脳梗塞はその成り立ちから、何種類かに分類されます。その概要と看護のツボをそれぞれご紹介します。

アテローム血栓性脳梗塞

脳血管の内腔が動脈硬化の原理によって少しずつ狭くなり、ついには詰まってしまうことで発症します。

アテローム血栓性脳梗塞看護の着眼点

まずは発症した血管の支配領域を把握しましょう。起こりうる麻痺の範囲、機能障害の種類を予め知っておくことで異常の早期発見ができます。

また、発症前の前兆としてTIA(一過性脳虚血発作)が起こりやすいのがこのタイプです。発症後も症状が変化しやすいので、バイタルチェック毎に四肢の動きなど症状の程度を細かくチェックし、記録に残しましょう。

アテローム血栓性脳梗塞看護のツボ

この脳梗塞を起こす患者さんは大抵、高血圧や糖尿病など既往症が複雑です。脳梗塞のみを追うのではなく、既往症に関する各種データにも乱れがないか注意しましょう。

心原性脳梗塞

主に心房細動という不整脈により心臓内にできた血栓が、脳の大血管に飛んで詰まることにより発症します。前述のアテローム血栓性脳梗塞と同様、血管の支配領域が広範囲のため、重大な後遺症を残すことが多い疾患です。

また、詰まっていた部位に血液が再灌流することで血管が破綻し、梗塞巣内に出血を起こす出血性梗塞にも要注意です。症状の悪化に注意し、認めたらすぐに報告しましょう。

心原性脳梗塞看護のツボ

心房細動のコントロールは脳梗塞の再発予防に欠かせません。心房細動が慢性なのか、一時的なものなのか、コントロールがついているのかを確認しましょう。

モニターのついていない方でも、バイタルチェック時には脈の整不整を確認し、記録しましょう。

ラクナ梗塞

脳内の細い血管が徐々に詰まることにより発症します。

上記2種類と違い、細い血管なので症状も軽いことが多いですし、リハビリによって回復しやすいことも特徴です。

ラクナ梗塞の看護のツボ

このタイプの梗塞は小さいですが多発していることが多く、患者さんにも様々な症状が見られます。認知面の低下や軽度の麻痺による転倒などの事故が起こりやすいので、患者様の行動には十分注意しましょう。