病棟勤務をしている看護師にとって、夜勤は日常の一部です。
しかし、妊娠していると分かったとき、夜勤を続けていいのかどうかって不安になりますよね。
妊娠中の夜勤はいつまでが限界なのでしょうか?
かく言う私も初めて妊娠した時、病棟看護師をしていました。もちろん夜勤もある2交代の勤務。
私の場合はつわりが激しくて日勤勤務もままならないような状態でしたから、見るからにゲッソリしていく姿に病棟の皆も体を気遣ってくれて、夜勤は妊娠初期から免除してもらえていました。ありがたい話です(涙)
けれどつわりもなく元気な妊婦さんだと、妊娠初期って周りも本人も「妊娠してることすら忘れちゃう」ような状態だったりしますよね。
確かに妊娠は病気じゃありません。
大事にし過ぎる弊害もあると思いますが、日勤はともかく夜勤となると…。
妊娠期間で特に大切なのは初期と後期
妊娠期間で特に体を気遣う必要があるのは、妊娠初期と後期です。
比較的体調が安定してくる妊娠中期は「安定期」と呼ばれるくらいです。腹痛・出血などの特別な症状がなく妊婦検診の経過が良好であれば、夜勤勤務の体への影響も少ないかもしれません。
産前6週には産休に入ることになりますから、妊娠後期に入る8カ月頃には夜勤は限界と判断して、お休み出来るよう早めにお願いしておくと良いでしょう。
問題は妊娠初期です。
妊娠は最初が1番肝心と言っても良いくらい、胎児の発達に大きな影響があります。
しかし妊娠がわかってすぐに夜勤を免除してもらうのは、シフトの都合上も難しい場合もあります。
妊娠を計画している場合は、あらかじめ上司に伝えておくことが1番のお勧めです。
最初から夜勤の回数を減らしておいてもらったりと対策しておくと良いでしょう。
何にせよ、体が1番大切です。限界を感じるのは人それぞれ違うと思いますが、自己判断せず産婦人科のかかりつけ医とよく相談して決めていきましょう。
病棟は、ギリギリまで我慢して突然お休みするのが1番困ると思います。無理せず体調を伝えていくことが大切ですね。
夜勤が妊娠経過に悪影響を及ぼす可能性
夜勤が妊娠経過に悪影響を及ぼす可能性はどの程度あるのか、気になるところですよね。
単刀直入に言うと、悪影響が全くないということはないです。
その理由を一つひとつ見ていきましょう。
妊娠中は規則正しい生活リズムが推奨されている
健康な妊娠期間を過ごすため、「規則正しい生活」はどの産婦人科でも言われることでしょう。
「規則正しい生活」の中に含まれるのは、早寝早起きなどの生活リズムはもちろんですがそれだけではありません。
適度な運動。バランスの整った食生活。ストレスを貯めすぎない暮らしなど、様々なことが重要になってくるのです!
夜勤をするとその日1日の昼夜が逆転するだけでなく、入りの日・明けの日の生活リズムは狂いますし、日中うまく眠れなくて翌日まで引っ張られてしまうこともよくあること。
ましていつもとはホルモンバランスが異なっている状態の妊婦さんにとっては、体への影響が大きいと言えます。
また夜勤中って、とにかく間食してしまうんですよね!私はそうでした…(苦笑)妊娠中は体重コントロールが大切な課題のひとつ。この食生活の乱れも大きな影響となってしまうでしょう。
夜勤を続けながら「規則正しい生活」は、とっても難しそうですよね…。
赤ちゃんにも昼夜のリズムがある
妊娠中のお母さんの生活リズムが、胎児の生活リズムになると言われます。
妊娠期間中に早寝早起きの生活をしていると、赤ちゃんが生まれた後も夜しっかり眠れる子に育つことが多いとよく言われるんです。
逆に妊娠中に夜更かしが多かった場合、赤ちゃんも夜なかなか寝付けないなんてことにも…。
産後はただでさえ数時間おきの授乳やオムツ替えで、まとまった睡眠がとれません。赤ちゃんには少しでも多く眠ってほしいもの。
赤ちゃんの睡眠への影響は、他にも色々な要因はあると思います。でも胎児期から赤ちゃんの生活リズムが作られていると思うと、妊娠中の生活リズムってとても大切だと思えてきますよね。
夜勤は人員が少ないので負担が大きい
私の勤めていた病棟では、夜勤帯は看護師2名体制でした。
