大学病院では中途採用枠が多く取られている

即戦力が欲しい!

中途採用には、進学や就職のために都会に出て看護師となっていた人が故郷に戻ってきたUターン就職、結婚や妊娠、出産を機に離職した看護師が復職するパターンが当てはまります。

こうした中途採用枠を大きく取る理由は、即戦力を雇えるからです。大学病院は基本的に教育機関としての役割が大きく、採用するナースに対しても教育制度によって支援を行っています。

大学病院と言うと、新人ナースが最初に入職する場所であることが多く、即戦力が少ないという事情を抱えています。その点、中途採用枠で採用するナースは、一定の経験を積み、知識と技術とを得ているため新人ほど手間暇をかけずに即戦力となってくれ、現場の看護レベルの均一を保てます。

大学病院側としても経験のある看護師の復職は有難く、貴重な存在として採用していきたいと思えるため支援の手を惜しまないのです。

患者さんと向き合うナース本来の仕事をしたい人

他の職場を経験し、やっぱり「ナースのお仕事」がしたいと考えているタイプが採用されやすい傾向にあります。

大学病院は雑務はそれぞれ担当部署や専門スタッフがいて、看護業務に専念し出来、雑務に時間を取られることなくナースとして看護の質を高められます。

スペシャリストを目指している人

上記の通り大学病院は教育機関としての機能が充実していて、ナースが学んでいくことを推奨していく立場にあります。そのため、キャリアアップやスキルアップを目指し、将来何らかのスペシャリストになりたいという目標を掲げたナースに対しては手を差し伸べようとする傾向が見られます。

実際に採用された後も学習環境が整っているため、専門看護師や認定看護師を目指す人にとって喜ばしい環境です。

特に大学病院では最先端の医療技術、看護技術を導入していくため、最先端の知識と技術とを得られやすく、自らの技能を高めるチャンスがいくらでもあります。

そうした学習熱心で好奇心旺盛な人材こそが採用されやすく、望めば専門教育を受けられる設備と職場の理解があり、スペシャリスト育成に熱心な職場なのです。

ジェネラリストを目指す人材を採用する

スペシャリストは一定の分野に秀でた専門家で、ジェネラリストは複数の分野を広く学び、広い視点で仕事をする人です。

一般企業では総合職、医師なら総合診療医、ナースならジェネラル・ナースと呼ばれます。広い知識を持ち、医療の現場で症状を問わずに看護ケアできるナースのことで、将来的にスペシャリストを目指すか、ジェネラリストを目指すかは大きな分かれ目となります。

病院側が求めるジェネラル・ナースとは、自分で考えて行動ができる自立した人です。よってジェネラル・ナースを目指す人材として、自立した精神を持つ人を採用する傾向にあります。

ジェネラル・ナースを目指す人にとって、大学病院は10以上の診療科目を持ち、特定機能病院として認可を受けているため勉強するための職場にぴったりなのです。同じ病院の中で複数の診療科を移動し続ければ、複数の診療科について学んでいき、知識と技術を得難い経験を積んでいくことが可能です。

これは個人病院やクリニックでは出来ない経験で、転職のたびに病院のシステムごと覚え直す手間が省けてナース側からすれば喜ばしいメリットとなります。

大学病院側としては、異動を喜んでくれる人材として迎え入れられることもあり、やはり双方の利害が一致して採用されやすくなるのです。