思春期保健相談士とは

どんな資格?

思春期保健相談士は、思春期を迎えた子供達に対し専門的な知識を持ってサポートすることができる民間資格です。

思春期には家族や友人、社会からの影響を受けやすく、心と体がアンバランスであるため、1人で問題を抱えたり不安を感じたりする子供が多く、この資格を活かして子供達の問題解決を専門的な立場でサポートすることができます。

※平成15年から、思春期保健相談員という名称を思春期保健相談士に変更しています。

認定先

この資格を認定しているのは、一般社団法人 日本家族計画協会(JFPA)です。昭和29年に設立された民間団体で、行政と協力しリプロダクティブヘルスに関する事業を行っている団体です。

資格保有者数

思春期保健相談士の資格保有者数は8,219人(平成25年3月時点)で、医療や保健分野のみならず、行政や教育分野で活躍している人もいます。

難易度・合格率

思春期保健相談士の資格は試験方式では無く、JFPAが主催する思春期保健セミナーを修了することで取得することができます。このセミナーには、コースI(総論編)、コースII(各論編)、コースIII(実践編)という3つのコースがあり、これら全ての課程を修了する必要があります。

思春期保健相談士の資格を活かせる職場

思春期保健相談士の資格は、子供と接する機会の多い職場で活かせる資格です。この資格を取得する人の中には医師や看護師といった医療現場で働く人もいれば、教諭・養護教諭、少年補導員といった職業の人もいます。

医療分野では、心療内科や小児科・婦人科などで需要が高く、近年では保健所などの行政機関や司法機関などでもこの資格を活かして働く人が増えてきています。

思春期保健相談士の将来性

思春期は誰もが経験するもので、社会全体でサポートを行うことの重要性が見直されてきていることもあって、需要が高まってきている資格の1つです。

思春期の子供達との接し方は難しいと言われることもありますが、この時期に周りの大人がサポートしていくことで、犯罪に巻き込まれたり不登校になるのを回避できたりと、子供達の生活を守ることにも繋がるからです。

近年は、社会全体がメンタルヘルスケアに力を入れていることや、行政が思春期保健に注目していることもあり今後も需要は増え、長く活かすことができるでしょう。

資格取得者のお給料事情

資格取得者の給料については、職場によって様々です。この資格はスキルアップの1つとして取得するケースが多く、思春期保健を専門にする場合以外は資格の取得によって給料が上がることは少ないのが現状です。

心療内科や小児科、婦人科などでは資格を取得することによって手当が付く職場も見られますが、大幅に給料が上がることは少ない傾向にあります。そのため、思春期保健相談士資格を持つ看護師として働く場合、給料の平均・相場は、看護師の平均的な給料と同じか若干高めと考えておくと良いでしょう。

思春期保健相談士になるには《資格取得方法》

受験資格

思春期保健相談士の受験資格は、看護師や医師、助産師、保健師、養護教諭などの資格を持っていることです。そのため看護師資格を取得していれば、誰でも受験することができます。

審査方法・試験内容

思春期保健相談士の資格は、JFPAが主催する思春期保健セミナーを修了することで取得することができます。セミナーはコースI(総論編)、コースII(各論編)、コースIII(実践編)に分かれていて、コースIからコースIIIまで順番に全過程を修了することで、認定を受けることができます。

コースIIはコースIで学んだ内容をより深く学ぶことができる内容で、コースIIIはコースI・IIで学んだ知識を実際の現場で活かせるよう、ロールプレイングやグループ実習などを行って身につける内容となっています。

受験日程

セミナーは平成25年度では8月にコースI、9月にコースII、1月にコースIIIが開催されています。各コースはそれぞれ3日間で週末に行われ、コースIIIについては宿泊研修となっています。

費用・会場

セミナーの受講費用は、受講会場によって異なります。コースIの会場は東京と大阪の2ヶ所で、大阪会場は東京会場のセミナーを中継しての講義となります。東京会場で受講する場合は31,500円、大阪会場で受講する場合は21,000円が必要です。

コースIIは、東京会場だけでの開催であり、受講費用は31,500円となっています。コースIIIの会場は平成25年度では千葉県となっていて、受講費用として42,000円が必要とされるほかに宿泊費として27,300円が必要です。

・問い合わせ先

一般社団法人 日本家族計画協会
〒162-0843 東京都新宿区市谷田町1-10 保健会館新館
電話番号 03-3269-4727(代表)