正職員の給料相場

呼吸器科に常勤で勤務する看護師の年収は、経験や年齢、どこに勤務するのかで違いがあります。おおまかには、病院と、クリニックや診療所でわけることができるでしょう。

平均年収については、前者の場合ですと470万円前後、後者の場合ですと380万円前後となります。両者の差は、主に夜勤による手当や、賞与の額などによるものです。

病院でも外来勤務ですと、夜勤がない分、年収や月収は低くなります。数字だけを見ていますと、看護師の平均年収と同じぐらいといえます。しかし、呼吸器科の勤務は、看護師にとって、平均収入だけでは測れないものがあります。

ひとつは、呼吸器科が、呼吸器の疾患を扱う専門診療科目であるということによります。呼吸器科を診療科目として設けている病院は、規模の大きい地域の拠点病院であることも多く、あらゆる呼吸器疾患の患者さんが運びこまれます。

こうした職場で経験をつむことによって、呼吸器疾患看護のスペシャリストとして、キャリアを積んでいくことができるのです。病院の常勤勤務では、ナース個人の経験や能力が給料に反映されることも多く、収入に幅があります。

スペシャリストとしてのキャリアは、その知識や技術を勤務に活かせるだけでなく、収入アップにつなげることもできるのです。もうひとつは、看護師としてキャリアを積んでいくなかで必要とされる、知識や技術を身に付けることができるということです。

例えば、呼吸器科での経験や知識は、今後需要が増えると予想される在宅ケアや訪問看護の分野でも、必要とされています。年収は低めになりますが、クリニックや診療所での勤務も、キャリアを積むという面では、注目されます。

呼吸器科があるクリニックや診療所では、内科をはじめ、循環器科や消化器科といった、ほかの内科の診療科が併設されていることがほとんどです。

こうしたところでは、内科一般についての幅広い知識や経験も身につけることができるのです。このように呼吸器科は、看護師としてのキャリアを積むという面から、プラスになることが多いといえるのです。

アルバイト・パート・派遣の場合の時給相場

呼吸器科のアルバイト・パート・派遣では、クリニックや診療所からの求人が多くなっています。時給相場は、1,400円から1,500円ぐらいです。

ただし、地域によって、若干の差があり、大都市圏の新しいクリニックなどでは、1,800円前後のところもありますし、地方都市の場合でしたら、1,200円から1,400円ぐらいが相場になっています。

ほかの診療科のクリニックや診療所の時給相場と、ほぼ同じぐらいです。病院勤務については、外来や日勤パートの場合、時給相場は、診療所やクリニック勤務とほぼ同じぐらいにないっています。一方、夜勤専従のアルバイトやパートの場合は、2,000円以上の時給になる場合がほとんどです。夜勤ができると、収入アップにつなげることができます。

また、呼吸器科勤務というよりは、救急患者を受け入れていたり、地域の拠点病院であったりして、急性期の患者さんが多い病院で、時給が高くなる傾向があるようです。

病院勤務の場合は、そのほかにも、パートやアルバイトでも院内託児所が利用できたり、社会保険が完備されていたりなど、福利厚生が充実している場合が多くあります。また、ブランクがあったり、未経験であったりしても入職しやすいように、教育制度や研修制度を整えているところもあります。

呼吸器科は、専門診療科のひとつではありますが、そうした属性が、パート・アルバイト・派遣などの時給相場にすぐに結び付くということではないようです。

しかし、呼吸器科で身につけた技術や知識は、看護師としてのキャリアを積む上で、役立てることができます。例えば、今後増加すると考えられる高齢者の看護において、呼吸器科の知識や経験は有効ですし、呼吸器科で扱う睡眠時無呼吸症は、生活習慣病やメタボリックシンドロームなどの今日的な健康問題とも深く関わっています。

看護師として経験を積んでいきたいと考えている人にとって、おすすめの診療科であるといえるでしょう。