たくさんのスタッフがいる日勤帯と違って、「この仕事ちょっとしんどいな」と思っても代わってもらうことが出来ません。もう1人の看護師の仮眠中なんかは、この負担もより大きくなることに。
「妊娠中も運動は必要だから仕事を続ける」という声を聞くことがあります。
けれど、妊娠中に必要な運動というのは体を動かしていれば何でも良いというものではありません。
妊娠中に推奨されるのは、ウォーキングやスクワットなどの運動。こういった動きが含まれる仕事には、中腰で行う畑仕事や雑巾がけ、柱を拭くことなどがあります。これらの仕事はとても良いスクワットになるんですね。
昔は妊婦さんでも野良仕事や巻割りなんかをしていましたし、釜戸で火を焚いて料理をしたりしていましたから、今よりも安産な人が多かったのでしょうね。
現代の女性の仕事の中で、妊娠に効果的な運動が含まれているのは極わずかだと思います。
ウォーキングだって、大股で骨盤をしっかり動かし、タッタカタッタカ歩かないとあまり意味がないんです。巡回くらいではちょっと運動とは言い難いかもしれません。
看護師の仕事にもいろんな動きがあります。診療科や病院によって仕事内容も変わってきますが、「妊娠中の運動のため」というのはなかなか難しいのです。
自分の体の声にしっかりと耳を傾けて!
私としては、体のこと・赤ちゃんのことを考えると…
妊娠初期はすぐに夜勤免除してもらう。
夜勤復帰したとしても8ヶ月目にはまた免除してもらう。
というのが最低限の基準だと思います。
でも、そんなに思うようにはいかない病棟の雰囲気ってありますよね。
特に、とっても忙しくて看護師が足りていない病棟だったり…。先輩看護師達が、妊娠しても夜勤も休まず働いていたり…。
そういう病棟だともう完全に「妊娠しても夜勤を続ける」という空気が出来上がっちゃってたりしますよね(涙)
むしろそういう病棟の方が多いのかも。私の友達でも何人もいます。妊娠しても夜勤を続けてる人たち。
こうなってくると、自分の体とのバランスを考えながら判断するしかありません。
例えば、頑張って夜勤免除をお願いしてみた結果、働きづらくなってかえってストレスで参ってしまう…なんてことになっては元も子もありません!
産後、育児休暇をとって同じ職場に戻るのかどうかも大きいですよね。戻るのであれば人間関係を崩したくないと思ってしまいますもの。
職場の人間関係だけでなく、働き方が変わることで経済的な不安を抱えてしまうこともあるでしょう。
そういった様々なことで、夜勤免除が逆に大きなストレスになってしまうのであれば、夜勤をしていた方が実は健康的に過ごせる!という人もいるのかもしれません。
自分の体の声にしっかり耳を傾けてください。
体の負担になってないかな。精神的ストレスになってないかな。
これらのバランスを注意深く観察して、決して無理をしないようにしてください。自分と赤ちゃんを守ってあげられるのは、あなただけ。
無理をして切迫流産なんてことになったら、夜勤どころか日勤も休まなくてはならない状態になってしまいます。病棟のために…と考えていると、余計に迷惑をかけることになりかねません!
自分と赤ちゃんを最優先に考えて、やれることはやる
夜勤免除をどうしても言い出しにくい時には、「お願い」の前に「相談」という形で師長さんに話してみてはいかがでしょう?
すぐに「夜勤免除」とまではいかなくても、回数を減らしてもらったり、「何カ月からは免除」という形にしてもらったりと、方法は色々あります。
周りの対応次第では、妊婦健診でちょっと大げさに不調をアピールたりして、女優になる必要もあるかもしれません。産婦人科医から診断書をもらうと、仕事も休みやすいと思います。
自分を本当に大切にしてあげていると、自然に周りからも大切にしてもらえたりするものです。
自分にとって1番良い環境というのは本当に千差万別でひとそれぞれ。自分が1番気持ち良くいられる環境を、プレゼントしてあげてくださいね。
自分に。そしてお腹のあかちゃんに。
早めの行動が◎
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