1年目での離職、転職…今すぐしたい!今すぐ辞めたい!でも、今後のキャリアに傷がつくんじゃ…

就職1年目で厳しい教育や現実とのギャップにやる気喪失して辞めたくなるのって、看護師に限ったことではないんじゃないでしょうか?

仕事にはちっとも慣れないし、先輩方にはちっとも信頼されないし、それでも毎日行かなきゃいけないし、そもそもこんな仕事と思ってなかった!!通勤途中にふと、いっそこのまま轢かれたい…と思う投げやりな衝動は、多かれ少なかれみんなが経験するものだと思います。

看護師1年目の転職理由

●理想と現実の違い
新人看護師は難関の国家試験に合格してようやく入職することになるのですが、はじめから思っていたとおりに仕事をすることはできないものです。そのギャップを受け止めることができず、転職を希望するに至る人が少なくありません。

●ストレスが蓄積されて…
はじめての職場で、これまでにない複雑な人間関係の中へ身を置くことになります。その上患者さんへの対応もあって身体的、精神的な疲労もピークへ達しストレスから逃れたいと思うようになってしまうのです。

現場が厳しいことは情報として知って入職するわけですが、それでも想像していたイメージとギャップがあって戸惑いやあせりが生まれてしまいます。職場によっても常に時間との戦いで余裕がない場合、教育プログラムがしっかり整えられていない場合などがあります。

●精神的な負担
生命ともかかわる仕事であるがための責任やプレッシャーが大きい中で、最初からうまくいかないことであっても多くを身につけていくように求められてミスへつながるケースもあります。また同期入職の同僚と自分を比較して事足りていない部分を見出し、劣等感から別の職場を考えるようになる人もいます。

●間違った思いこみ
自分に悪いところがある、生命に対して十分に責任感を持つことができないといった思いの強さから精神を病んでしまう人もいます。はじめての壁を前にして対処する方法がわからず、職場が変われば改善されると信じきって衝動的に決断してしまうような場合もあるのです。

信頼も経験も、長く勤めてこそ

もちろん、職場環境も人間関係もみんな文句なしで、1箇所で長く勤められるのが1番ですね。長く1箇所で勤められる、というのはそれだけで特技だし、その人の長所だと言えると思います。

信頼も経験もそうですが、長く勤めた愛職場心というのは、日々の業務だけでなく、職場全体を見渡した環境や労働条件の改善など、幅広い視野をその人に与えます。よく言われるように、できることなら最初の職場は3年、勤めましょう。その経験は貴方の今後のキャリアの基礎になります。

でも、転職するならむしろ早いほうがいい

自分の頑張りでは状況の改善が見込めないのなら、次の職場に賭けてみるのも一つの手だと思います。むしろ、ずるずると今の職場に居続けることで、大切な新人時代を台無しにしてしまうこともあります。

新卒1年足らずの転職者を、新しい職場では経験者と見なさないでしょう。だからこそ、前の職場で上手くいかなかった新人看護師としてのスタートを切ることができます。

どのタイミングでどんな職場に転職しても、大事なのは自分自身の学ぶ姿勢と、仕事に対する真摯さです。

イヤなことはきっと、また沢山あります。看護の仕事のシビアさはどこでも同じですし、それによって産み出される意地の悪い先輩看護師はどこにでもいます。

それでも、転職という選択肢を選ぶからには、自分が求めているものをしっかり考えたうえで、最良の職場を探せるように努力しましょう。

看護師1年目の転職に成功した人のケース

●特定の人との人間関係に悩みがあった
転職の原因が個人との関係だったことで、仕事自体に直接の問題はありません。これは職場が替わることで問題解決となりますから、あらたな勤務先でまた一から良好な関係を築くことができたという人も多くいます。

●精神面の悩みがあった
単身で知り合いもいないような土地に勤務していて、悩みを相談する相手がいないといったケースです。これは地元など家族や友人からのサポートも得られる環境へ転職したことで、安心して働くことができるようになったなどの事例があります。

看護師1年目の転職に失敗した人のケース

●患者さんとの関係構築に悩みがあった
総合病院から転職先としてクリニックを選んだことで、より密接なコミュニケーションでスパンも長いかかわりを求められるようになるといったケースがあります。結果的に、前職と同じようなことで悩むようになってしまいます。

●体力面の悩みがあった
身体面で少し負担が和らぐことを希望して急性期から療養型の病院へ移ったものの、介護と重なるところが多くハードワークだったといった事例があります。事前の情報収集が不十分なものだったことで、結局はまた失敗したと感じてしまったのです。

看護師が1年目に転職するメリット・デメリット

■メリット
●転職先になじみやすい
最初の職場では長く続かなかったものの、その色には染まっていません。そのため、あらたな職場においては環境への順応が早いという利点もあります。

●キャリアプランを見直す機会になる
理想としている看護師像を目指す上で、軌道修正を考える大きなチャンスになり得ます。実際に現場で働いたことによって適職となる分野が見えてくるところもあり、次のキャリア形成へつなげることのできるような転職となれば理想的です。

■デメリット
●早期退職にともなうイメージ
1年に満たないキャリアで退職すると、どうしてもメンタル面でマイナスとなるところがあるのではないかと疑われてしまいます。結果として、スムーズな転職を妨げるひとつの要因になる可能性も少なからずあります。

●中途半端な立ち位置
幸いにして早い段階で転職することができたとして、新卒者と大きく変わらない技術レベルでありながら中途採用者であるために即戦力となることを求められる場合もあります。

第二新卒としての採用であれば新人教育の機会はありますが、新卒者と同様の内容ということにはならないところもあります。その点に関しては応募前の下調べが肝心です。