ワンピースからパンツスタイルへ
現在、ほとんどの病院や介護施設での看護師の服装はパンツスタイルが主流です。
私が看護師になった当時はみんなワンピーススタイルでパンツスタイルは手術室勤務の看護師だけでした。看護師になって初めて病院支給のワンピースのナースウエアを着た時は嬉しかったですね。
真っ白の白衣に真っ白のナースキャップ真っ白のナースシューズはずっと私の憧れでした。
今の職場で私は初めてパンツスタイルのナースウエアを着ました。確かに動きやすいし屈むことの多い職場なので、裾を気にしなくていいし足元がスースーしなくて暖かいし良いことばかりで合理的だと思います。
でも、あのワンピースのナースウエアのシルエットがお気に入りだった私はやっぱりちょっと寂しい気分になります。
少し前まではワンピースとパンツスタイルが混在している印象で病院内でも両方選べるためどちらのウエアの看護師も見かけましたが、最近では完全にパンツスタイルに移行した感じがします。
看護師というと女性らしさの象徴でもあるからか私の中のイメージはいまだにワンピーススタイルですけどね。
しかし、実際に着てみるとやはり仕事のしやすさや機能的だという理由でワンピーススタイルには戻れそうにありません。ワンピースからパンツスタイルへも必要性があったから変化していったんでしょう。
ナースキャップの思い出
私にとって看護師の象徴は真っ白なナースキャップでした。
看護学生だった時、戴帽式で初めてナースキャップをかぶせてもらった時のことは今でも覚えています。やっと念願だった看護師に一歩近づいた気がしました。
私は小学生のころから看護師になるのが夢でした。どうしてそう思うようになったのか、はっきりとは思い出せないのですが今思えば小学5年生の時に足を怪我して整形外科に長く通っていたことがあり、そのころから看護師が憧れの職業になったように思います。
看護師さんが白衣を着て真っ白でピンとはりのあるナースキャップはとても輝いて見えました。
看護学校に入学後半年経ってからの戴帽式までナースキャップをもらえないと知ったときはちょっとショックでしたが、かえってナースキャップへの憧れが強くなりました。
戴帽式後、初めてナースキャップをかぶって実習に行ったときは鏡で何度も自分の姿を確認したことを覚えています。
看護師は勤務中はもちろんおしゃれ厳禁ですが、ナースキャップを留めるハットピンだけは多少おしゃれが楽しめるので、可愛いハットピンを探しては付け替えて楽しんでいました。
そんな看護師の象徴のようなナースキャップですが、白衣ほど頻繁に取り換えないので衛生面の問題とキャップが邪魔になって業務上支障をきたす場合があるなどいろいろな理由で段々とナースキャップを廃止する医療施設が増え、今ではほとんど見ることが出来なくなってしまいました。
私が育児のため一旦職を離れているときにナースキャップ廃止論が出始め、あっという間にその考えが広まって、子育てのめどがついて復職した時にはナースキャップをかぶることは出来ませんでした。
子供のころからナースキャップをかぶった看護師の姿を憧れの存在としてきた私には、復職した職場でキャップのない白衣姿の自分を見たときはちょっと悲しいものがありました。
でも、実際にはかぶっていませんが気持ちの中ではナースキャップをもらって念願の看護師になった時の初心をいつまでも忘れず看護の仕事をしていきたいと思っています。