看護学生時代から「一処置一手洗い」と指導され、勤務中は何度も手洗いとアルコール消毒を繰り返している看護師の手は、とても荒れやすい状況にあります。

もし手荒れがあると、代表的な黄色ブドウ球菌やグラム陰性桿菌などの感染症を起こすリスクがあり、万が一感染してしまうと、直接、患者さんに触れる手は媒体となってしまい、抵抗力の低い患者さんへ移してしまう可能性があります。

そのため、看護師にとって手荒れは大きな問題であり、常日頃からハンドケアが重要です。

看護師のハンドケアの方法

ハンドクリームの使用

肌が弱い人や強い人など個人差があると思いますが、私の場合はわりと強いほうなので日頃は市販のハンドクリームをこまめに塗ることで特にトラブルが起きることはありませんでした。

しかし、冬の季節になると手洗いでもお湯を使い、院内も暖房で乾燥し、普段よりも荒れやすくなっていたので手洗い後はワセリンの成分が入ったハンドクリームをしっかり塗って保水、保湿します。そうすることで指先にできやすい亀裂や発赤を予防します。

ここで注意しなければならないのは、ハンドクリームの香料です。やはり抗がん剤治療を受けている患者さんは匂いに敏感であるため、ハンドクリームの匂いでさえ嘔吐を誘発してしまうことがあります。

プライベートでは自由に使って構いませんが、現場で使用する際には注意してくださいね。

皮膚への刺激・摩擦を軽減する

手洗いの方法も大切で、できるだけ石鹸を泡立て泡でやさしく洗うようにすることで皮膚への摩擦を軽減し刺激を抑えることができます。流水でしっかり石鹸を流して、ペーパータオルで拭くときはゴシゴシとこすらず抑え拭きをして、できるだけ皮膚に対する摩擦を減らすように努めます。

何気なくやっている手洗いを再度確認してみるのも良いでしょう。

ドレッシング材の使用

亀裂に対しては、ドレッシング材を使うと治りが早くなります。ひどくなってしまったら我慢せずに、迷わず皮膚科へ相談しましょう。

もし、指先に亀裂ができてしまったらアルコール消毒なんてしみて痛くてできず、手指衛生面で良くないうえ、手荒れもしているという劣悪な環境になります。日頃から、手洗い方法や自分に合ったハンドクリームを探して手荒れ予防を意識するようにしたいものです。

看護師にとってハンドケアは必要不可欠であり、ふっくらして、やわらかい手で患者さんのケアを気持ちよくできるようにしたいですね。