20代 女性

新人で入職し5年目を迎えました。入職後からずっと急性期病棟勤務でしたが、現在は緩和ケア病棟に異動となり3ヵ月が経ちました。

急性期病棟にいた頃は、毎日がバタバタと過ぎていき患者さんとゆっくり向き合って話が聞きたい、看護がしたいという理想と現実のギャップに悩んだ時期もありました。

緩和ケア病棟では、一人ひとりの患者さんとゆっくり向き合うことができ、患者さんの声もしっかりと聞くことができます。患者さん自身、残りの人生がどのくらいなのか十分理解しているので、自分らしく生きようという気持ちが非常に強いです。悲観的や後ろ向きな考えではなく、常に前向きで明るく笑って生きていこう、希望を持って生きていこうという患者さんたちばかりです。

私達看護師は、患者さん一人ひとりがその人らしく人生が全うできるようにサポートします。患者さんの声に耳を傾けコミュニケーションを取り、患者さんの気持ちを汲み取りサポートしていますが、私は患者さんのために何ができるだろう、何をしてあげられるだろうと、悩んだり不安になったりもします。

そんな時に助けてくれるのは先輩看護師と患者さんです。まだ若く経験も浅い私に色々なことを教えてくれます。患者さんから学ぶことは非常に多く、逆に励ましてもらうこともあり、緩和ケアをもっと勉強したい、役立ちたいという気持ちが日に日に強くなっています。


30代 女性

約5年間訪問看護を経験後、緩和ケア認定看護師となりました。訪問介護に携わっていく中で、患者さんが病気と共に生きることは何も特別なことでなく、病気とうまく付き合いながら生きていくこと、老いや死も自然な流れの中のひとつだということに気づかされました。

このことがきっかけで緩和ケア認定看護師を志し、患者さんの大切な時間に寄り添う看護を目指しています。

チーム一丸となって、患者さんの体や心の辛さを少しでも和らげ、残りの時間を快適に過ごしていただけるように頑張っています。患者さんのご家族の声も聞きながら、患者さんとご家族の支えになれるようにしっかりサポートしていけるようになりたいと思います。


40代 女性

現在、緩和ケアチームのリンクナースとして勤務しています。私達看護師は患者さんにとって一番身近な存在でもあり、一番多く接しています。患者さんとのコミュニケーションを密に取り、患者さんの安楽に対して常に敏感でいるように心がけ、少しでも患者さんの苦痛が軽減できるように早めの対応をしています。

患者さんやご家族の声や希望を主治医やチームに報告したり、麻薬の管理や使用方法、副作用の対処法などの勉強会も行っています。また、がん患者さんへの対応で困ったり、悩んだりした時など看護師に対しての相談役になることもあります。

まだ経験の浅い看護師の場合、してあげたいことがうまくできない、患者さんの役に立っているのか、死と向き合う患者さん達を毎日見ていますので精神的に負担になって辛くなってしまうこともあります。

今までの私の経験が少しでも後輩看護師に役に立てれば、緩和ケアは決して辛いことばかりじゃないということを教えていきたいと思っています。


50代 女性

緩和ケア病棟で看護師長を務めています。私自身も病棟に出て、直接患者さんからの声に耳を傾け、コミュニケーションを取っています。話すことはたわいもない話です。その会話の中から患者さんの心情を察し、ケアに役立つヒントを得ています。

日々の生活を快適に過ごせる空間づくり、季節ごとのイベントなども行い、少しでも患者さんの心を癒せればと思っています。

一般病棟とは違う点も多く、異動してきた看護師は戸惑うことがほとんどです。壁にぶつかることも多いため、教育体制も十分に整え育成を行っています。

緩和ケアは看護師だけでなく、家族の理解と支えが必要です。ご家族が不安に思っていること、辛いと感じていることもしっかりと聞き、ご家族に対してのサポートもしっかり行っています。緩和ケアは人間的にも成長できる場です。看護の質を高めるだけでなく、看護師として、ひとりの人間として後輩には成長していって欲しいと願っています。