オーストラリアで永住権を取得する

日本人看護師の留学先として人気の高いのが、オーストラリアです。オーストラリアは世界でもトップレベルの医療福祉先進国と言われています。

また、患者の権利や道徳的・人道的観点に基づいた看護教育なども実施されているので、スキルアップやキャリアアップを希望する看護師の間で人気の留学先になっています。

オーストラリアで看護の勉強をして、看護師の資格取得をすることも可能です。もしオーストラリアで看護の勉強をするだけでなく、仕事をして定住したいと思っているのなら、看護師の現地資格を取得することは大変大事です。というのも看護師資格を持っていると、永住権を取得するのにかなり有利になるからです。

オーストラリアでは永住権を優先的に与える、Skilled Occpation Listと呼ばれるものを公表しています。専門職業リストとも言えるもので、看護師もその中の一つに含まれています。

オーストラリアでは看護師人材の不足が深刻化してきていると言われています。ですからオーストラリアで看護師として仕事をしようというのであれば、永住権を与えようという機運が高まってきています。

ただしオーストラリアで永住権取得をする時には、留学の時のカリキュラムに注意することです。従来技術独立移住ビザのカテゴリーで永住権申請をするのであれば、高等教育機関で1年間就学すれば良いとなっていました。

しかし2003年に改訂されて、1年が2年に延ばされました。たとえば看護学部のコンバージョンコースを1年間履修しただけでは、永住権の前提条件となるビザ申請の条件を満たせなくなってしまったのです。この部分を勘違いしないように準備をしておきましょう。

アメリカで看護師として働き永住権を取得する

アメリカでは深刻な看護師不足の状況に陥っていると言われています。アメリカ労働統計局の推計によると十分な看護師を確保するためには、2012年までに毎年100万人程度を採用しないといけないという状況だと言います。

なぜここまで深刻な状況に陥っているかというと、看護師の高齢化が関係しています。定年退職を迎える看護師が増加しているので、新規に看護師を採用してもマイナス分の穴埋めが追い付いていかない状態だというのです。

そこでアメリカ連邦議会では、多国籍の看護師の入国審査を今までよりも簡素化して、迅速に海外の看護師を受け入れようではないかという法案も出されたことがあるほどです。

では日本から看護留学でアメリカに行って、看護師の仕事をして、永住権を取得できるかというとそう簡単なことではないようです。

実はかつてアメリカでは看護師の特別永住権枠を設けていました。このルールによると、海外の看護師が永住権を取得するのに1年程度で済みました。

しかしこの優遇措置ですが、2006年には終了しています。ですから現在は一般の雇用者と同じ条件となって、グリーンカードを取得できるようになるまでには、4~5年はかかるようになりました。

この問題ですが、日本人看護師の中でも影響が出ているようです。アメリカで看護師になろうとして留学して、大学の看護師課程を卒業して、NCLEX-RNの免許を取得しても、永住権をサポートしてくれる病院がなかなか見つからないのです。

病院としてみても、4~5年かかる永住権の取得を前提として人材を雇う余裕のあるところはなかなかないです。結果的に就職先を見つけることができず、帰国をしなければならなくなったという事例もいくつかみられます。

ただしこの流れも今後もしかすると変わる可能性もあります。実はこのように海外の看護師が永住県をとりにくくなって、職を見つけられなくなったことを深刻視したアメリカ病院協会をはじめとした医療関係のいくつかの団体が、先ほど紹介した看護師特別枠の再開を求める運動を行っています。

まだ議会が本格的に動いている感じはないものの、今後もしかするとそのような流れになる可能性は残されています。