形成外科で働く看護師のメリット

様々な症例や治療に携わることができる・経験できることが多い

形成外科の対象となる部位は全身であり、対象年齢も子どもから高齢者まで幅広いため、病気が発生している場所や形状、病態などでも1つ1つ症例は異なります。

更に、類似した症状であっても、治療をするうえで年齢や性別、容姿を考慮し、その人に適した治療法を患者さん自身と相談し決定していくため、それだけでも症例はすべて異なってくるのです。

例えば、若い女性であれば容姿を気にし、

「火傷跡を分からないように治して欲しい!」という願望があるかもしれません。

それとは逆に、高齢の男性であれば、

「火傷が治れば跡なんて少しくらい残ったって構わない」と考える人もいるかもしれません。

そのため、様々な治療法を把握している必要もありますし、それぞれに応じた看護も必要になってくるのです。

知識やスキルも身に付けることができる

上記に記載したように、様々な治療法・それに応じた看護を学ぶことが出来る他、形成外科では患者さんの心のケアにも深く携わる機会が多くあります。

心のケアについては他の診療科でも必要となる場面は多くありますが、特に形成外科では、事故や怪我による外傷・生まれつき持っている体表面の異常のせいで辛い思いをしている人も多く訪れます。

人から言われた何気ない一言で、「人と関わるのが怖い」、「家から出られなくなってしまった」など深刻なケースもあります。

このような患者さんの悩みを解消してあげられるのも、形成外科での治療であり、そこで働く看護師の力によるものだと思います。

外傷や体表面の異常を治して容姿に対するコンプレックスを取り除き、社会復帰したり、自分に自信を持たせるような精神面への介入も、形成外科で学べるスキルの1つです。

患者さんの苦労や辛い気持ちなどを理解して治療に励むことができるようケアすることは、どこへ転職するにしても重要なもので看護師として働くうえで不可欠なものです。このような機会に恵まれている環境であるため、自然と患者さんを理解しサポートする姿勢を身に付けることができます。

QOLの向上を支えることができる

形成外科では、事故や怪我による外傷、顔面の骨折などの治療を行いますが、これらによって生じる傷跡などをできるだけ目立たなくする治療が行われています。

がんの切除によって失った組織の再建、顔面のシミの除去なども行っており、他の診療科のように健康を損ねた人が健康になるための治療というよりも、生活の質を向上させるための治療を行う場です。

治療し改善したことにより、「外に外出する機会が増えた」、「もっと人前に出たい!」など患者さんの社会生活の範囲を広げ、QOLの向上にも繋げることができるのです。看護師にとって、こんなにもやりがいを感じ、患者の社会復帰が嬉しいと感じることは他にありません。

形成外科で働く看護師のデメリット

覚えることが多い

メリットとして、様々な症例や治療の経験を積むことができると記載しましたが、逆に言えば覚えることが多いというデメリットにもなります。

この点をどちらに感じるかは、人によっても違います。

例えば、特定の病気の治療に携わったり特定の診療科で長く勤務したりして、その分野の専門知識やスキルを持ったナースとして活躍したいという人にとっては、思うような仕事ができないと感じてしまうでしょう。

また「現在よりも年収アップを狙うために転職を検討している」という人にとっては、形成外科への転職はデメリットとなることが多い傾向にあります。

というのも、ここで働くナースの年収は一般的な看護師の年収とほぼ同額であるためです。職場や担当業務によっては、手当が付いたり基本給が高く設定されていたりする場合もありますが、このようなケースはそれほど多くないのが現状です。