099
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