20代 女性

私は看護学校を卒業して最初の職場が脳神経外科の病棟で、2年ほど勤務しています。ここでは同じ病気の患者さんでも症状や状態が異なるので、それぞれの患者さんに適した看護が求められる職場です。

脳神経外科に配属されることが決まった時は、きちんと仕事をこなせるか、うまくやっていけるのかとても不安でした。しかし先輩ナースの患者さんへの対応を見ていると、とてもやりがいのある仕事なのかもしれないという感じがして、ここで働くことが楽しみでもありました。

実際に仕事をして一番難しいのは、患者さんとの意思疎通です。というのも、脳神経外科に入院している患者さんの多くは、言葉を話せなかったり自分の気持ちや思いをうまく話せなかったりする人が多いためです。この点は、他の診療科にはあまり見られないので、初めて配属される看護師にとってはかなり戸惑うかもしれません。

ですから、看護師から積極的に話をして、それに対して患者さんがどのように反応するのかを注意深く観察するところから始まりました。まばたきだったり手を動かしたり、文字を書ける場合には筆談をすることもあります。このように戸惑うことも多いながら学ぶことも多く、自分が少しずつ成長しているのを実感できます。


20代 女性

私は、脳血管内科で勤務するナースです。主に脳卒中の治療を行っており、脳卒中の原因となる動脈硬化の治療なども行います。

元々、脳神経内科への配属を希望していたのですが「脳血管内科」というあまり聞かない診療科に配属され、わからないことだらけで四苦八苦し、脳神経内科に配属された友人が羨ましいと思うこともありました。

仕事内容は、脳卒中で入院したり手術を受けたりした患者さんの生活介助やリハビリ、健康管理などが主ですが、言葉のやり取りが難しい方もいるのでスムーズにいかないことも多くあります。

しかし、それも、毎日患者さんとの繋がりを大事にして声掛けをしていくうちに、段々と患者さんが返事をしているということに気づきました。それからは、会話が上手くできない患者さんの担当になっても、不安になることはほとんどありません。

この仕事をしていて一番やりがいを感じる瞬間は、言葉を話せなかった患者さんが挨拶をしてくれたり、自分で立ち上がることさえできなかった患者さんが自力で歩けるようになったりした時です。脳卒中を起こすと半身まひや言語障害などが残るケースもありますが、それでも自力で何かをできるようになった姿を見た時は、「私も頑張ろう」という気持ちになります。


50代 女性
私は、脳神経に関わる診療科にこだわって職場を選んできました。これまで、脳神経外科、脳神経内科、脳血管内科、脳脊髄神経外科などでの勤務経験があります。

私が勤務していた脳血管内科では、脳血管に関する様々な疾患の治療を行っており、その中でも脳卒中の患者さんが多くいました。また、脳脊髄神経外科では、頭蓋内の疾患に加え脊椎・脊柱管、頸部頸動脈の疾患を対象とする専門的な治療を行っていました。

私が脳神経に関わる診療科にこだわってきたのは、この分野での看護が自分の性格に合っていたのと、「もっと深く学びたい」と思うほど奥深いということを知ったからです。

仕事で求められる看護スキルは他の診療科と似ていますが、大きく異なるのは患者さんの生活介助が徹底しているという点です。脳に疾患を持っている患者さんは、気持ちと体の動きが連動していないことも多く、突然転んだり昨日までできていたことができなくなったりもします。

また、気持ちや痛みを言葉にすることが困難な場合もあり、看護師が積極的に患者さんと関わり合い、工夫して看護を行うことが重要な職場です。

懸命に治療を行っていても亡くなってしまう患者さんもいて、辛い思いをすることもあります。しかし、手術やリハビリを乗り越え退院される患者さんを見た時は、これだけ長くナースをしていても嬉しいものです。話せなかった患者さんから「おはよう」と声をかけられたり、「ありがとう」という声を聞いたりした時は、とてもやりがいを感じます。