心臓リハビリテーション指導士

どんな資格?

心筋梗塞や狭心症、心不全などの心疾患や心臓手術後の患者を対象とする心臓リハビリテーションや、運動療法や食事療法などを通して心疾患の予防を行っていくスペシャリストです。専門的な知識と技術、ほかの職種とも連携を取りながら、運動療法、教育、心理カウンセリングなど包括的なリハビリを行っていきます。

看護師としての専門性をベースに、心臓リハビリテーションの知識や技術を身につけることで医療チームの中心的な存在としての役割を果たすことや、患者やその家族により専門的なケアを行ったり積極的な関わりを持ったりすることができます。資格を取得することで、看護師としての活躍の場を広げることができるでしょう。

認定先 特定非営利法人活動 日本心臓リハビリテーション学会
資格保有者数 全国で3,056人の資格保有者が学会に登録されています。(2014年2月現在)
難易度・合格率 2014年は受験者593名のうち合格者425名。(看護師は95名で合格者45名)合格率は職種によって開きがありますが、全体としては例年60%台後半から70%台で推移しています。

心臓リハビリテーション指導士の資格を活かせる職場

循環器内科、循環器外科、心臓血管外科など循環器疾患を扱う現場や、大学病院や心臓リハビリテーションに積極的な取り組みを行っている医療機関のリハビリテーション科などです。その他にも、動脈硬化の進展予防、メタボリック症候群に対する保健指導、糖尿病・高血圧など生活習慣病に対する生活指導や運動指導などに取り組んでいる循環器専門の病院やメディカルクリニックなども活躍の場となっています。

心臓リハビリテーション指導士の将来性

2000年に認定制度が始まった心臓リハビリテーション指導士ですが、重要性の高まりとともに資格取得者も増えてきています。心臓リハビリテーション指導士には2つの役割が期待されています。まずは、医療チームの調整役です。近年では脳梗塞と心疾患を併発しているなど複数の疾患を抱えている患者が少なくありません。こうした場合、診療科を超えて横断的に患者を管理していく体制が必要で、心臓リハビリテーション指導士に、この体制の中心的な役割を果たす期待がもたれています。

もう1つは、予防医学における実践者としての役割です。生活習慣病の増加により、運動や生活指導の重要性は増してきています。運動に伴う循環器の変化を理解できる専門家として、安全かつ効果的に指導を行える心臓リハビリテーション指導士の役割は今後も大きくなっていくものと考えられます。

心臓リハビリテーション指導士の資格取得者のお給料事情

循環器疾患に対して高度で専門的な医療を行う病院などで、資格手当がついたり待遇面で有利になったりする場合が多くなっています。資格手当の相場は5,000円から10,000円です。

こうした医療機関では夜勤をはじめとする諸手当がつくところも多く、平均月収は30万円ぐらいとなっています。

心臓リハビリテーション指導士の資格取得のポイント

受験資格 次の4つの資格を満たす必要があります。

医師、看護師、理学療法士、管理栄養士、薬剤師、臨床心理士、作業療法士、健康運動指導士のいずれかの資格を有していること。心臓リハビリテーション指導士認定制度委員会主催の講習会を該当年度に受けていること。申請時に日本心臓リハビリテーション学会の会員であり、かつ通算して2年以上の会員歴があること。心臓リハビリテーション指導の実地経験が1年以上もしくは心臓リハビリ研修制度によって受験資格認定証の交付を受けていること。

その上で受験申請時に10例の症例報告を提出する必要があります。

審査方法・試験内容 書類審査の後、受験票が交付され講習の受講と筆記試験になり、両者とも同日に行われます。筆記試験は60分で50問、5者択一のマークシート方式で、60点以上で合格です。
受験日程 例年4月中旬から末日までに申請し、試験は7月中旬の学術集会開催時となります。
費用・会場 会場は全国主要都市持ち回りです。費用は講習会受講料第1部6,000円、第2部4,000円、受験料15,000円です。
問い合わせ先 日本心臓リハビリテーション学会事務局
住所:東京都渋谷区代々木2-23-1-206
TEL:03-6300-7977
詳細な情報がわかるURL http://square.umin.ac.jp/jacr/