小児科の仕事と言えば、子どもの笑顔や未来の希望を感じられる現場と思われがちです。

しかし、その治療は苦痛と恐怖の連続で、看護師の思いやりと温かみある看護が無ければその和やかな良い雰囲気はないと言っても言い過ぎではありません。

厳しい看護師や、医療職者ばかりでは、その笑顔は引き出せません。笑顔ある小児科は、良い医療と良い看護があると言われます。

成人医療、成人看護では通用しない小児科の世界で看護師に必要とされる知識や技術となどのようなものなのでしょうか。そして、その子の笑顔とは、そのような看護から引き出せるものなのでしょうか。

小児看護に当然についてくる保護者との関わりや保護者との協力によるケア実践についての実態をご存知ですか?子どもの特性と子供特有の疾患や身体機能を理解した看護ケア、保護者との関わりについて理解しましょう。

必要な看護技術・知識

小児科看護では、小児の特性を理解しておくことが重要です。

また、0歳から15歳までの幅広い、発達途中の子供相手の看護が求められる現場です。治療と言っても説明しても分からない子供が多く、その対応に困難輪を感じるケースもあります。

治療の説明力と説明技法

小児に対して一言で治療と言っても全く理解する事ができません。

年齢にっては、自分が行った悪いことの罰と捉えたり、これまでの治療経験から苦痛と判断し拒否したり、願えば辞めてもらえると考えている小児もいます。

その子の知的レベルや経験、発達段階を理解し、その治療の方法や必要性を理解できるよう説明する力が必要です。

同じ検査や治療でも、年齢や理解力により説明方法を変化させなければなりません。難しい事をつらつら言っても理解できません。

単語でも伝えられる方法、時に絵にかいたり、物品を見せるなどして了承を得てからの治療やケア実践を図れる説明力と説明のバリエーションを弁えていく必要があります。

発達段階的アセスメント力と生活支援

何歳で、どの程度の事が理解でき、日常生活的な部分で出来ること、出来ないことがあると言う根本を理解しておかなければなりません。

0歳児に、身体を綺麗にする能力はありませんので、清潔ケア全般を支援する必要があります。

しかし、15歳児においては、基本的日常生活の自立は図れるため、清潔ケアを行う状況を設定すれば、自分で出来る為、準備のみ行う等と言う年齢や発達段階によるケアの変容が必要です。

よって、一人一人の特性や日常生活行動の習得レベルをアセスメントし、自立を促した支援により清潔、排泄、食事、移動などの基本的動作の支援や助言が行える知識や技術が必要です。

保護者との協力とメンタルケア

治療には、保護者の協力が必須です。看護師がいくら説明しても納得できない事も、母親や父親の力で頑張れる子供も多くいます。

保護者との信頼関係構築出来る対応力と、コミュニケーションスキルにより、協力体制を創り上げる力が求められます。

また、子供を病弱に産んだという申し訳なさや自責の念を抱える保護者に対し、精神的支えとなったり傾聴姿勢で関わる事で、メンタルケアが行える事も求められます。

時に、子供の治療が見ていられないと見舞いから遠ざかる保護者もいます。そのような保護者に対する心の支えとなれる存在となれる対応力も求められます。

まとめ

小児科での治療を円滑に行うには、子供と保護者との関わりが重要と言えます。

信頼関係の強化により、治療効果を高められると言う事が言え、看護師の誠実さや親身な姿勢がこれを強固なものにすると言えます。

また、子供に対して誠実と言う事が最も重要と言え、痛い処置に対して「痛くないよ」と嘘をつくような看護師は求められません。

痛いけれど、頑張れる気持ちを高められる言葉掛けや対応が出来る看護師が求められます。