泌尿器科と言えば、尿路系の疾患や、前立腺、腎疾患等を主とする診療科です。

初めは軽症であっても、正しく治療されなければ大ごとに至る疾患や、癌や腎不全などにより命を脅かす疾患もあります。

なにより、腎臓系の代謝・排泄に関わる診療科である為、適切な診断と治療、そして、看護師による療養支援や自己管理が出来るよう教育支援が必要となる診療分野です。

そして、頻尿や尿漏れなど、日常の生活にストレスや不快を感じる症状などにも対応する分野で、治療や看護の結果が患者さんの喜びや安度に繋がる支援もあります。

では、泌尿器科における看護師の役割や必要技術、知識について理解しておきましょう。

必要な看護技術と知識

泌尿器科では、安楽と快適性を維持できる看護ケアと、安心して療養できる環境づくり、セルフケア意識を高められるコミュニケーションや教育法の実践力が問われます。

過活動膀胱に対するケア技術

過活動膀胱とは、尿意が抑えられない、頻尿で困る等とい症状で来院する患者さんに多い疾患です。

いつも尿意が気になり、トイレに言った後もすっきりする事が無く、またすぐにトイレに行き、時には日常生活がトイレに始まりトイレで終わると言った、自分でも嫌になる苦痛を伴う症状です。

骨盤庭訓の低下や前立腺肥大、脳血管障害の後遺症などが原因となることがあり、患者さん自身の苦痛が心配です。

過活動膀胱に対する看護師に火うような知識は、生活指導を行う知識が必要です。

カフェインやアルコールの制限、水分摂取量の観察と多い場合の制限といった生活スタイルの改善や、骨盤底筋郡に対する運動、膀胱訓練などの知識が必要です。

精神的苦痛を伴ったり、羞恥心に関わる内容の症状である為、充分な配慮する気持ちを持って不安や疑問に答える姿勢が必要です。

看護師の中には「さっきトイレ行ったでしょ」と言ってしまう看護師もいますが、それも患者さんにとってストレスとなり、症状悪化の原因ともなる為、厳しい目線やきつい言葉をかけることは禁忌です。

エコー検査の介助

腹部内臓器の診断には、超音波検査であるエコーを用いられることがあります。

検査自体は医師が行う為、看護師はその介助に付きます。

医師の指示する体位を患者さんがとれるよう、説明したり体位変換枕やクッションを用いてその体位が安楽に保持できるようサポートします。

看護師は、どの体位にはどのような枕が適切か、患者さんの身体的特徴からどのようにすれば安楽かと考える知識も必要です。

そして、エコーの機械が必要な時に、さっと使用できるよう管理や保管をしておく必要があります。

エコーに使うゼリーや記録紙の補充といった準備も看護師に必要とされる仕事です。

骨盤底筋郡運動の理解

骨盤底筋の低下による尿失禁や過活動膀胱の悪化、前立腺肥大症状の悪化を阻止するために、看護師は患者指導ができるよう知識付けが必要です。

このような症状に悩まされる患者さんの骨盤底筋に対する評価を行い、その度合いに応じた筋力強化指導を行います。

また、この運動はすぐに症状改善に至らないことが多く、継続した運動が必要です。

継続されるような精神的支援と、頑張りを評価する関わりで、諦めることなく続けることを支える支援者としてのコミュニケーションや指導技術が求められます。

まとめ

泌尿器科にかかる患者さんの多くは、高齢者であったり、男性が多い特徴があります。女性の看護師になかなか言いづらい症状や状況など、羞恥心に関わる内容であることが多いです。

そのため、患者さんが恥ずかしいと感じないような訴えやすい雰囲気と態度で、思いやりと配慮ある対応が求められます。

また、尿路感染や清潔さを欠いた為に起こる疾患もあります。看護師は、陰部の清潔ケア等の技術や知識についてもあれば有用です。