農家の人々を対象に、作業前に準備体操を行う事で腰痛が軽減するとの研究結果が出されました。農家をしている6人に一人が腰痛治療中で、腰痛治療を行っていないが、腰痛を抱えている人々も多いことが分かっています。

看護の現場でも、重いものを運ぶ、患者さんを移動や移送させるなど、肉体労働により腰痛を訴える医療職者が多い現状があります。

農家では、重い野菜の袋詰めや前かがみ姿勢での作業が多く、腰痛を発生し易い状態にあるのと同様、看護師の仕事も前かがみ、重いものを持つなどの身体活動が多いことは似ているところです。

その農家の方々を対象に、作業前の準備運動を提案するとその作業による腰痛や膝痛が緩和され、また、若い年代からその準備運動を取り入れるとより効果的という事が分かりました。

このように、農家での準備運動の効果を反映し、医療現場でも始業前に軽い準備運動を行う事で腰痛対策が出来るのではないでしょうか。

看護師の腰痛対策や腰痛予防について記載します。

看護師は腰痛で悩む人が多い

看護師の職業病と言われる腰痛ですが、2人に一人、60%の看護師が腰痛を訴えていると言われています。

仕事による関節や筋肉の負担や疲労、日常的な精神的ストレス、生活習慣の不規則さから起こると言われています。

男女比でいうと、女性に圧倒的に多く、女性は体が冷えやすい事も関係していると言われています。冷えにより自律神経が乱れると、関節や骨、筋肉系に痛みを生じやすいと言われています。

また、ストレスも自律神経を乱れさせ、患者さんとのコミュニケーション、家族との関わり、他職種や看護師間のやり取りなどの対人関係にストレスを感じ自律神経が乱れやすいのが看護師です。

また、過労や不規則勤務も自律神経の乱れに関与している為、看護師をしている以上、仕方ありません。職務内容による肉体疲労、精神的ストレス、勤務形態や過労、疲労の蓄積が看護師の腰痛の原因と言われています。

自分でできる腰痛対策

腰への負担を考慮し、腰痛ベルトやコルセットを使用する事がありますが、市販のものではなかなか身体に合わないことがしばしばです。

自分の体形に合ったものを使用するよう医療機関で採計したものを装具として使用することが望ましいことです。

また、時間をみてストレッチをしたり、一日の終わりに軽い運動をすることで歪んだ体を元に戻すよう心がけることも良いでしょう。

そして、時に整体やカイロプラティックなどで身体のメンテナンスをすることも必要でしょう。

まずは、始業前の準備運動を行い、身体の循環を良くし、活動性を高めてから仕事を開始する事で動きやすく、体の負担を軽減し仕事を行えるようにしましょう。

お勧めストレッチ

仰向けに寝て片方の足を両手で抱えるように抱きます。

片足20秒ずつ行い、最後に両足を20秒間抱えます。

それを起床時、入浴後、入眠前等に行うと効果的です。

入浴の効果

やはり、腰痛には温浴効果が有効です。

急性の腰痛では温浴が炎症悪化に繋がることがありますが、看護師の抱える腰痛問題は慢性化し、常に痛みや苦痛を持っていることが多いでしょう。

そのような場合は、入浴を行い全身の血流を良好に保つことで老廃物を流し、筋肉のコリをやわらげる事が出来ます。

腰痛に悩む時は、一日の疲れ落としに充分な入浴を行う事も効果的です。

まとめ

看護師の60%に起こっている腰痛ですが、その予防が準備運動を行う事で緩和できると言う事が分かりました。

面倒、関係ないと思うかもしれませんが、長く看護師を続けたいのであれば、これも自己管理の一つではないでしょうか。

腰痛があると、力が無いらない、痛みで仕事に集中できないなどの原因となり仕事に支障を来たします。

よって、自分なりの準備運動と、仕事後のクールダウンを行い、腰痛を悪化させない取り組みを行う事がお勧めです。