社会保険の手続き

看護師や保健師、助産師として働いている場合、社会保険に加入していることが多いかと思います。退職後はこれらの資格を失うため、手続きが必要になります。転職先がすでに決まっている場合、新しい勤務先で再加入手続きを行います。まだの場合は、個人で手続きを行い、次の入職先に備えます。

健康保険

国民健康保険への加入、加入していた健康保険の任意継続、被扶養者となって家族の健康保険に加入するという3つの選択肢があります。

国民健康保険は居所がある市町村役場で、任意継続は以前の勤務先の健康保険組合または社会保険事務所で、手続きを行います。どの保険に入るかで、保険料に違いがある場合もありますので、調べてから選ぶようにするとよいでしょう。

家族の健康保険に加入する場合は、家族の勤め先に相談します。所得証明など書類が必要な場合もありますので、確認しましょう。転職先で健康保険に加入する場合は、入職時に加入手続きを行います。

年金

退職した職場で、厚生年金や共済組合に加入していた場合(第2被保険者)、第1号被保険者、または第3号被保険者への変更が必要です。(第2号被保険者に扶養されている配偶者が第3号保険者、自営業者や学生など第2号や第3号以外の人が第1号被保険者となります。)

第1号の場合、定額の保険料を納めることになり、第3号の場合、自身で保険料を納める必要はありません。退職日から2週間以内に、居所がある市町村役場で手続きを行います。わからない場合は、国民年金担当窓口で問い合わせてみるとよいでしょう。転職先で厚生年金や共済組合に加入する場合は、入職時に年金手帳を提出します。

雇用保険

転職先が決まっていない場合、居所を管轄するハローワークで失業給付を申請します。失業給付にはさまざまな規定があります。

また、雇用保険には失業給付以外のさまざまな求職支援制度がありますので、ハローワークで問い合わせてみるとよいでしょう。すでに転職先が決まっている場合は、退職時に受け取った雇用保険被保険者証を新しい職場へ提出します。

失業保険

失業保険の手続き方法

失業保険は、一般に失業給付(基本手当)のことをいいます。退職した職場から、雇用保険被保険者離職者票と雇用保険被保険者証を受け取ったら、印鑑、自分名義の預金通帳、証明写真、身分を証明できるものなどの必要書類とともに、居所を管轄するハローワークで手続きを行います。

注意点

失業保険は、求職中の生活を支援するものです。ハローワークで求職の申し込みを行わなかったり(失業給付を申請する際には、最初にハローワークの求職申込をします)、病気やケガ、妊娠、出産、育児などで、いますぐ働くことができなかったりした場合は、受給できません。

また、退職理由が自己都合の場合、退職前の2年間に12ヶ月以上、勤め先の都合の場合、退職前の1年間に6ヶ月以上の雇用保険への加入が必要です。失業給付は、退職日から1年以内となりますので、できるだけ早めに手続きしましょう。

受給までの流れ

求職申込と失業保険の手続きをして、受給資格が決定されます。申込日から7日間は待機期間となっていて、7日から10日後に雇用保険受給者初回説明会があります。その後、申込日から28日後に失業認定の初回認定日があり、初回認定日から28日ごとに認定日があります。その都度、受給することになります。

離職理由について

まず申請時には、離職理由が重要となります。自己都合か、倒産・解雇などによる雇用先の都合や、やもうえない理由があるかです。受給資格が決定される際、離職票を見て決定されます。受給期間や給付制限にもつながりますので、正直に答えるようにしましょう。

待機期間とは

待機期間は、失業給付がなされない期間です。失業給付をもらうためには、待期期間を満了する必要があります。離職理由が自己都合であった場合、待期期間を過ぎてさらに3ヶ月間、手当が支給されない給付制限があるので注意しましょう。また、失業認定には、求職活動の実績が必要です。(認定日ごとに2回以上。自己都合退職の場合、給付制限期間にも、3回以上の求職活動が必要です。)不正受給は、発覚した場合厳しい処分があります。申請は正直に正しく行いましょう。

看護師免許について(更新、再発行など)

入職時には、看護師や保健師、助産師などの免許の原本やコピーの提出を求められることがほとんどです。業務に必要な資格を持っているのかどうか確認するためです。ここで気を付けなければならないのは、免許の更新や再発行が必要な場合です。

看護師資格は、一度取得してしまえば、定期的に更新する必要はありません、しかし、氏名や本籍地が変わった場合、免許の書き換えが必要です。また、破損したり紛失したりした場合は、再発行の手続きが必要です。氏名や本籍地の変更は、原則変更があってから30日以内に行います。手続きには3ヶ月ほどかかりますので、速やかに行うようにしましょう。

求職中で就業していない場合は住まいの近くの保健所(県庁などの場合も)で、就業している場合は勤務先を管轄する保健所で行います。手数料は書き換えが1,000円、再発行が3,100円となります。准看護師の場合は、それぞれの都道府県が所管する免許になります。都道府県によって更新手数料なども異なってきますので、事前に保健所などに問い合わせたほうがよいでしょう。

本籍地を変更しても、同じ都道府県内への引越しによる住所変更などで、戸籍の都道府県名や氏名に変更がなければ、手続きは不要です。