特別養護老人ホームで働く看護師の仕事の特徴

特別養護老人ホーム(特養、介護老人福祉施設)は、65歳以上の高齢者で要介護認定を受け、自立して生活することや在宅での介護が難しい場合入所する介護保険施設のひとつです。

入居者の健康管理

入所者は心身に障害や病気を抱えており、中には寝たきりや認知症、高齢者特有の疾患を抱えている人もいて、看護師はこうした利用者の健康管理を行います。

高齢者は生活環境や条件に敏感で体調を壊したり急変したりする時もあるため、薬の管理や褥瘡・皮膚トラブルの処置、点滴、経管栄養の準備・注入などの看護業務を行います。状況により嘱託医への連絡や救急搬送などの措置も行います。

入居者の生活をサポート

このような特別養護老人ホームの特徴は、利用者の「生活の場」であることです。終身利用も可能なので、なかには終の住処になる人もいます。そこで働く看護師は、病院など医療現場での治療・看護ではなく、「生活をサポートする」立場での看護が求められます。限られた設備のなかで、最善の看護を行っていくことはもちろん、利用者とのコミュニケーションが大切になってきます。

施設によってはイベントなどに参加して一緒に楽しんだり、入浴・排せつ・食事などの介護に関わったりする場合もあります。利用者と関わりを持つ時間が長いため、じっくりと看護に取り組めます。

また、医師が常駐しているわけではありませんので緊急度を自分で判断したり、体調に合わせた食事や安静度を判断したりもします。医療現場で培った経験や判断力が活かされる仕事です。

特別養護老人ホームの看護師求人

特別養護老人ホームでの実際の求人をみてみましょう。

施設区分 特別養護老人ホーム
雇用形態 パート
勤務時間 8:30~17:00
給与 時給1,400~1,500円
その他 週2,3日から可能
施設区分 特別養護老人ホーム
雇用形態 常勤
勤務時間 9:00~17:30、もしくは10:00~19:00(シフト制)
給与 月給23~25万円
その他 休日も週休2日

求人を見ていくと、日勤のみの勤務で休日はシフト制、パート・常勤など働き方が多様で、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選びやすいといった特徴がありあます。ブランクや未経験でも応募可能な求人が多いのも特徴です。

選択肢も多くありますので、勤務地、勤務時間、給与など、自分にあった求人を探すことができるでしょう。

しかし、こうした条件に加えて具体的な仕事内容や職場の雰囲気なども気を付けたいところです。特別養護老人ホームの場合、施設によって看護師の仕事内容や関わり方がさまざまだからです。

例えば…

  • 看護師が介護に関わっている施設
  • 夜勤はなくてもオンコールがあるなど

また、施設には看護師の他に介護スタッフ、リハビリスタッフなど利用者と関わる人がたくさんいます。業務を進めて行く上で、これらの人たちとの連携が上手く行われているかも重要です。これらのことを知るために、事前に問い合わせや見学をしたり、利用者の家族などに聞いてみたりするのもよいでしょう。

そのほかにも、病院などに比べて働いている人数に限りがあるため、勤務がタイトになっている職場もあります。小さな子どもがいる場合など特にそうですが、自分の希望と同じような働き方をしている人がいるかどうか、調べてみるのもよいかもしれません。

特別養護老人ホームで働く看護師として採用されるには

特別養護老人ホームは、治療を行う医療機関ではなく利用者にとっての「生活の場」です。看護師は利用者の生活を支援していくスタッフの一員として、より良い看護ができるようにしていく必要があります。

コミュニケーション能力がある

医師や介護スタッフ、家族などと連携をとったり、利用者と積極的に関わることができるコミュニケーション力が求められます。

利用者のなかには、自ら関わりを避けたり、認知症でコミュニケーションが難しかったりする場合もあります。誰とでも話ができる人や、面倒見がよい人などが向いていると言えます。

老年看護・介護の経験がある

特別養護老人ホームでは、高齢者特有の疾患や要介護者特有の心理状態の把握、利用者の「看取り」なども必要です。高齢者看護や介護の経験、終末期看護の経験などがあれば活かすことができます。

ケアマネや社会福祉に関する資格を有する

利用者の生活の質の維持や向上も特別養護老人ホームの重要な目的です。実際のケアプランを作成できるケアマネージャーの資格や、利用者の生活を支援していくために必要な社会保障制度についての知識があれば採用に有効であると考えられます。