外来看護師の仕事内容

医師の診療の補助

外来勤務の看護師は、朝の準備から仕事が始まり、予約をしている患者さん全ての情報を把握し、何のために診察に来るのか、処置は発生するのか、緊急入院する必要はあるかなどを査定し、必要時には直接患者さんと話をすることで医師と患者さんとの橋渡しをします。

待合室で待っている患者さんの様子を観察しながら、検温や血圧測定の必要性を判断し、結果を医師へ報告・スムーズな診察へと繋げます。

また、どのようなことを診察して欲しいのかということをあらかじめ患者に確かめておくことも、診察時間の短縮にもなり、他の患者の待ち時間短縮にも繋がります。

外来にはいろいろな人がやってきます。高齢で自分の体を定期的に診てもらうために病院に通う人、慢性の病気を抱えている人、一見すると病気ではないように見える元気な人もいます。ですから、お店でお客さんを迎えるような感覚で患者に対して接することが求められます。

また、検査機器の準備や受付業務をこなし、スムーズに診察が進められるように様々な業務を請け負っています。カルテや伝票の整理などの雑務も多く、外来の看護師の仕事の幅はとても広いですが、それは全て診療の補助に繋がります。

クレームの対応

外来の勤務で一番悩むところは、患者さんとのコミュニケーションです。

体調が優れないのに長い時間待たされる患者さんはフラストレーションが溜まり、「子どもが泣いて大変なので早く診察して欲しい」「高齢で体がしんどいので早めに診察して欲しい」などと訴えてきます。

クレームになる前に、現在の診察の進行状況などを患者さんへ説明し、順番を待つことについて納得をしてもらえるように対応するのも、外来看護師の仕事の1つです。

広く深い知識で患者へ情報を提供

外来に来る患者さんが抱えている疾患はそれぞれ異なり、さらに抱えている悩みも違います。

「先生には聞けないけど、看護師さんには聞ける」とか、「先生には内緒だけど、これならやっても良い?」など様々な悩みや相談事を打ち明ける人、自分の病気について不安で看護師に質問をしてくる患者さんがいます。

また、自宅での過ごし方・挿入されている管類の管理方法など看護指導が必要なケースもあります。

そんな時は、自分の看護師としての経験や、広く深い知識で患者さんに情報を提供し、的確に回答することが求められます。

勿論、医師の判断なしに勝手に答えることの出来ない内容もありますが、患者さんの前では不安な顔を見せず堂々とした態度でいることも重要です。

クレーム対応とも重なりますが、フラストレーションの溜まった患者さんに対して、注射や点滴の時に看護師が戸惑い動揺していては余計にイライラとさせてしまうこともあります。

広く深く、専門性の高い知識を備えておくことも、外来看護師の重要な仕事です。

患者が理解できるような細かな説明

「インフォームド・コンセント」という言葉をよく耳にするようになりましたが、医師の説明と患者の同意が治療を進めていくうえでは重要です。

患者さんに聞くと、医師の前では緊張してしまい説明を受けても理解していないことが多くあります。

そのような時は、看護師は医師の説明の内容はどういうものだったのか患者さんと確認し合い、患者自身に理解させる必要があります。

医師と患者さんとの間に入り、患者さんの分かる言葉で何度でも説明をし、理解・納得してもらえるように働きかけます。

病棟へ情報提供

外来での医師の診察の結果、緊急入院が必要となる場合があります。その際は、患者のADL、理解力、これまでの経過、家族背景など、治療を行っていくうえで重要な情報を全て的確に病棟看護師へ申し送る必要があります。

病棟の看護師が的確な看護ケアを提供できるように、双方が必要とする情報を共有することが必要になります。

必要な情報・不必要な情報を選別する能力も問われてきます。

外来での検査・処置の介助

最近は医療技術も進歩してきているため、外来であっても内視鏡検査や日帰りの手術・がんの化学療法などを行えるようになってきました。

そのため、外来看護師にも検査・処置の介助という仕事が増え、専門性の高い技術が必要となってきました。

現在は、内視鏡技師という資格取得も人気があり、時には専門的で深い知識も持ち合わせておかないといけない場合もあります。

限られた時間を有効に活用する

病棟勤務と違うところは、限られた診療時間の中でいかに効率よく診療を終えることができるかということも重要な課題の一つです。

作業効率をいかに上げて、時間をどうやって使うかというのも外来の看護師の手腕と言えます。

しかし、中には診療受付終了時間ギリギリに来院する人もいます。そういった人が点滴を受けるとなると、そこで長く時間がかかってしまい勤務時間内に仕事が終わらないということもあります。

外来看護師は、夜勤はほとんどありませんが、総合病院などではローテーションで時間差の勤務を設け対応している施設もあります。

外来看護師は病院の顔

患者さんが病院に到着し、最初に関わる医療従事者は外来看護師です。

その看護師が、優しい顔で丁寧に対応してくれたら患者さんは少しホッとします。逆に、慌しく顔も見ないで話をされたら「なんだか感じ悪いな」と思わせてしまいます。

外来の看護師は、その病院の顔です。その対応によって病院の印象が変わって来ます。

近年では、患者自身が病院を選んで通院する、いわば病院もサービス業です。

患者に選んでもらえる病院、安心して通院できる病院、任せられる病院と考えてもらえるよう、外来看護師は病院の顔として、いつも笑顔を絶やさず患者の立場で誠意のある看護を提供する必要があります。

外来看護は、病棟と比較すると自分の自由な時間も多く確保でき、体力的にも楽だと思われがちですが、病棟看護師がしていないような業務もあり、幅広い知識が求められています。

外来勤務には外来勤務の大変さ・難しさというものがあるのです。