JPTECとは

どんな資格?

JPTECはJapan Prehospital Trauma Evaluation and Careの略で、外傷病院前救護ガイドラインとも呼ばれています。日本救急医学会公認の病院前外傷教育プログラムで、医師向けのJATECとの整合性も保たれています。

JPTECにはプロバイダーとインストラクターの2種類の資格があります。プロバイダーは、JPTECの内容を理解し実践可能な人に認定されるもので、インストラクターはプロバイダーとしての知識やスキルがあることを前提に、JPTECの本質をどのように教えるかを学ぶことを目標としたものです。インストラクター前段階として、プレインストラクターの資格もあります。

認定先

認定を行っているのは、一般社団法人 JPTEC協議会です。

資格保有者数

2013年3月31日時点の資格保有者数は、プロバイダー・インストラクター・プレインストラクターを合わせて36,231名となっています。その内プロバイダーの資格保有者数は、28,675名です。資格保有者は救急隊員に次いで看護師が多く、9,000人を超えています。

難易度・合格率

JPTECの資格はプロバイダーでもインストラクターでも、失格させるための試験ではないため、合格率は比較的高いのが特徴です。しかし基本的に病院内で働く看護師にとっては初めて知ることも多く、事前学習や講習内でしっかり身につける集中力が重要となります。

JPTECの資格を活かせる職場

JPTECは、救急医療体制の整っている病院などに勤務する際に活きる資格です。初期救急医療から三次救急医療まで、救急医療には様々な種類がありますが、どの救急医療分野でも活かせるのがこの資格の特徴でもあります。

そのため都市部に限らず地方の病院でも、需要の高い資格の1つとなっています。この資格を活かせる職場で働きたい場合には、救急医療体制の有無に注目してみると良いでしょう。

JPTECのの将来性

JPTECは防止可能な外傷致死を無くすためのもので、今後も医療従事者にとっては重要なスキルの1つとして需要が高まるでしょう。

近年では救急医療の需要が高まっていることや医療技術の進歩、外傷病院前救護の重要性が見直されていること、災害時の医療にも応用できることなどもあり、救急医療に携わったり積極的に知識やスキルを身につけたりする看護師も増えています。

JPTECの資格を持つ職員がいることは病院側にとってのメリットも大きく、就職面でも有利になることも多いでしょう。

JPTECのお給料事情

看護師にとってJPTECの資格取得はスキルアップに繋がりますが、資格取得による給料への影響は少ないのが現状です。というのも救急医療体制のある病院などでは、JPTECの資格を持つ人材は多くいるからです。ですから給料の平均・相場は、看護師の一般的な給料を目安にして考えると良いでしょう。給料アップはあまり期待できませんが、採用面では優遇される場合もあります。

JPTECになるには《資格取得方法》

受験資格

JPTECプロバイダーの受講資格は、救急救命士や医師、看護師・准看護師などの国家資格を持っていることです。既に看護師や准看護師の資格を持っていれば、受講することが可能です。インストラクターの受講資格はプロバイダー資格を持っていることですが、資格要件として、看護師の場合、救急看護認定看護師や救急医療部門での実務経験などが必要となります。

審査方法・試験内容

プロバイダーの資格試験はプロバイダーコースを受講後、筆記試験で74%以上、実技試験で可以上を取る必要があります。事前勉強や講習をきちんと受けていれば特に難しいものではなく、筆記試験は五肢択一で50問出題され、マークシート方式です。実技試験は1人ずつ行い、実際の現場のような中で行います。

インストラクターの資格試験はプロバイダー資格を取得後、インストラクターコースを受講するための確認試験で86%以上を取る必要があります。その後、指導方法などに関する講習を修了してプレインストラクターになり、1年以内にプロバイダーコースで実際に指導を行います。その際に、指導方法を評価されます。インストラクターには知識や技術などはもちろん、JPTECの理念を理解し普及に努める姿勢も求められます。

受験日程

プロバイダーコースは試験を含めて1日で行われ、年間300回以上開催されています。インストラクターコースは年間50回以上開催されており、不定期に開催されているので、こまめに情報をチェックしておくと良いでしょう。

費用・会場

受講会場は全国各地にあり、毎回会場が異なる場合もあります。そのため受講する際には、直接問い合わせるなどして最寄りの会場を探すことをお勧めします。受講費用は2,000円ですが、講習で利用する機材の購入や会場使用料などが加算されるため、会場場所や受講人数によって変動します。受講費用についても、直接問い合わせて確認すると良いでしょう。

問い合わせ先

一般社団法人 JPTEC協議会
〒164-0001 東京都中野区中野2-2-3 (株)へるす出版事業部内
電話 03-3384-7448