内視鏡技師とは

どんな資格?

消化器内視鏡技師は、医師の監督指導のもと内視鏡を使った業務に携わる人に対して、消化器内視鏡に対する専門的な技能、知識を有するものと認定する資格です。

胃カメラなどをはじめとする近年の消化器内視鏡検査、診療の普及、進歩に伴って、内視鏡の取扱に対しては、より専門的な知識や技能が求められるようになっています。

消化器内視鏡技師は、内視鏡検査や診察の介助、内視鏡装置の管理、整備などを行います。また、検査予約、患者への検査の説明、撮影された画像などの資料の保管など、関連業務も行います。

胃癌をはじめとする消化器における癌に対する早期発見、治療において、内視鏡の果たす役割は高まっていて、消化器内視鏡技師は、医療分野において、注目されている専門資格のひとつということができます。

内視鏡室の仕事は病棟勤務に比べて体力的負担が少ないことから、看護師からも人気の勤務先になっています。

働いている人の中にはスキルアップのために内視鏡技師の資格を取得される方も多いようです。

認定先

一般社団法人日本消化器内視鏡学会が認定している資格です。日本消化器内視鏡学会の前身は1959年設立の日本胃カメラ学会で、胃がんの早期発見、早期診断を目的として設立されました。

現在では、食道、胃、十二指腸、大腸をはじめ、胆道、膵管など消化器における内視鏡検査の範囲は広まっています。また、消化器出血に対する止血、癌に対する粘膜削除など治療分野においても、内視鏡は威力を発揮しています。

資格保有者数

消化器内視鏡技師に認定登録されると、日本内視鏡学会員になることができます。専門医、指導医なども含めた日本内視鏡学会には、31,000人以上の会員が在籍しています。

難易度・合格率

内視鏡検査や治療における実務経験が必要となります。また、日本消化器内視鏡学会が認定する講義などを受講し、内視鏡の取扱をはじめとする消化器内視鏡についての専門的な知識や、医学的な知識などを身につける必要があります。

内視鏡技師になるには

受験資格

第一種消化器内視鏡技師対象者と、第二種消化器内視鏡技師対象者に分かれます。

前者は看護師、助産師、保健師、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師、衛生検査技師、臨床工学技技師など国家資格保有者、後者は准看護師となります。

受験資格として、消化器内視鏡を扱う部門における同学会専門医の指導のもとでの2年以上の勤務経験、同学会規定の講義を受講していることが必要です。

また、所属する病院や施設において、同学会専門医の推薦を受け、内視鏡従事者としての介助実績の証明を受けることや、過去5年以内に内視鏡取扱い講習会及び機器セミナー基礎編を受講していることも必要です。

審査方法・試験内容

受験申請された書類をもとに、書類審査(第一次審査)がおこなわれ、合否が通知されます。合格者は後日、学術試験、口頭試問を受けます。

学術試験は、消化器内視鏡全般に対する知識を問う消化器内視鏡学術試験(第一種対象者、第二種対象者)、解剖学、生理学、薬理学などの基礎的医学試験(第二種対象者のみ)からなり、試験日の午前中に行われます。

口頭試問は、試験日の午後から、第一種対象者、第二種対象者ともに行われます。資格は更新制で5年毎の更新となります。

受験日程

試験日時は、年1回、3月中旬ごろとなっています。受験申請書類を取り寄せ、受験申請手続きを行います。書類の取り寄せは例年、試験前年の9月下旬から可能となっており、申請手続き締切りは11月末日となっています。

遠隔地からの受験については、外部団体がホテルなど宿泊先の斡旋を行っています。受験要項に連絡先が記されていますので、利用するとよいかもしれません。

費用・会場

例年お茶の水・連合会館など東京が会場となります。受験料は5,000円となっており、合格者は資格認定登録料として別途10,000円が必要です。

問い合わせ先

日本消化器内視鏡学会

消化器内視鏡の資格を活かせる職場

病院の検査室や消化器系の病院、クリニック、診療所などが活躍の場となっています。

胃癌をはじめとする消化器系の癌については、早期発見、早期治療が望ましく、近年病気予防の観点からも検査の重要性は高まっています。消化器内視鏡においては、検査、治療の両面から、今後も果たす役割は大きくなっていくと考えられます。

最近では、内視鏡に特化した病院や内視鏡室を独立させている病院も増えてきています。

こうした消化器内視鏡の必要性、進歩、普及の観点から、消化器内視鏡について専門的な知識や技能を持った人材の必要性も、今後ますます高まっていくと予想されます。

内視鏡技師のお給料事情

消化器系の病院などでの勤務の場合、常勤の正看護師の月給相場は30万円前後となっています。また年収の平均では、400万円ぐらいとなっています。

独立した内視鏡室をもっていたり、日本消化器内視鏡学会の認定資格者が在籍していたりする病院などでは、給料も高くなる傾向があるようです。

内視鏡技師の資格取得のための転職

内視鏡技師の資格取得には実務経験が必要なため、働きながの資格取得を支援する病院などもあります。

資格取得を考えている看護師さんはそういった職場に就くことが出来れば、資格取得までのスピードを飛躍的にアップさせることができます。

転職先を選ぶときは、資格取得支援の状況や内視鏡技師の輩出実績などをしっかりチェックするようにしましょう。