肺癌は、大きく分けて2種類に分類されます。

肺癌は日本人の全癌死亡原因の第一位であり、早期発見でなければ完治が困難です。生涯にわたり複雑な治療と、それに伴う強い副作用と付き合っていかなくてはいけません。

ここでは、それぞれの概要と看護のツボをご紹介します。

肺癌の種類

小細胞性癌

進行が非常に早く、症状が出てからの発見では既に他臓器への転移が認められることの多い癌です。手術療法の適応がなく、化学療法と放射線治療の組み合わせで治療していきます。

非小細胞性癌

リンパ節や原発巣以外に転移がない状態では手術による根治が可能です。ただ、それより進行してしまうと化学療法・放射線治療の併用により治療を行います。

肺癌の治療法

化学療法

薬物の選択毒性を利用して、特定の癌細胞の減少や体内から消滅させることを目的に行われます。治療中は白血球の減少に伴う易感染状態や、血小板の減少に伴う出血傾向など、日々の生活への繊細な注意が要求されます。患者様の理解度も含め、長期的に介入します。

また、抗がん剤の毒性を理解し、ダブルチェックはもちろんのこと、投与中の漏れや看護師自身の被曝にも十分注意しましょう。

放射線治療

良くも悪くも全身に影響を及ぼす化学療法に比べ、病巣局所を狙って照射・治癒を目指すのが放射線治療です。局所とはいえ、照射部位内に入ってしまう正常組織への影響が大きいのが弱点で、特に晩期障害(潰瘍や放射線脊髄炎など)は不可逆的になりやすいことから効果とのバランスをみながら施行されます。

看護のツボ

風邪様の呼吸症状から、急に癌と宣告される患者さんの受容はとても困難なものです。また、患者さんやご家族にとって「手術ができない」ということはそれだけで不安や先の見えない治療への戸惑いにも繋がります。

放射線治療や化学療法は副作用が多く、経過の長いつらい治療です。患者さんのステージと治療計画を正確に把握し、求められる情報を丁寧に提供しながら寄り添う姿勢での看護が求められています。