看護学生時代の臨床実習や、学内実習でもっとも早期に指導や教育を受ける内容の看護技術が、環境整備や環境調整という内容ではなかったでしょうか。

患者さんの快適性にもっとも関与し、安全に、そして気分よく療養していただくために周囲の環境を整えます。

また、日常とは異なる入院環境という中で、通常起こり得ない転倒や転落などの事故を起こさないためにも、環境の整備が求められます。

運動器系に問題のない療養者でも、自宅ではない療養環境では、転倒や転落事故の危険性がありますし、ましてや、運動器系に問題があったり、認知力に問題がある、手術後などによるラインやルートがたくさんあるような患者さんは、そのリスクが高まります。

では、患者さんに暮らしやすい療養環境を提供するための技術について学んでみましょう。

安全面を確保するための環境整備

入院中患者さんは、いつもと違い生活環境をなり、転倒や転落のリスクがあります。よって、ベッドや床頭台、オーバーテーブルなどのストッパーがきちんと停まっているかを確認します。

また、床や壁に不要なものを終えていないか、患者さんの躓くようなものを床においていないかを確認し、有れば、その不要物を片付けます。

そして、床が濡れていないかも重要な確認事項となります。

快適さを確保するための環境整備

患者さんは、その環境で生活しなければならない為、患者さんの不快にならない環境調整が必要です。不快な状態の療養環境は、患者さんのストレスの原因となり、ストレスによる健康被害をこうむることがあります。

空気の清浄化(空調を含む)、室温や湿度管理、騒音が無いかを確認し、不快となるような状況であれば空気を入れ替え、エアコンや空調で室温や湿度を管理します。

そして、騒音があれば、その原因を究明し、対処できる騒音であれば(医療機器のアラーム音など)、騒音の原因を対策し、出来ない周辺工事過度の音に対しては、窓を閉めて空調で室温などを管理する等の対応を取ります。

また、尿器や便器、ポータブルトイレを使用している患者さんは、臭気が気になります。

尿器や便器を新しいものに替えたり、ポータブルトイレ内に排泄物があれば、捨てる、尿器やオー他ブルトイレ等を綺麗に拭いたり、消毒することで臭いに対する対策も行います。

そして、シーツやリネンの不潔さも不快に関わり、汚れているリネンやシーツは速やかに交換し、気持ちよくベッド生活ができるよう支援します。

また、シーツが汚れていなくても、シーツや理念のしわをのばしたり綺麗に見えるよう配慮します。

個別性のある環境整備

患者さんによっては、麻痺や身体の機能低下により、ベッドや床頭台、オーバーテーブルや点滴台などの位置に注意が必要な患者さんもいます。

右麻痺の方に右方向の物品配置は活用困難です。そのため、左に位置したり、患者さんの意見を取り入れた物品配置を行います。

また、患者さんの身体的特徴や精神状態、性格、患者さんのこだわりにより、その方に合う環境整備が必要です。

ナースコールやテレビのリモコンなどを探していて転倒や転落するケースもあります。患者さんに必要な小物類は、患者さんの使いやすい位置に、いつでの使える状態においておくことも必要です。

まとめ

病棟と言っても、患者さんの生活の場です。環境整備をする時は、患者さんの同意を得て行うようにしましょう。

また、貴重品などは患者さんに持っておくよう依頼し、環境整備をした為に何かが無くなった等というトラブルが無いよう配慮しましょう。

患者さんにとって、入院という環境はそれだけで不快で不愉快な環境です。よって、その不満足感を高めないよう、快適に安全な療養環境調整を行います。