体験談 その1「見える人と見えない人」

病棟での夜勤で、メンバーが私と先輩、後輩の3人だった時のことです。準夜帯のバタバタ業務が終わり、消灯後、一人ずつ食事休憩をまわして残りの二人は、それぞれ記録とナースコールの対応をしていました。休憩室はナースステーションの中にあったので、何かあったら出れるように少しドアを開けて休憩していました。

私がちょうど食事を終えて片づけをしていた時に、後輩が「わぁっ!」と大声を出したので何事かと思い休憩室を出て「どうしたの?」と声をかけた時に、誰かかナースステーションを覗いていたのが見えました。姿がはっきりしなかったのですが、一瞬そう見えたのです。

オープンカウンターのナースステーションなので患者さんだったらカウンターに来て話しかけてくるのですが、何か違和感を感じました。後輩は人影が見えたとこころを指さして、「今の見えました?」っと、私はぼんやりと見えた感じだったのですが、後輩はしっかり目があったそうで、それは1週間前に亡くなった患者さんだったようです。

まさかと思ったのですが、はっきりと見えたそうで、私も言われるとなんとなくそうだったかもしれないと思いました。その時先輩もナースステーションにいて、入口付近で業務をされていてたので一番近かったのですが、何にも見えなかったし感じなかったそうです。

そのあと、私はまた見えることはなかったのですが、後輩がラウンドしているときに廊下で合ったそうです。知っている患者さんなので、怖くはなかったのですが、見えている後輩はしんどそうでした。

もともと霊感が強いようで、たまにあるんだそうです。私は、めったに霊体験はないのですが雰囲気は感じることが多々ありました。

その夜は何事もなく終えましたが、後輩はたびたびその患者さんに廊下やシャワー室で合ったそうですが、ある日を境にぱったりとその患者さんが見えなくなったそうです。

何か私たちにメッセージがあったのか、寂しかったのか、理由はわかりませんが、こういう体験は病院ならではだと思います。

体験談 その2「不自然な事故が多発」

うちの病院は霊安室の横が職員の駐車場になっていたのですが、なぜかそこで不思議な追突事故が良く起こりました。霊安室の壁に吸い寄せられるように追突してしまうのです。

しかも決まって深夜勤での出勤時の真夜中に。大きな事故にはなりませんがそんな追突事故が数件続き、皆から霊安室の壁にだけ追突するなんておかしいし気味が悪いと噂になりました。

みんなそんなところには車を停めたくないので駐車場の霊安室横だけぽっかり空いているなんてことになっていました。しばらくしたらそこに倉庫が建って霊安室騒動は収まりました。

体験談 その3「心霊現象の真実」

心霊現象が起こるっていうところには必ずと言っていいほど廃墟の病院がありますよね。他の建物とどこか違って病院というだけでちょっと不気味な気がします。

夜勤で夜の病棟内を巡回する私達看護師も実は結構怖いんですよ。しーんと静まり返った暗い病室を回るんですよ。想像しただけで怖くないですか?

それでも、まだ患者さんがいる病室は良いんです。巡回で患者さんの様子を確認したり看護処置をしたりしますから怖いなんて思ったことはありません。

しかし、入院患者さんが入っていない病室や人のいないリネン室などを夜間巡回するときはちょっと怖いですね。それに病院にはまことしやかに囁かれている噂というものがあって、巡回時にふいにその話を思い出すと怖いです。

うちの病院にもいくつか噂がありました。夜間使っていないはずの患者用風呂場から水の流れる音がするとか、誰もいないはずの空き室から笑い声がするとか。

普段は笑いながらそんな話しをしていて仕事中もすっかり忘れているのに、不思議なことに夜勤で巡回中ふっとそんな話を思い出すと怖くなって小走りで巡回して話を思い出さないようにしていました。

ある時、深夜勤時にナースコールが鳴りました。ナースステーションにあるナースコール盤を見ると前日に死亡退院されて今は空いている個室からでした。

先輩ナースと、なんであそこからナースコール鳴るの?誰もいないはずなのに、と怖くなって私と先輩ナース二人の三人で恐る恐るその個室のドアを開けてみると・・・そこには4人部屋に居るはずの認知症の高齢の女性がいたのです。

その患者さんは認知症が進んでいて昼間に他の病室に行ってしまったりということはありましたが、就寝時に安定剤を服用し毎晩ぐっすり休まれていて夜間に徘徊をしたことはありませんでした。

その日も数十分前に巡回した時は部屋で静かに休んでいるところを確認しているのでまさかと思いました。その女性はいつの間にか自分の病室から抜けだし空いている病室に入り込んでナースコールを押していたのです。あの時は本当に驚きました。

きっといろいろな噂もこういう話が少し変化して残っていったのかもしれませんね。でも、あの時は今思い出しても本当に怖かったです。