「クリニックの仕事は楽そう」「夜勤がないから心身も楽だよね」
クリニックの仕事はこのように思われるかもしれません。
総合病院で勤めていた私も、クリニックなら業務の負担が減り患者さんと楽しく明るく話しながら、自分の身体の調子も整うかなと思い、転職をしました。
実際に勤めてみると「つ・・・辛い、クリニックの仕事ってこんなだったの?!」と感じたことがありましたのでお伝えしたいと思います。
とにかく業務をこなし続ける
クリニックに勤める前から、きっと採血しまくって、問診取りまくって、診察の介助もして・・・
なんとなく、次々と業務をこなしていくイメージは持っていました。実際に働いてみると、想像を超えるめまぐるしさにびっくりしました。
周辺では評判のいいクリニックに私は勤めました。患者さんも半日で少なくても30名は来院する内科系クリニックです。
それだけでなく、企業の検診も行っており、とにかく採血をして半日が終わることもあります。
病院で勤めていたときも採血は得意な方でしたし、採血するのも好きでした。
採血が好きで得意であっても、検診採血が重なり企業の人が押し寄せた日は次々こなしていかないと終わらないという辛さです。
さらに、検診ですのでみなさん朝食を召し上がらず来院されます。順番を待っているだけでもイライラしている人もいて正直採血がやりにくく感じる時もあります。
ここまで1日に採血をずっと行っていると、慣れるだろうと思えますが、実際は針刺しするのでは?とハラハラしてしまいます。
いくらB型肝炎ワクチンを打ってあり抗体があるといっても、C型肝炎やHIV等の針刺しによる感染リスクもあります。
もちろんクリニックでも、針刺し事故を起こしてしまった時のフォロー体制は整っています。しかしここまで採血をしているとさすがに安全に採血手技を行っているつもりでも、怖くなります。
採血のほにも、問診やバイタル測定、診療介助、心電図測定、検査説明、レントゲンの撮影介助、点滴処置、この業務をとにかく1日の中で繰り返し何度も行っている。。。いや「こなしていく」というのが現状です。
総合病院で働いていた時は、患者さんの退院や退院後の生活を見据えての看護問題を捉えて日々のかかわりの中で看護問題を見つけて働いていました。
忙しい病棟業務の中でも患者さんの看護問題を捉える同時作業をしていたと思います。
しかし正直クリニックに勤めてからは、業務に追われているばかり。患者さんと会話してコミュニケーションを図りますが、一人ひとり看護問題を立てて、評価して・・・という作業はありません。
決して今までの看護が無駄になることではありません。むしろコミュニケーションを通じて患者さんの問題を把握しアドバイスを即座に求められるような場ですから、今までの看護経験が活かされると思います。
しかし、「業務ばっかりこなしていて、私これでいいのかな・・・?」とふと我に返るときがあるのが事実です。
自分自身の中で、「クリニックナースとして目指す目標」をしっかり持っていないと、看護師としての自分に疑問を感じやすく、「辛い」という気持ちだけが先行してしまうかもしれません。
あれ?これも看護師の仕事なの?!
クリニックに勤めてびっくりしたのは、雑用も看護師の仕事ということ!
雑用というのは、医療機器の動作チェック、検査業者へ連絡、備品のチェック、在庫補充や発注、医療器材の洗浄・消毒・滅菌、クリニック内の掃除、トイレ掃除まで!
病院でいえば、MEさんであり、中央材料室であり、看護助手さんであり、清掃業者であり、資材課でありと、クリニックでは看護師がなんでも請け負っています。
備品チェックは医療材料だけでなく、診療情報明細書の紙がなくならないか?とチェックしています。
正直、この雑用というのが結構辛いです。
また事務の方と順番制で行っている朝一番のトイレ掃除もあります。「なんで私ここのトイレ掃除しているんだろう?」と思ってしまう時もあります。
これもクリニックの運営に欠かせない経費節減の一貫とはいえ、雑用は私には正直向いていないようです。
またクリニックによっては、受付窓口も看護師が対応しているところもあります。
電話番や会計、窓口対応等も含めクリニックの運営上必要な業務も看護師の仕事になります。
とにかくいろんな仕事を看護師は任されるのが現状です。
雑用があると事前に思っていれば、「クリニックの仕事はそんなものか・・・」とすんなり受け入れられますが、私のように知らないで入職すると驚きと嫌気がさしてしまうのかもしれません。
スタッフ1人の負担が大きい
クリニックでは、看護師の人数は当然少ないです。私のクリニックでは看護師が1日2人体制です。
一人は採血や処置など診療介助、もう一人は来院した患者さんに詳しく問診をとったり、帰宅する患者さんの説明や問い合わせに応じるなど窓口対応をしています。
しかし私たち看護師は人間ですし家族もあります。電車の遅延や自身の体調不良、子どもの体調不良など何らかのハプニングで仕事に遅刻したり、休まなくてはいけない時もあります。
ですから、急な欠員が出たときはさすがに困ってしまいます。受付の方と協力して、何とかこなしてはいけるのですが仕事量がかなり多くなるのも事実です。
病院の時のように他に手助けしてくれるスタッフはいません。欠員が出た時こそスタッフにのしかかる負担はとても大きいと感じてしまします。
病棟に勤めていた時も急なお休みは取りにくいですが、はるかにクリニックの方が欠員が出ることはスタッフ1人の負担を考えると取りにくいですね。
自分自身の日々の体調管理をしっかり行い生活リズムを整える事や、子どもの体調不良の際の対応方法は家族や職場と事前にしっかり話し合っておく等対策が必要になりますよ。
まとめ
これらが私の感じているクリニックに勤めて辛いなと思う内容です。クリニックの仕事に従事する前に知っておくだけでも、実際クリニックに勤めた時に辛いなとあまり思わずに従事できると思います。
最後になりましたが、夜勤のない今ははるかに体調も良くなりましたし、人間関係も良いクリニックなので患者さんやスタッフとのコミュニケーションも楽しい中で仕事をさせてもらっています。
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