新生児集中ケア認定看護師とは

役割

新生児集中ケア認定看護師の役割は最新の知識と技術によって、リスクの高い新生児の身体的なケアと発達、親子関係の形成について支援することです。

早産や先天性の疾患があると健全に発達することが難しいため、親子関係をうまく築くことができないという場合もあり、新生児と家族の人生に多大な影響を与える可能性もあります。そうしたハイリスクな新生児のケアを専門に行い、早産や疾病に対する理解を深めて家族にもその理解を求める役割が求められます。NICUにおいて、ほかの看護師に対する指導を行う役割もあります。

求められる専門知識や技術

新生児集中ケア認定看護師には、新生児集中ケアという分野の特徴的な疾患について理解していることを前提として新生児の変化を予測し、状態の重篤化を防ぐと同時に安定させるための専門知識やスキルが必要です。

新生児に特有の疾患は成長すると起こりにくいものが多いため、新生児と接する機会が多い新生児集中ケア認定看護師にだけ求められるものは大きくなります。特に、新生児の在胎週数に応じてどのくらいの発達があるかについて理解し、状況に応じて専門技術を選ぶ判断力が必要とされます。

また、新生児のわずかな変化を見逃さない集中力や観察力、洞察力、急激な変化を予測することのできる応用力が資質として不可欠となります。

新生児集中ケア認定看護師になるには

資格取得方法

新生児集中ケア認定看護師になるにはまず看護師免許を取得した上で、新生児集中ケア部門のある部署で3年以上の看護実績を積む必要があります。

その中で、早産児か疾病のある新生児について、母親や家族の看護も含めて生後1週間以内の重症集中ケアを5例以上担当していることが必要です。できれば現在も、新生児集中ケア部門で働いていることが望ましい条件となります。

その後、新生児集中ケア認定看護師の教育機関に入学し、6ヶ月間の研修を修了することで認定試験の受験資格が得られます。基礎知識としてフィジカルアセスメント、新生児の臨床薬理、安全管理、ハイリスク新生児の親の理解などを学んでいきます。認定試験に合格してはじめて、新生児集中ケア認定看護師となることができます。

資格保有者数

新生児集中ケア認定看護師の資格保有者数は2011年の時点で237名となっていて、認定看護師の中では平均的な数となっています。

難易度・合格率

新生児集中ケア認定看護師の合格率は、100%に近くなっています。教育機関によっては、連続して100%の合格率を記録していたケースもあります。ただ、もちろん教育課程を修了していることが前提であり、その受験資格を得られるまでに教育機関の入学試験などもありますから、難易度が低いということはありません。

新生児集中ケア認定看護師の資格取得後

活躍できる職場

新生児集中ケア認定看護師が活躍できる職場としてはNICU、新生児集中ケア領域などが挙げられます。

NICU(Neonatal Intensive Care Unit)は新生児向けのICU、集中治療室です。「新生児集中治療室」と呼ばれ早産や低体重児、選定性疾患のある新生児を集中して治療、ケアするための場所です。まさしく新生児集中ケア認定看護師が活躍するための場所であり、1970年代から導入されています。

NICUが設置されている場合には、産婦人科や小児科とは分離・独立した新生児科、もしくは未熟児科という診療科目が設置されていて、こちらでも活躍することができます。

新生児集中ケア認定看護師の将来性

新生児集中ケア認定看護師の将来性については、少子化が進んでいることによってあまり良くないようなイメージもあります。しかしながら緊急性の高い出産というものは、増えている状況もあります。

産婦人科の数が減少傾向にある現在、いわゆる「駆け込み出産」といったケースも増加していて、そのため危険性の高い新生児も増えているのです。また、不妊治療から生まれた新生児には多胎児が多いほか体重が極端に重い、低いといったような異常が見られる場合も増えています。

新生児についての専門知識を持っている新生児集中ケア認定看護師の必要性は、増していくことが見込まれます。