透析室の看護師になると身に付くスキル
穿刺スキル
透析室で働く看護師になると身につくスキルのうち、自然と身につく、身につかざるを得ないスキルのひとつに穿刺スキルがあります。
人工透析は機械と薬剤によって腎臓の機能を代替することにあり、そのためには血液を取り出して綺麗にし、身体に戻すという手順が必要になります。血液を取り出すためのラインと戻すためのラインの確保のため、2箇所に針を突き刺し、これを穿刺と呼びます。
透析用に使われる穿刺針は、素早く血液を循環させるために、採血用の針よりも太く作られています。針が太いということは刺す時に痛みを感じやすく、ダメージを受けやすいということで、患者さんに嫌がられないためにも穿刺スキルは必須となります。
失敗して何度も突き刺すようではナースとしての技量を疑われ、患者さんとの信頼関係を築けません。基礎的なスキルであるからこそ完璧に取得しておくべきでしょう。ゆっくり刺すと余計に痛みを感じますし、同じところに何度も刺すと余計に痛くなります。先輩ナースに指導してもらいながら、出来るだけ早い段階で穿刺スキルを身につけていきましょう。
人工透析の知識
透析患者さんは長年人工透析を受け続けているため、下手な新人ナースより人工透析に関して詳しいという特徴を持ちます。
患者さんに言い負かされず、疑問に手早く答えるために、人工透析について誰よりも詳しくなりたいと考え、勉強熱心になれるのも透析室で働く看護師の1つの特徴と言えます。
人工透析の世界は奥深く、専門的に学んでいくとかなりの専門性を得られます。患者さんの期待に応えて研鑽を積んでいけば、数年後には下記のような関連資格を得られるほどの専門知識を得られることでしょう。こうした専門スキルを得られるのも透析室で働く上でのメリットとなります。
透析室で働く看護師のスキルアップ資格
透析室で働く看護師になると身につくスキル・関連資格のうち、代表的な資格は3つあります。
透析看護認定看護師
1つは透析看護認定看護師で、日本看護協会が認定しているもので、透析看護は2005年から開始されました。人工透析を受ける患者さんの安全かつ安楽な透析治療の管理を行い、長期療養における支援と自己決定の支援を行う目的の資格になります。
透析患者さんは透析治療によって身体の状態が変化していくのに、透析に依存しなくては生きられないという矛盾を抱えて生きていかなくてはなりません。
こういった透析患者さんを支えるため、実践的な看護力を身につけたナースに対して認定するのがこの資格になります。透析患者さんに対して個別のケアおよび患者教育を行える能力が必要とされています。
透析技術認定士
透析患者さんにとっての専門的なアドバイザーとして、透析技術認定士という資格があります。
財団法人医療機器センターが認定する資格です。血液透析に関するスペシャリストの資格で、透析室において透析業務を行う専門家になります。
取得するに当たって、前提として看護資格もしくは臨床工学技士が必要です。
透析療法指導看護師
3つめは透析療法指導看護師で、日本泌尿器科学会・日本移植学会・日本透析医学会・日本腎臓学会・日本腎不全看護学会から認定されている資格になります。
看護資格を持っていることが条件となり、透析に関する専門的な技術、知識を取得していく目的で設置されました。これにより臨床看護の現場でナースの質を高めていく目的があります。
内容は透析治療に関して高い技術と患者さんへの肉体的、精神的なケアができることです。透析患者さんひとりひとりに対して、総合的なケアを行い、患者さんが安心して治療に専念できる環境を作ることが必要とされています。
これら3つの資格はいずれも透析室など透析治療の現場での経験が数年必要となります。
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