医療制度の改正により地域で人々をケアしようという取り組みは進んでいます。

在宅復帰に向け、回復期リハビリテーション病棟の稼働や地域包括センターの活用、地域保健や福祉との連携が強化されています。

人口減少を見据えた医療、保健、福祉の取り組みや対策は急務とされています。

では、超高齢化社会を迎えての、これからの地域包括ケアについて考えてみます。

人口減少と高齢化率

出生率の低下と、長寿化により超高齢化社会に歯止めが効かない国となっています。2010年から2045年までの人口変化は10%以上の低下がみられると予測されています。

秋田県や和歌山県では、人口の1/4が減少するとまでも言われています。

人口の3人に一人が65歳以上と言われるようになり、2042年には、高齢者人口も減少しはじめ、高齢化率上昇と人口減少がみられるようになります。

人口減少という事は、地域コミュニティも減少し、社会基盤が揺らぐことを意味します。

伝統継承の困難、地域間交流の減少や消失、商店街の衰退化、学校の閉校や廃校を余儀なくされます。

地域包括ケアの重要性

65歳以上の高齢者の5人に1人が健康上に不安を抱えていると言われています。

65歳以上の要介護者は増加し、介護を受けたい場所では、要介護者の半数が在宅療養を希望しています。

病院受診や買い物などの日常生活に置いて困難さを感じる高齢者が多く、住み慣れた家で安心して日常生活、医療・福祉サービスの提供が出来ることを人々は望んでいます。

その為に、医療や介護の包括的ケアシステムが整備され、サービスを自らが選択して受けられることがニーズとされています。

病気や介護予防への認識の高まりから、予防医学や介護予防により高齢者の体力低下を予防し、健康的に生活出来るよう支援されることも望まれています。

そうする事で自宅での生活を安心して生活出来る街づくり、社会づくりの推進に期待が寄せられています。

介護予防

要介護状態を予防し、介護の必要な程度を軽減し、悪化しないように取り組むことで高齢者が生きやすい世の中を作ろうとする動きがみられています。

自分にことは自分でしたいと言う高齢者の思いに応えるために、自分自身が活力ある生活が出来るよう介護を必要としない為の予防を目的に地域や医療機関、福祉や保健機関と連携して介護予防活動を行っています。

コンパクトシティを目指す取り組み

コンパクトに医療、介護、保健、日常生活が送れれば、高齢者の自宅で自分らしい生活が出来ると言う観点から、千葉県の柏市や新潟県長岡市等では、市内に数か所のサポートセンターを設置し、小規模他機能住宅やグループホームなどを設け、高齢者の住み慣れた地域社会での生活を支援する街づくりが行われています。

高齢者の住み慣れた町、安心できる街として医療を主軸に高齢者サービスの拠点を日常生活の中に含める包括ケアの実践が図られています。

このように、地域を挙げた地域包括ケアの実現を図る一方、医療機関でも在宅に帰る為の準備期間、準備場所として地域包括ケア医療が推進されるようになっています。

では、地域包括ケアを行う医療機関とはどのようなサービスを行っているのでしょうか。

地域包括ケア病棟とは

治療により病状が安定した患者さんに対して、在宅に帰る前に不安のある患者さんを対象に「在宅復帰支援計画」に基づき復帰支援を受けられる病棟です。

病状が安定しても、後遺症やセルフケア能力の不足、受け入れ状態の不完全さからスムーズな隊員がなされないことがあります。

近年、核家族化、独居老人等が増加し、在宅に帰りたくともすぐに受け入れが可能でないことが問題となっています。

その準備期間を設け、安心して在宅に戻れるよう、医療、保健、福祉の関与により隊員が安心して行えるよう、在宅環境の調整や介護支援サービスの申請や決定等によりより効率的でスムーズな退院を目指します。

医師、看護師、リハビリ療法士、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーなどのコメディなるスタッフが協力して在宅復帰支援を行います。

地域包括ケア病棟の特徴

急性期治療後の受け入れが可能で、在宅復帰を積極的に支援する事を目的に稼働します。

緊急患者さんの受け入れが可能で、看護体制は10:1で急性期同等の手厚い看護が行えることが条件です。

計画的に積極的なリハビリテーションを行い、重症度、医療看護必要度の硬い在宅復帰が困難な患者さんの受け入れも必要となります。

入院対象

急性期治療修了者が対象で、在宅や介護施設への復帰を目指し療養します。

在宅復帰までにもう少し経過観察が必要な方、病状安定によりリハビリテーションが必要な方を対象とします。

入院期間は、60日を最高とし、看護体制は10:1とします。

地域包括ケアのキーマンとなる看護師

看護師が最も重要とされるのが地域包括ケアの現状です。

訪問看護師、退院調整看護師、退院指導を行う病棟看護師が主となり、患者さんやご家族の希望や要望に沿う在宅療養環境を整えます。

それに必要な支援を行えるリハビリテーション、介護スタッフ、各種専門家との連絡調整を行い、在宅復帰が実現可能なのもとなるよう主となり働きます。

看護師は、医療機関と地域との橋渡し役として働くことが望まれます。

まとめ

地域包括ケアに関わる看護師のやりがいは、患者さんの意向に沿うケアプランを患者さんと共に考えられることではないでしょうか。

自分らしく、自分の要望どおりの生活をしたい患者さんに対し、その意思決定を支援し、調整できる看護師が地域包括ケア病棟で働く看護師です。

時に、困難例もありますが、如何にその人らしさを引き出すかと考えられることに楽しみと達成感を感じられます。

訪問看護師、退院調整看護師、看護師をしながらのケアマネージャーなど、あらゆる知識や資格でスキルアップが果たせる病棟でもあります。