退院調整を行うにあたって、今後自宅療養で過ごすことになる患者が安心して生活できるために、訪問看護師の役割は欠かせなくなります。

退院をして自宅療養する人にはいろいろなタイプがあって、終末期ケアなども含まれます。退院調整看護師と訪問看護師が連携することで、スムーズに自宅療養に患者が移行できるようにすることが求められます。

両者は一見関係がないような感じがあるかもしれませんが、密接なかかわりがあると思いましょう。

退院する前から連携体制がスタート

訪問看護師の業務と言われると、退院をした後の患者に対して行うものと思っている人も多いでしょうが、実はそうではありません。退院前の段階から退院後のことについて、病院と連携をとることが求められます。

具体的には、特定の患者を退院させられるかどうか病院が判断するわけですが、そのカンファレンスには主治医や病棟看護師、退院調整看護師、そして訪問看護師が参加します。その中で、訪問看護師は患者のケアに対して病院と意見交換していきます。

そして最終的に退院後の患者のケアができると病院側だけでなく、訪問看護師も同意した時にはじめてその患者は退院できるわけです。ですからある意味、退院調整看護師と訪問看護師はセットという考え方もできます。

たとえば患者や病院側が退院を希望しても、訪問看護師が完全なケアをするのは難しいと判断した場合には退院は許可されません。このように訪問看護師は病院の退院の判断をするにあたって、重要な役割を担っているわけです。

途切れのない医療・介護サービスを提供するために

もし患者が退院を希望していない場合、少なくても訪問看護の受け入れ態勢が整備されていないと病院としても退院させることはできません。もし訪問看護の体制が整っていない状態で退院させてしまうと、病院が患者を厄介払いしたように思われても致し方ないです。

退院調整看護師と訪問看護師の連携は、切れ目のない医療・介護サービスを提供するために必要なことです。医療や介護の支援に関しては、継続的に行われるかどうかは大変重要なポイントになります。

もしいったん途切れてしまうと、そこから病院と訪問看護・介護が連携をとるためには構築するまでに時間が必要になります。その間満足な医療・介護サービスが受けられなくなって、結局患者に大きな迷惑をかけることになりかねません。

退院調整看護師と訪問看護師の連携の大切さ

退院調整看護師と訪問看護師の連携がスムーズであることは、切れ目のない医療・介護サービスをするにあたって大事です。そしてもう一つ、訪問看護ステーションの経営面でも重要なポイントになりえます。

自宅療養を国レベルで推し進めていることもあって、日本全国に訪問看護ステーションが増加してきています。ですから病院の退院調整看護師と密に強化することで、その病院の患者を定期的に紹介してもらえるので、経営が安定していきます。切れ目のない仕事が受けられるという訪問看護ステーションにとってもメリットになるわけです。

病院と訪問看護ステーションの関係を強化するためにも、退院調整看護師と訪問看護師の連携は必要不可欠になります。そのためには、退院させようと考えている患者に関する意見交換を密に行うことが大事です。

退院調整看護師が退院準備をするにあたって、患者がどのようなことに不安を抱いているか共有する必要があります。そして訪問看護師から不安を払しょくするためにどのような医療・介護サービスがあるかを聞き出します。その情報を患者に伝えることによって、患者が安心するかもしれないのです。

その意味では退院調整看護師として活躍するためには、訪問看護師と意思の疎通がスムーズにできるコミュニケーションスキルが要求されると思った方が良いでしょう。

そのためには、報連相を常日頃から心がけることが大事です。報告と連絡、相談をまめに行うことで信頼関係を構築していきましょう。