ドクターヘリに乗って急患などのケアをするフライトナースになりたいと思っている看護師の方は多いようです。

ドラマなどでも取り上げられることが多く、それを見たのがきっかけという人が増えているためです。しかし求人情報を見ても、フライトナースの募集はめったにお目にかかれないはずです。

フライトナースになるためには何か選考基準があるのかについてみていきましょう。また年齢が上になると就職に不利になるのか、年齢制限のようなものが存在するかについても検証します。

フライトナース委員会の選考基準

フライトナースになるための選考基準ですが、日本航空医療学会という組織の中にあるフライトナース委員会というところで設定しています。

その基準ですが、以下の3つの項目をクリアしていることと決められています。

1つ目は看護師経験が5年以上あること、そしてその中でも救急看護師としての実務経験が3年以上あることという条件です。

この基準を満たしていなくても、同等の能力があれば基準を満たしていると判断されます。またリーダーシップ能力のあることも最初の条件に加味されます。

2つ目の条件は、ACLSプロバイダーとJPTECプロバイダーの資格を取得していること、もしくは同様の知識やスキルを持っていることが条件となります。いずれも救急処置の実践的な能力のあることを証明するための資格になります。

最後の条件は、ドクターヘリ講習会を受講していることです。ドクターヘリ講習会は、フライトナース委員会の属する日本航空医療学会が主催しているものになります。

少なくても以上の条件を満たさないと、フライトナースとして採用されることはないでしょう。

またドクターヘリを有する病院に採用されることになりますが、これ以外にも病院で個別にフライトナースになるための要件を加えているケースもあります。

たとえば幼児用の救急医療の講習を受講するなどの条件です。これは病院ごとに条件も変わってくるので、事前に選考基準の確認をしておくと良いでしょう。

学歴は関係なし

看護師になった人の中には、いろいろな学歴の人がいるでしょう。

4年生の看護大学を卒業してからというケースもあるでしょうし、短大や専門学校を卒業して看護師免許を取得した人もいるはずです。この学歴によって、フライトナースになれるなれないが決まると思っている人もいるかもしれません。

しかし学歴に関しては、フライトナースの選考基準には含まれないので安心してください。どこを卒業したかよりも、救命救急外来など現場での経験をきちんと積み重ねているかの方を重視します。

基本的に年齢制限は無いが、体力が必要

フライトナースの選考基準として、具体的に年齢に関する制限は設けられていない病院が多いです。

ただし年齢が上になると体力的な問題で、フライトナースとして採用するのを躊躇される可能性があります。というのもそれだけフライトナースの仕事はハードだからです。

フライトナースはドクターヘリに乗って患者の応急処置や医療機関までの搬送を実施する仕事の他にも、救急外来での業務もあります。

たとえばドクターヘリに乗った当日に夜勤を担当しなければならないとか、夜勤明けでドクターヘリに乗るといったこともシフト上あり得ます。

またドクターヘリに乗るのは、スタッフのローテーションで回しています。シフトが来てもその日1日全く乗る機会がないというケースもあれば、何度もドクターヘリで往復することもあります。

とうに飛行機の墜落や爆発事故のような多大な被害が出る場合には、何度もドクターヘリの出動要請が来るものです。中には1日7回もドクターヘリに乗ることになったという体験談も紹介されているほどです。

一刻を争う深刻な患者の乗ることの多いドクターヘリは、いつでも緊迫した状態になります。そのヘリに乗って何往復もするとなると、それなりの体力が必要です。

ですからあまり年齢が上になってからフライトナースを志望しても、希望通りにはならないかもしれません。