急性期病棟と一括りにすると幅広く、多岐にわたります。入院から退院までを支援し、時に状態回復を持って他の病院に転院を行う患者さんもいます。

急病や、手術によるクリティカル期を過ごす患者さんの看護には何が求められるのでしょうか。時に一刻を争い、命の危険が潜む治療に挑む患者さんの求める看護や看護師に必要な知識についてまとめてみます。

必要な看護技術・知識

急性期病棟では、医師の指示による医療行為、患者さんの療養を支える生活支援があります。

各種検査や処置を行う事が多く、忙しく、業務量が多い特徴があります。

患者さんの異変に気付き早期対応できる力や、患者さんの回復を感じ、それに合わせた支援を行う事でより早期の回復が果たせるよう関わることが求められます。

状況判断能力

今、運ばれてきた患者さんの示す身体状況や、手術前後の患者さんの示す生命徴候を捉え、適確に判断し対処する力が求められます。

急変や状態悪化があり得る急性期病棟であり、観察力は重要です。

また、自分一人では対応できない緊急な場合は、その状況を把握し、多くの人を集め、状況を伝え、それぞれにサポートが得られるよう周囲の譲許を伝える力が必要です。

異常早期発見した際に、自分がパニックになって動けないと言う事が無いよう、客観的に冷静に対処出来る能力も必要です。

創部処置技術

術後患者さんや、怪我のある患者さんが入院する急性期病棟では、患者さんの創部を処置する事が多くあります。何の薬剤を用い、どの保護剤が有用かを判断し、早期治癒できるよう関われる知識が必要です。

また、その創部の状況により看護師判断でケアがなされることもあり、創部処置に関する最新の情報を知っておくことも必要です。

看護師の知識として、皮膚・排泄認定看護師の資格が立ちあげられたり、創処置に関する看護師の専門性を問うニーズも高まっています。

よって、傷や治療による切開で創のある患者さんが多い急性期病棟では、装具処置の技術や知識が必要です。

排泄ケア技術

周手術期における患者さんは、安静指示により排泄が自力で行えないことがあります。

羞恥心に関わり、デリケートな部分であり、配慮ある排泄ケアが必要です。また、患者さん自身、なるべくならこの部分の支援は受けたうない患者さんが多く、早期の自立に向けた関わりも必要でしょう。

おむつ交換技術、尿器や便器介助、膀胱留置カテーテル挿入や抜去技術を習得する必要があります。そして、その方の状態や安静指示介助により、安全な排泄自立への関わりたアセスメント力も看護師に求められる力です。

抑制技術

急性期、特に術後患者さんに多いのが、術後せん妄や、混乱、錯乱状態です。この状況では、正しい療養が叶わず、状態回復を妨げ、安定を阻害します。

よって、鎮静剤や安定剤の使用により精神状態の安定を図ったり、そうした後に抑制を行う事で、行動を抑制し、安静が図られるよう支援する事があります。

患者さんに苦痛と制限を掛ける関わりであり、配慮と尊厳を守れる関わりが必要です。みだりに実施するのではなく、その短時間の必要な時だけ実施される倫理観を持った対応が必要です。

そして、痛みが無いよう工夫し、出来る限り自然な状況で安静が中られる方法を考えられる知識、安楽な技術の習得が望まれます。

まとめ

急性期看護は、その状況や進行度、患者さんの意識や認識によりさまざまなリスクや危険性を持ち合わせた病棟です。早期回復、早期安定を図る為のケアが必須です。

コミュニケーションや気にかける配慮を行い、患者さんが安心して療養できるよう精神的フォローも大切です。状況を理解できない意識の低下した患者さんには、温かく、思いやり有る態度で接し、ストレスを与えない手厚い看護を行いましょう。

そして、理解を出来る方には、誠実に不安を与えない説明で、療養が適切に行われるよう支援していくことが必要です。患者さんの治りたい気持ちに寄り添える看護が急性期病棟には必要です。