冬に多く流行る感染症のなかでインフルエンザと肩を並べるノロウイルス。感染性腸炎、嘔吐下痢症などと診断されることもありますが、看護師もこの猛威に晒されることがあります。
今年もその時期がやってきました。
患者数の劇的増加が見られているそうです。
地域的にみると、大分県、福井県、宮崎県や広島県に多い報告ですが、飲食店や教育機関での流行で、医療機関もにぎわっているそうです。
新型のノロウイルスの報告例もあり、今年の冬はノロウイルスに悩まされる大人、医療機関勤務の看護師さんも増えることでしょう。
では、ノロウイルス対策の基礎知識についてまとめてみます。
ノロウイルスとは
流行期は、11月ごろより1月をピークにすると言われています。
乳幼児や高齢者がかかると重症化し易く、まれに死に至るケースもあります。
そして、増えた患者さんに対応する医療職者の罹患も増加し、とある都府県では医療職者21人のノロウイルス疑い職員から5名の排菌が発見されています。
医療職者も、感染予防をしっかりと行わなければなりません。
また、飲食店で食事をした人が集団感染したり、保育所や小学校でも集団感染の報告があります。
ノロウイルスの症状
吐き気を始まりとし、嘔吐、下痢が多くあります。便に血液が混じることはなく、高熱にもなりません。
嘔吐や下痢は、ひどい人で日に10回以上となることがあり、脱水症状や意識障害で救急搬送されることもあります。
【潜伏期間】
食事や接触感染では、10時間程度から2日程度で発症すると言われています。
【症状の持続】
これも、短い場合は数時間、長くとも2日程度で症状が無くなります。排菌されれば速やかに症状が無くなると言う事です。
しかし、免疫力や抵抗力、体力が無い、栄養状態が良くない等の悪条件が重なれば、症状が重症化し入院する場合もあります。
高齢者や乳幼児では、吐物を喉に詰まらせるケースもあります。
【治療法】
根本治療はなく、対症療法と脱水予防を行います。
抗生物質は効果が無く、安静と水分補給が最も有効とされています。
下痢止めなどを使用したくなりますが、これを使用すると排菌を妨げ、体内に菌を留まらせてしまう事があり、有効でないことがあります。
ノロウイルスの予防法
手洗いうがいと、健康状態の管理が必要です。
まずは、手洗いです。
帰宅後、食事後、排泄後の手洗いは、毎回行えていますか?
帰宅途中、触った吊革が、手すりがバイ菌に晒されている事があります。調理した食品に菌が付いているかもしれません。自分の排泄物で手が汚染しているかもしれません。
手洗いは重要です。
健康管理については、労働と休息バランスを良くし、疲れとストレスを溜めすぎないことが重要です。
看護師は、心身ともに疲弊傾向にあります。疲れた体は、バイ菌っが入ってくると戦う力がありません。
そして、感染すると抵抗できずされるがまま、症状が重症化し易くなる為、健康感が重要です。
そして、バランス良い食事と規則正しい生活で菌に耐えうる体を鍛えましょう。
料理に関しても注意が必要です。
食品を介しての発症がある為、調理品の加熱、調理器具の洗浄と清潔、お皿や食器類の洗浄と乾燥、調理前後の手洗いが重要です。
そして、調理品は一回で食べられる量を作り、あまった時は冷所保存し、再度食べる時は充分な加熱をして食べるようにしましょう。
吐物や排泄物を発見したら
その吐物や、排泄物は菌を発散しています。
素手でどうにかしようとは考えないでください。手袋をはめて、マスクをして、しっかりと拭き取りましょう。
そして、密閉できるナイロン袋に拭きとった物や汚染物を入れてしっかりと口をとじましょう。
そして、汚染された床やトイレは、漂白剤でもある次亜塩素ナトリウムで消毒剤てください。その消毒範囲は、汚染個所に限定せず、広範囲にすることでより確実な消毒に出来ます。
まとめ
看護師は、何かと体調面で仕事を休みにくい状態でしょう。その為に、日ごろからの身体のメンテナンスが必要です。
この冬、暖冬と言われていますが、とはいえ冬は厳しいもの。気候の変化に身体が付いていかないと言う働く女性も多いことでしょう。
防寒対策とマスクの使用、また、通勤で衣類も菌に晒されています。帰宅後のコートの払い落としや除菌で、ウイルス対策をしても良いでしょう。
明日元気に働く為の、ノロウイルス対策を身につけましょう。