地域包括支援センターは、市町村が地域の高齢者や家族のくらしを支援する施設ということで総合的・継続的な支援を包括的に提供するという役割があります。

看護師は専門職として保健師や社会福祉士、主任介護支援専門員なども所属している中でチームを構成する一員となります。

病院や介護福祉施設ですと、直接患者さんや利用者と接触しながら看護サービスを提供します。それに対し、ここでは間接的なかかわりが中心になります。

地域包括支援センターで働く看護師の仕事内容

病院や介護福祉施設などといった市町村の関係機関と必要な情報をやりとりして連携しつつ高齢者の健康促進にあたり、直接の支援としては高齢者へ向けて健康管理に役立つアドバイスもします。

また、良好な健康状態を保つ方法を考えるべく、職員同士でケアプランを作成するなどします。

●病院や福祉施設との共通点
高齢者や家族に悩みや不安があれば、その相談に乗ります。また介護予防サービスの計画を作成することなどで、間接的な健康支援にもあたっています。

●地域との連携
地域で高齢者に関する情報を調整する役割も担い、高齢者を病院や介護福祉施設へ紹介するほかその仲介役になる場合もあります。看護師ならではの知識や技術、経験が活かされることになります。

看護師に求められる経験・能力

現場での看護経験は、病院や介護福祉施設での医療や介護が必要であるかどうかを判断する場面で役立ちます。

健康であっても念のために情報を把握しておく必要がある人や退院後に通院している人などもいますから、それぞれの状態に合わせた対応が求められます。

また、自分だけで問題を解決しようとするのではなくほかのスタッフと連携することが不可欠ですから、コミュニケーション能力が必須となることに加えこまかな調整能力も必要です。

また、高齢者の介護に関する相談窓口ともなるため介護保険制度のことなども把握しておかなければならず、高齢者の虐待問題などが通報されることもなるためいろいろと勉強しておく必要があります。

地域包括支援センターの看護師求人傾向

それぞれの市町村について1ヶ所以上の設置が義務づけられている施設であるため、地元で必ず1つ以上の求人はあるということになります。

施設数については病院や介護福祉施設と比較すると少ないものの、全国で4,000ヶ所以上となっています。

高齢者を対象にしているという施設としての性質もあって、暮らしている人の数が多く高齢者も多い地域にはセンターの数も多くなっています。そのため、総じて人口が集中している都市部において求人も目立っています。

求人数・募集時期

それぞれセンターに所属している看護師はかなり少なく最低で1人、多くても若干名という状況ですが人員の出入りは活発なところもあります。

決まったタイミングで一斉の募集が行われるのではなく、所属しているスタッフの退職などにともなって欠員が発生したようなときに合わせてそれぞれの市町村から求人が出されるということになります。

雇用形態

市町村が運営していますから、給与を含めて待遇全般については公務員に準ずるものとされています。

民間企業が運営を委託されている場合であっても同様に、公務員と準じた扱いをされることになります。

給料・職場環境

平均年収に関しては350万円から400万円程度となっていて、病院勤務の看護師は450万円から480万円程度ですから比較するとおよそ100万円は低くなります。

夜勤がなく日勤だけの勤務になりますから、夜勤手当や夜間看護手当などといった手当がつかないのです。

しかし、基本的にイレギュラーがなく決まった時間帯での勤務になりますから、体力的な余裕や生活の落ち着きといったことは利点として考えることができます。