20代 女性

看護学校を卒業して、新人としてNICUへ配属されました。同期にNICUへ入職した同僚が多くいたため、仕事で悩んだ時も同僚と一緒に悩みぬき、解決できたと思います。

配属初日は緊張と不安でいっぱいで、何をしてよいのか分かりませんでした。こうした悩みや不安を時には先輩に聞いてもらい、より新生児たちや親御さんの力になれる看護師になる決意を固められました。

先輩たちも配属されて最初の頃は、私たちのように不安を抱えていたそうです。そう聞いて、不安が緩やかに解けるのを感じ、徐々にNICUの多忙さにも慣れていきました。

私達スタッフ全員でNICUを24時間守り続け、新しい命を守ることにやりがいを感じるようになれば初心者レベルは脱したと言えます。ただまだベテランとは言い難い年齢ですから、今は親御さんの笑顔を見ることで愛情を直接与えられているのがよく分かり、頑張ろうという気持ちになります。

緊急入院の患者さんが出て緊張感が走るときも、回復してあの笑顔を見られると思えばやる気が起こります。これからも勤務を続けて行きたいという意欲がわいてきます。


30代 女性

小児科から転職先として選んだのがNICUで、それまで患者として相手をしてきた児童や園児たちよりも更に幼い新生児相手ということで、最初は慣れないものでした。

自分の子供たちの幼い頃を思い出しつつ、自分はこの子の両親ほど苦労せずに子育てが出来たと思います。新生児は何が起こるか分からず、小児科の子供たちより自分からアクションが起こせないため、何を欲しているのか、何を嫌がっているのか分かりません。自分たち看護師や同僚の助産師、医師たちが彼らの医師を汲み取らなくてならず、小児科よりもはるかにアクシデントが多い部署です。

バイタルサインのチェックだけで済むかと思いきや、いきなりお漏らしをしたり、ミルクを吐いてしまったりと後始末に追われ、当初の予定より夜勤が伸びるのは当たり前の状況が続きます。

そのうち私の方が疲れ切ってしまい、夜勤だと日勤よりも勤務時間が長く感じれます。バイタルサインの測定中に泣き出されてしまえば、正確な情報が得られません。小児科とは比べものにならないほど忙しいのがNICUの夜勤だと思い知らせました。

そのうち暫く夜勤を過ごしてみると、最初よりは手際よく仕事をこなせるようになりました。よくよく考えてみれば自分の子供を育てていた時も同じように忙しかったことを思いだし、慌てなくなったのも幸いだったと思います。


30代 女性

NICUに勤務するようになり数年が経ちました。後輩の看護師が数人入ってきて、辞めていく者、残る者とはっきり分かれていきます。私は幸い残る方で、今度は後輩たちの指導に当たる立場となっています。

最初のうちはみんなパニックになりますから、それとなる声をかけて後輩のパニックをおさめて、必ず交代で誰かが見て上げるのが鉄則です。フォローする立場になって始めて、自分自身も先輩たちの世話になったのだと分かります。


50代 女性

NICUが他の診療科などと違う点は、患者さんとして入っている新生児たちは病気への抵抗力がとても弱く、成長して免疫をつけた大人なら感染しないような軽い病気でも簡単に感染してしまう点です。

そのためにスタッフから患者さんへ病気を感染させてしまうリスクが高く、自分の体調管理が出来ていないとNICU全体に迷惑をかけて患者を増やしてしまう可能性があります。

自己管理も仕事のうちであるのは看護師としては常識の範疇でしたが、ここまで影響を与えてしまうのはNICUならではの事情なのでしょう。これまで以上に自己管理に気を遣うようになり、結果としてNICUに勤務する以前よりも健康になった気がします。

50代になると若い頃よりも体調を崩しやすくなりますが、NICUに勤務するようになった今ではちょっとした体調の変化に敏感になり、体調を崩す寸前でケアが出来るようになりました。

念のため休みを取るタイミングが分かるようになり、職場に迷惑をかけず、家族にも心配をかけずに済むのは大きなメリットとなっています。